「牛乳瓶モデル」で脱プラごみ

森本毅郎 スタンバイ!

政府の有識者会議が先日、ストローやスプーンなどの使い捨てプラスチック製品、12品目を多量に使う業者に対し、使用の削減を義務付ける方針を示しました。全世界的に「脱プラごみ」というのが課題となっていますが、こうした中、 食品等を入れるプラスチックの容器を減らす「使い捨てない」実証実験が続々行われています。「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)「現場にアタック」で取材報告しました。

まずは、コーヒーのテイクアウトなどで使う「カップ」についての取り組み。NISSHA株式会社のご担当、吉村祐一さんに伺いました。

容器のシェアサービス、10月に都内で実験

「サービス名称は「Re&Go(リー&ゴー)」です。コーヒーカップやお弁当ボックスなどを「使い捨てない」サービス。コーヒーのような飲み物のテイクアウトは、今まで飲み終わった後は、ゴミ箱に捨て、ほとんど焼却されていた。「リー&ゴー・カップ」では、飲み終わった後、加盟店にご返却。洗浄して再びカップとして利用することで、ゴミをなくしていきたい。素材はステンレスの二重構造。水筒のようなイメージだと思います。いつまでも暖かく、そのまま冷たくいただける。通常の水筒ですと、自分で洗わないといけない、ずっと家から持ち歩かないといけないという事があるけれど、「リー&ゴー」は、飲み 終わったら、加盟店に返せば、自分で洗わなくて良い、かつ持ち運ばなくて良いのも利便性。」(NISSHA株式会社 吉村祐一さん)

▲「Re&Go」で使用する、ステンレス製のタンブラー(360ml)

  • リー&ゴーが用意した共通のボトル(タンブラーのようなものです)を参加店舗に配ります。
  • お店はそのボトルにコーヒーを入れて売り、
  • 買った人は飲み終えたらお店に返却。
  • 後はプロの洗浄業社が洗って、再びお店で利用する、

という仕組みです。

一日中持ち歩かなければいけないマイボトルの煩わしさはありませんし、加盟店なら買ったお店でなくても返却可能なので、返す場所が多いのは助かりますね。。

去年の12月~今年の2月、沖縄の読谷村で実証実験を行ったところ、スターバックスやイオン琉球など大手も参加。2か月で 数百人が利用し、「リー&ゴーに共感」という人が99%もいたそうです。

ということで、好評につき来月から、東京の大手カフェと組んで実証実験を進めるそうです。

実証実験では利用料無料ですが、将来はボトル利用料を少しいただきたいということで、そのあたりを詰めて、来年後半には、本格サービスを始めたいということでした。

★ステンレス製のボトルガム

そしてもう1つ、続いては、すでに売られている人気商品の容器を「使い捨てない」実証実験です。 運営するテラサイクルジャパンの冨田大介さんに伺いました。

「「Loop(ループ)」は「容器の再利用のプラットフォーム」。これまで日用品や食品の容器は 使い捨てとしてゴミにしていたけれど、それをなくすために、

  • 再利用できるステンレスやガラスの容器に調味料や洗剤を入れて販売
  • それを消費者の方が使い終わった後に返却
  • ループで、回収・洗浄・メーカーに空き容器を戻す
  • メーカーは、中身を再充填して販売

という仕組みです。

今、参加している商品は、「モンダミン」、ロッテの「キシリトールガム」、P&Gからは洗剤「アリエール」と 「JOY」というような日用品十数点が販売されています。もともとは「牛乳配達モデル」とも呼ばれていました。 東京中心のイオン19店舗、あとは通販サイトでも販売しています。 」(テラサイクルジャパン 冨田大介さん)

ループはメーカー、消費者、そしてループの三者で取り組む実証実験です。

まず大手メーカーが人気商品をガラスやステンレスの容器で販売。消費者は、使い終わったら、容器を指定の場所(イオンなどに返却BOXがあります)に返却。これをループが回収、きれいに洗って、メーカーに戻して再利用という流れです。

イオンだけでなく、通販でも扱っていて、通販の場合は、次の商品を買うと、配達の人が使用済みの容器を回収してくれるという事で便利。

▲アース製薬「モンダミン」。瓶に入ってるので、回収してリユースします

▲ロッテ「キシリトールガム」。(左)従来のプラスチック製ボトル/(右)ループのステンレス製ボトル

▲ステンレス缶を開けるとこんな感じです

ちなみに容器が重い分、運送などでCO2排出が増えそうですが、 そこは研究をしていて、2回以上回転すると、プラスチックよりCO2が削減できるということです。

 

▲「ループ」の回収ボックス(イオンの対象店舗に置かれています)

このシステムでは、ループは、メーカーからの手数料で事業を回していく仕組みで、ループがまとめてやるので、メーカーは自分で回収・洗浄するより安く済むそうです。

★回収の手間と、容器の預り金が課題

よく考えられていますが、ただ、課題もありそうです。それは瓶などの容器の「預かり金」が高いこと。最後にループの冨田さんに聞きました。

「預かり金に関しては、商品によってまちまち。百円ぐらいから何百円のところまで様々。商品代金プラス預かり金を購入時に支払い、返却したらその預り金は返却することになる。大量生産大量販売が実証実験段階ではできないので、その分コストがある程度かるので、少し高いぐらいの値段設定も仕方ないかなと思う。今後より多くの売り場で売らなければいけないし、多くの皆さんに使ってもらうことを考えなければいけないので、今後、課題は商品点数。皆さんがよく知っているブランドや商品をいかに多くループで揃えていけるかが大きな鍵になると思ってます。」(テラサイクルジャパン 冨田大介さん)

ループの商品は、ビール瓶のように、瓶代が上乗せされて売られて、返却すると戻ってきます。その預かり金が、安くても100円~。もちろん返却すれば戻ってくるお金ですし、中身が割高ということもなさそうです(キシリトールガムの場合、プラ製の従来品より、ループの方が、約1円安くなる計算でした)

プラスチックは安くて便利。その安さと便利さに慣れた消費者に訴えられる程度に、コストを削減し、利便性があげられるか。

今後、成功するためには、大量生産大量販売に繋げて容器のコストを下げ、また、駅やコンビニなど、あちこちに返却場所を作って気軽に返却できるようにしたいという事でした。

取材:TBSラジオキャスター 田中ひとみ

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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