【音声配信】「ケアってなんだろう?~令和時代のつながりと責任の話」Part5▽塚越健司、山本ぽてと、吉川浩満、小川公代、倉本さおり、河野真太郎【文化系トークラジオLife】

文化系トークラジオ Life ニュース版
山本ぽてとさん(撮影:ササキミチヨ)

↑山本ぽてとさん(撮影:ササキミチヨ)       

   
塚越健司、吉川浩満、小川公代、倉本さおり、河野真太郎、山本ぽてと    

○宮野真生子・磯野真穂『急に具合が悪くなる』   
・VIO脱毛はセルフケアと他者へのケアが合体した究極のケア(海猫沢めろんさんからのメール)    
 →脱毛は一つの議題として重要(塚越)   
・深刻なステージのがんを患ってしまった哲学者の宮野真生子さんと人類学者の磯野真穂さんの往復書簡をまとめた『急に具合が悪くなる』。    
・磯野さんは宮野さんをがん患者だと扱わず、逆側から引っ張り上げようとする(メール)    
 →ケアは数量化が難しい(吉川)    
・道徳は法則があるが、倫理はその場その場で適切な解が違ってくる(吉川)    
 →磯野さんのように却って強引のほうが良かったりする(吉川)    
 →場合によっては介入したほうが良い(塚越)    
 →ある程度開いて、ステークホルダー(関係者)が多くいると良い(塚越)

・当事者への取材は「これはケアじゃない」と思っていないと文章を書いて記事にする所まで行けない(山本)    
・ケアではないが私が居ることで何かしら良くなっていると信じたい(山本)

・宮野さんが亡くなる直前に一緒に講演会をやった(河野)    
・僕はどういうケアが出来たか?その人の人生の物語に入ってない(河野)    
・宮野さんは普通に暮らそうとした。寄り添う方法は何なんだろう(河野)

○真のケアってなんだろう?   
・結核で亡くなったイギリスの小説家、エミリー・ブロンテ(小川)    
・彼女は意思が強く、亡くなる前の日もその日も普通に自分の役割であるパンを作り始めた(小川)    
・姉のシャーロット・ブロンテの葛藤。エミリーが落とした櫛を拾ってあげたいが拾わない・・(小川)    
・真のケアってなんだろう?相手の尊厳を尊重することがケアなんじゃないか(小川)

○責任と制度化   
医療側は訴えられたくない。ルール化・マニュアル化の徹底(小川)    
・責任を取るためには「誰が悪い」と明確にしないといけないシステムがある(小川)    
・マニュアル通りにすると、やってあげたいけどやってあげられない事がある(小川)    
・ルールとやってあげたい事の間で揺れる葛藤(小川)

○ターミナルケア   
ターミナルケア。最期をどう看取るか?の時に 拾うか/拾わないかの問題は大きい(塚越)    
・近代は命を延命させることが優先され続けてきた(小川)    
・良き生、長くなくても充実した生を生きる(小川)    
・日頃から家族や大切な人との間で叶えてあげるためにはどうしたら良いか話し合う(小川)

○ケアから逃げる   
・ケアが苦手なのは、最悪自分は逃げられる。    
・何か出来ると思い上がらないほうが良いのかな。遠慮がある(山本)   
・母が難病。母はどうしてもらいたいか?(小川)    
・和歌山にいる母。知らんぷりしようとすれば逃げられるが、それをしないでいる選択(小川)    
・物理的にケアすることは勿論、それ以上に相手の言いたい事や苦しんでいることを全部引き受けて文学的に分析した(小川)    
・『ケアの倫理とエンパワメント』で書いていることのほとんどは母に言ったこと(小川)

○関係的自律   
近代的な自己決定出来る存在は、ケアの文脈で見ると難しい(塚越)    
・最近「関係的自律(リレーショナル・オートノミー)」という言葉がよく言われる(塚越)    
・『現代思想2021年8月号 特集=自由意志』玉手慎太郎さんの論文「関係的自律とインフォームド・コンセント――自由で『自分らしい』意思決定のためには何が必要か」(塚越)    
・自分の意思で何か出来ることは大事だが、難病を抱えている人など自己決定出来ない人はその領域に入らなくなる(塚越)    
・家族や自分の信頼できる皆で決めたことでも自律の内に(塚越)    
・意思決定を一人の人間だけのものではない広いものに(塚越)

○海猫沢めろん『キッズファイヤー・ドットコム』   
『急に具合が悪くなる』の宮野さんは医者顔負けに自分の病気のことを調べまくる(河野)    
・自律的にセルフケアをするがどこかで破綻する。ワンオペ的なケア(河野)

・ワンオペと言えば海猫沢めろんさんの『キッズファイヤー・ドットコム』を想起(河野)    
 →ホストがクラウドファンディングで子どもを育てる。ソーシャル子育て(河野)    
・クラウドファンディングはネオリベ的。クラファンの対立項は税金(河野)    
・ケアの個人化をどう乗り越えていくか?今の男性のケアを考えるのに面白い(河野)   

・コロナ禍で良かったのは、友達と他愛の無いLINEや電話をこまめにするようになった事。それが自分の生活をすごく助けてる(山本)

text by 犬井おかか

このパートでかけた曲    
●エレファントカシマシ“友達がいるのさ”(山本ぽてとさん選曲)   

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