FIVE NEW OLDのHIROSHIさんと宇多丸さん、ゲームを独占できるひとりっ子について語る

プレイステーション presents ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ

PlayStation®初の公式ラジオ番組として、2016年4月からレギュラー放送しているプレイステーション presents『ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ』(毎週木曜日 夜9時~)。

寝食を忘れてゲームにのめり込むほどのゲーム好きで知られるライムスターの宇多丸と、ゲームをこよなく愛する著名人をゲストにお招きし、「人生におけるゲームとの出会い」や「あのゲームとの思い出」「今オススメのゲーム」など、ゲームについて楽しく熱く語り合うトーク番組です。

第230回:FIVE NEW OLD  HIROSHIさん後編

ひとりっ子は最高だ

「マイゲーム・マイライフ」のゲストは先週に引き続き、FIVE NEW OLDのHIROSHIさんです。
今回は、リスナーからのおたよりコーナーがひとりっ子関連のものだったのですが、HIROSHIさんも宇多丸さんもひとりっ子ということでその話で盛り上がりました。
 

リスナー(ラジオネーム:マンデリンさん)

「この番組を聞いていて、宇多丸さんや、もし可能ならゲストの方に聞いてみたいことがあり、思い切って投稿してみます。現在、小5と小3、息子二人を育てているのですが、この二人が毎日喧嘩ばかりしています。その原因はほぼゲーム。(中略)それに対してひとりっ子の宇多丸さんやゲストの方は、ゲームを独占できてよかった。ひとりっ子は寂しいと言われるが、ゲームがあったのでそんなことはない、など、まるでひとりっ子は勝ち組と言わんばかりの自慢トークがよく出てきます。それが羨ましくもあり、でも実は少しくらい嫌なことがあったのではと疑う気持ちも少しあります。(中略)ひとりっ子だからこそのゲームの苦い思い出ってないでしょうか?」

 

宇多丸「HIROSHIさんもひとりっ子でね」

 

HIROSHI「はい。僕もひとりっ子なので、もう心ゆくまでやって」

 

宇多丸「愛情いっぱいにね。もうすべてがね、全部そそがれてスクスクスクスクと。どうでしょう、苦いほうってある?」

 

HIROSHI「まあ、そうですねえ。だから……あんまりその、例えばニンテンドー64のマリオパーティーみたいなゲームは買わないですよね。やったところで友達と遊んでナンボみたいなゲームはあんまりできなかった」

 

宇多丸「また任天堂がさ、いっぱい、4つ繋いでくださいみたいな。みんなで遊ぶ用ですよ、みたいなことを、ハードが」

 

HIROSHI「そうですよね」

 

宇多丸「いやでも、こっちにそんな何個もいらないんで、なんかすいません(笑)」

 

HIROSHI「確かにめっちゃわかります(笑)。めっちゃ思ってた。なんかだから、確かにおっしゃってるみたいな、二人プレイのものとかはなかなかできなかったので、そこは寂しさがありましたね。まあでも、友達が家に来ればみんなそれぞれコントローラー持ち寄ってスマブラしたりとかできてたので、基本的には楽しかったなと思いますけどね」

 

宇多丸「僕も対戦という意味では、最近のゲームじゃなくても、ファミコンのさらに前に、昔のゲームってカセットで入れ替えるやつじゃなくて、もうゲームに、ピンポンとか、ドットが行き来する、ダイヤル式のラケットとかで打ち合う、最初期のテレビゲームみたいなのはあったんですよ。でもひとりっ子じゃないですか。僕、両方を操作して、自分でこうやって、自分でジャグリングじゃないけど自分で打ち合うっていうのをやってました」

 

HIROSHI「めっちゃわかります。わかります、それ」

 

宇多丸「それに類することやってました?」

 

HIROSHI「ありました。僕たちの世代ってベイブレードがすごい流行ってたんですよ。ベイブレードみたいなやつで、僕はなぜかベイブレードじゃなくて、昔ながらのベーゴマを(中略)ひとりで争わせてやってましたね」

 

宇多丸「(中略)それで思い出したのが、オセロとか対戦するボードゲームあるじゃないですか。それ俺ひとりで、ひとり両役?」

 

HIROSHI「ああ~、はいはいはいはい」

 

宇多丸「そう来た? みたいな(笑)」

 

HIROSHI「全部自分の頭の中でわかってるのに(笑)」

 

宇多丸「みたいなのやってました。今思い出したわ」

 

HIROSHI「ボードゲームとか特にそうですよね。だからテレビゲームはやっぱり自分で遊べる余地があるから苦労しないけど、ボードゲームとかのほうが寂しいですよね」

 

 宇多丸「僕の頃とかはまだテレビゲームが主流じゃないから、僕、大人になってから、プレイステーションを買ったときに、ついに俺が働きかけると確実に返してくれる奴がうちに来た。もう寂しくない、みたいに思いましたもん」

 

HIROSHI「革新的ですよね」

 

宇多丸「(中略)でも、ひとり遊びで人形とかやっていても、勝手にストーリー作るとかやりますよね、やっぱりね」

 

HIROSHI「そうですよね。わりと世界観を自分の中で広げていく行為はひとりっ子ならではなのかもしれないですね」

 

宇多丸「(中略)でも(きょうだい羨ましいと思ったことがあったとしても)あるポイントで、アレ? っていうか。ほかの奴ら見てて、アレ? 俺これ、いいんじゃねえの?」

 

HIROSHI「ありますね(笑)」

 

宇多丸「やりぃ、みたいな瞬間きますよね、なんかね」

 

HIROSHI「きます、きます、きます」

 

宇多丸「はははははは!」

 

HIROSHI「別にいいじゃん、みたいな。結局ひとりラクだし」

 

宇多丸「ラクだし、あいつらなんか兄貴に虐げられてたり、弟言うこときかなかったり、ろくなことねえじゃんあいつら、みたいな」

 

HIROSHI「そう、ありますね(笑)」

 

宇多丸「色々買ってもらえるわけですし? シェアする必要とかないし? あるポイントで、やりぃ感が出るんだよな。で、マンデリンさんが感じるひとりっ子自慢みたいなのが始まってしまう。ということでマンデリンさん、寂しくないわけではない。当時のこの、ひとりで(ゲーム機の両方を)パチパチパチパチやってる姿はなかなか涙を誘う(笑)」

 

 

いや~~~~~わかる!!!!(私もひとりっ子でございます)

オセロをひとりでやるとかね、これはもう、あるあるです。ひとりで人形遊びやら何やらでストーリーを作り始めるのも、あるある。

で、ひとりっ子に苦い思い出があるのか? ひとりっ子は寂しいのか? についてですが、私の見解としては、ないですね(きっぱり)。はい。一切ないです。まあ、宇多丸さんも「寂しいは寂しい」と一応おっしゃっていましたが、あれね、たぶん寂しいって本当はたいして思ってないですよ……! 「無理矢理ひねり出してみたら、もしかしたら寂しい? のかもしれないけど、当時、自分なりに楽しくやってたから楽しかったんだよなぁ」がきっと本心ですよ!

ひとりっ子は寂しいのか問題についてなんですが、ひとりっ子自身はひとりでいることしか経験したことがないので、そもそも寂しいと思う余地がないんです。「寂しい」とは、「ある」→「ない」の落差を感じるときに出る感情ではないでしょうか。例えば、「友達が転校する」「友達に仲間はずれにされる」「恋人と別れる」、こういうときに寂しさを感じると思うのですが、いずれも「ある」ものが「なくなるとき」に該当します。そういう意味で、ひとりっ子は、最初からずっとひとりっ子。その世界しか知りませんから、マイワールド楽しい、といつだってルンルン生きているのです。

 

あと、「ひとりっ子は寂しいでしょ?」、「ひとりっ子はかわいそう」と言われるのもあるあるなんですが、本人からしたら全然ピンと来ない上に、ちょっと腹が立ちます。こっちは楽しいのに、勝手に「かわいそう」扱いされるとか、失礼千万ですよ!

A:「あの家の子はひとりっ子だからかわいそうね」やB:「ひとりっ子にさせちゃったらこの子がかわいそうだわ」とかって、正直ひとりっ子本人がひとりっ子であることを嘆き苦しんでいるのを見て「かわいそう」と言ってるわけではないのでは? Aについては「うちはきょうだいを産みましたから」という産んだ数マウンティング、Bについては「産めなかった自分に罪悪感」、といういずれもそれを発言する親たちの、自分自身の話なのではないでしょうか。

あと、「ひとりっ子はワガママ」とかいう風評被害についても失礼しちゃいます。ひとりっ子は普段こうやって世間様からいわれなきネガティブキャンペーンをされることが多いので、私は胸を張ってひとりっ子最高!と言いたいです。ゲームで喧嘩しません! ゲームひとりじめできます! きょうだいがいると、きょうだいがいるゆえの楽しさがあるのもわかります。でも、「きょうだいが○」で「ひとりっ子が×」という、どちらかだけが正解で、どちらかを落とす考え方は、今の時代もうやめませんか? 「ひとりっ子はかわいそう」と勝手な物差しで他人のことを“評価”するのもやめませんか? どのきょうだい構成でも、それぞれ楽しい、でいいじゃないですか。だからひとりっ子、楽しいですよ。ひとりっ子最高!

 

■今回のピックアップ・フレーズ

 

「全然違うバンドのマネージャーの人と(ゲーム)やってて、『6月なんだけど、対バン出てくれない?』って普通にApexのゲーム中に言われたり(笑)」

 

「いよいよその時代か! ちょっと前までさ、10年くらい前まで、SNSでね、仕事の連絡かー、なんて言ってさ。今もうそれ普通になっちゃったけど。いよいよゲーム!」

 

6月か~たぶん空いてると思う、ちょっと聞いてみる~って(笑)」

 

「ついにその時代!」

 

文/朝井麻由美(ライター、コラムニスト)

 
 
 
 
 
 
 
 
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