お弁当の宅配を通じて産前産後の母親とつながる、埼玉県狭山市の「comono」

人権TODAY

埼玉県の狭山市内で、妊娠中や産後1年までの母親に、週に1回、水曜の午後、手作りの弁当を宅配するサービスが去年(2020年)から始まっています。弁当宅配を行っているのは、「comono」というグループ。9月、代表の兒玉保光さんがベテランの助産師、原川安喜子さんと一緒に宅配するところを、崎山記者が同行して取材しました。

兒玉さんや原川さんは弁当を届けるだけでなく、身長や体重を測り、助産師の原川さんへのちょっとした質問があったり、子育て中のことを語り合ったり、保育園情報などを教えたり。宅配サービスを知ったきっかけも、市役所など公的機関に置いたチラシや、フェイスブックインスタグラムなどのSNS、口コミなど様々です。

出生届を役所で出した時にチラシをもらい、すぐに電話したという、ある母親は「上の子もまだ小さいので、なかなか外に出る機会がないので、兒玉さんたちが来るのが楽しみです」と話していました。

 弁当は一食300円。前々から決めて定期的に頼んでいる人もいますし、赤ちゃんの状況、お母さんの大変さは急に変わったりしますから、その日、水曜日の午前中も注文を受け付けます。

離乳食のことで、原川さんにいろいろ聞いていた別の母親は「困っているというほどのことじゃないんだけどと思うことも、来ていただいときにちらっと聞いて、ちょっとアドバイスいただくだけで、安心するんですよ」と話していました。病院に行ったり、わざわざ電話で聞くほどのことではないけど、助産師の原川さんのアドバイスで安心できる利用者は多いようです。

4歳と2歳の子供がいる兒玉さんがこの活動を始めたのは、ご自身の子育ての体験から来ているということで、「子育て中、なんか無性に孤独を感じることが多かったんです。手伝ってもらうっていうよりも、共感、共有の部分で、孤独だったんじゃないかっていう気がしていて、気軽に利用できて、人と繋がれる何かはないかなあと考えて、お弁当宅配、というかたちならどうだろうと思ったんです」と話します。

他のお母さんたちの状況も様々で、「地元が群馬で、狭山は全然馴染みがなくて、知り合いもいないので、ちょっと気軽に話できる人とか情報提供してもらえる方がいたら嬉しいな、ということでお願いしてみました」「妊娠中、夫がcomonoさんのチラシを持って帰ってきてくれて、栄養のあるものをと、結構気にしてたので、これ頼んでみたら、と言われたのがきっかけです」「毎週水曜日は、自分の中で家事休んでいい日なんだっていう、心の余裕が生まれます。ご飯作らない日にしよう。じゃあ今日ちょっとどっか連れてってあげようかなみたいな、ちょっとお母さんの心に余裕ができると思う」等々。兒玉さんは、かゆいところに手が届くような、ゆるいつながりを目指しています。

 弁当宅配をできないかと考えていた兒玉さんがcomonoの活動を立ち上げたのは、新型コロナウイルスによる感染症の流行が始まって少したった去年(2020年)5月のことでした。兒玉さんは「親子サロンだったりとか児童館が最初は全部閉鎖してしまったりとか、居場所がなくなってしまうみたいな中で、それでも育児は続いてくのに、という思いで、始めました。つながることが断たれてしまうことに対しての危機感みたいなものがすごく大きかったです」と話します。

 comonoを通じて、お母さんたちの横のつながりが広がっていきそうですし、他の地域でも似たような活動を考えている人たちにとって、ヒントにもなるかもしれません。

 comonoの弁当宅配 担当:兒玉(こだま)070-3103-9778 comonosayama@gmail.com

 担当:崎山敏也(TBSラジオ記者)

comonoでは活動継続のため、ということもあり、(202110月現在)週1回、狭山市内で「comonoキッチン」というキッチンカーのお店を出しています。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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