「週19本聴いてます」ラジオへの愛と熱意でサークルを立ち上げた大学生/大阪大学ラジオの会【ラジオ沼より愛を込めて】

ラジオを深く愛する方々にその魅力を教えてもらう新連載「ラジオ沼より愛を込めて」。
第1回は、ラジオの良さをもっと広めたい!と熱い思いで活動する学生サークル「大阪大学ラジオの会」のみなさんにお話をうかがいました。
現実逃避に、昭和歌謡。みなさんのラジオの魅力や、沼にハマっていくまでの道のりをたっぷり語っていただきます。

 

——「大阪大学ラジオの会」、非常にシンプルな名前ですが、どんな活動をされているんですか?

山浦 自分たちで2つのラジオ番組をつくって、Radiotalk(音声配信アプリ)で配信しています。ひとつはまさにそのまま『大阪大学ラジオの会』という番組名で、大阪大学にまつわるローカルな情報がテーマです。対面授業が再開したことなど、大学のコロナ対策の情報や、「水蒸気とレーザーで空中看板ができる」っていう阪大の研究成果を紹介したり、キャンパス最寄りの柴原阪大前駅と石橋阪大前駅の雰囲気の違いを語ったり。今後は阪大を目指す受験生に向けて、大学の雰囲気を伝えたり、受験勉強のアドバイスなどもできたらいいなと思っています。

もうひとつは『大阪大学○○の会』と題して、メンバーが好きなものを語る番組をつくっています。「音楽の会」「ラーメンの会」「スニーカーの会」とか、メンバーが持ち回りでテーマを自由に決めて。ラジオでパーソナリティさんが好きなことを熱く語っているのって、すごく楽しそうだし、聴いていてもおもしろいんですよね。そんなふうに、自分たちも聴いてくれる人も双方が楽しめるラジオ番組を目指しています。

——この大阪大学ラジオの会は会長の山浦さんが昨年立ち上げられたそうですね。立ち上げのきっかけを教えてください。

山浦 僕、小学生の頃からラジオが大好きだったんです。小学1年生のときから一緒に暮らすようになった祖母が、地元のABCラジオのヘビーリスナーだったので、家で一日中ラジオがついていて。物心ついたときから、ずっとラジオを聴いてきました。

そんな僕がサークルを立ち上げたきっかけは、『アルコ&ピースD.C.GARAGE』などのラジオ番組でディレクターをされていた石井玄さんのツイートでした。

ラジオをブームにしたい、誰もが面白いと思えるものにしたいと言ったバカを、ラジオはもう終わってるものだと、嘲笑った人のことを俺は一生忘れないです。今は自分もおじさんだけど、まだその夢は叶うと思ってるから、もう少し努力していこうと思います。
面白いものは、諦めなければまだ作れます。

— 石井 玄(ひかる)【エッセイ「アフタートーク」9月15日発売】 (@HikaruIshii) March 16, 2020

ラジオ好きとして、石井さんの思いにすごく感化され、自分もラジオのためにできることはないかなと考えて。大学生の僕にできることは、同世代にラジオの良さを広めることだと思ったんです。そのために、まずはラジオ好きな仲間を集めよう! と、このサークルを立ち上げました。

 

——早熟ですね! 中西さんと河野さんも昔からラジオを聴いていたんですか?

中西 僕も小学生の頃から聴いています。小3のときに、自分の部屋をもらって1人で寝るようになったのですが、最初はなかなか眠れなくて。すると母が「ラジオを聴いてみたら?」とすすめてくれたんです。当時はただ流していただけでしたが、人の声が聞こえるとなんだか安心できて、眠れるように。それ以来、ラジオをつけて寝るのが習慣になりました。
 

河野 僕は2人と違ってラジオを聴きはじめたのは最近で、高校3年生の受験期でした。元欅坂46の平手友梨奈さんのファンで、彼女が『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM)の月間パーソナリティを務めると知り、初めて聴いてみたんです。そこでラジオのおもしろさを知って、他の番組も聴くようになりました。

(TシャツにDVD、それぞれのラジオグッズを囲む)

——みなさんは、普段どれくらいラジオ聴いているんですか?

山浦 僕は週に19本くらい聴いています。もうラジオに依存してるってくらいに四六時中ラジオを聴いていますね(笑)。


中西 ひとつハマると、あの番組もこの番組もってどんどん増えちゃいますよね。それでも19本はすごいです!(笑) 僕も自分の部屋ではほとんどラジオをつけていますし、今も寝るときはラジオをつけっぱなしにしています。
 

河野 僕は主に勉強中やバイトへの移動中に聴いています。サークルのメンバーは全員radiko会員なので、みんなたくさん聴いていると思いますね。

山浦 『空気階段の踊り場』とか『バナナムーンGOLD』とかは、みんな聴いてるんじゃないかな? よく話題にのぼります。このサークルを立ち上げて、ラジオのことを存分に話せる場所ができたことが、なによりうれしいですね。


河野 わかります! 聴きはじめた高校生の頃は、ラジオのことを話せる友達がいなくてさみしかったので……(笑)。ちょうどこの間、佐久間さんのオールナイトニッポンからステッカーをもらえたので、うれしくてすぐに山浦さんに報告して、盛り上がりました!

 

——みなさんが、ここまでラジオに夢中になるきっかけとなった番組はなんだったんですか?

山浦 僕は、高校生の頃に『山里亮太の不毛な議論』にどハマりしました。山里さんって、ネガティブな感情もめちゃくちゃおもしろく語ってくれるんですよ。日常生活で起こるイヤなこととか、「わかるな~」と共感できるマイナス感情を、全部お笑いに昇華してくれるというか……。そういう山里さんの力に、すごく救われてきました。

毎週あの2時間だけは、自分の部屋が『山里亮太の不毛な議論』を楽しむ“特別な空間”になる。その現実逃避できる感じが大好きです。

河野 僕は『ザ・ヒットスタジオ』(MBSラジオ)の火曜日が好きで。平日毎日放送している番組なんですが、火曜日は吉田照美さんが出演されていて、昭和歌謡がテーマなんです。親の影響で昔から昭和歌謡が好きだったので、聴くようになりました。いろんな曲が紹介されるから勉強になるし、今の流行りの曲とはジャンルの違う曲を知れるのがすごくおもしろい。

そんなふうに、知らなかったことを、しかも予期せず知れるのが好きで、ラジオにハマったのかもしれません。新しい音楽を知れたり、エンタメニュースをキャッチしたり。ラジオで得た知識が人との会話のタネになることもよくあります。


中西 ラジオって流行を先取りするような情報も知れますよね。ラジオでプッシュされていた曲が流行ったり、ラジオでおもしろいなと思った芸人さんがブレイクしたり、「俺は前から知ってる」ってちょっと自慢に思えます(笑)。

僕は高校生のときに、『神田松之丞 問わず語りの松之丞』(現『問わず語りの神田伯山』)にハマりました。当時、自分も周りも講談のことを全く知らなかったので、講談師の方ってどんな話をされるんだろう? ってきっかけで聞き始めて。新しい世界に触れられた感覚があって、すごくおもしろかった。そういう興奮が、ラジオに一段と夢中になった理由だったのかなと思います。

 

——ラジオにハマったみなさんが感じる、ラジオの魅力はなんですか?

山浦 ほかのメディアよりもずっと、「言葉の温度感」が伝わるのが魅力だと思います。言葉づかいや間、トーンなどの声色で、その時々の感情や、細かいニュアンスがしっかり伝わってくる。特にSNSの文字だけのメッセージと比べると、リアルタイムに本人の声で聴けるから、パーソナリティさんの言葉を誤解なく理解できているような気がするんですよね。

中西 同感です! だから、ラジオってパーソナリティのみなさんの人間性を一番深く知れるメディアなんじゃないかと僕は思っています。ラジオを聴くと、好きな人のことをもっと好きになれるし、知らなかった人のこともどんどん好きになっていく。


河野 僕も、パーソナリティの方々の「偽りなしの本音トーク」が聴けるのがラジオだと思っています。それが本当におもしろい! 生放送の番組も多くて、直接リスナーとのやりとりがあるから、言葉がよりリアルに感じられるんですかね。


山浦 たしかにそうかも! リスナーとリアクションのやりとりがあると、聴いているだけなんだけど、自分もパーソナリティのみなさんとコミュニケーションを取っているような、つながっているような感じがする。そういう「心の距離の近さ」もラジオの魅力だと思います。

 

——お話を聴いていて、みなさんがラジオを好きな気持ちがよく伝わってきました。今日はありがとうございました!

 

 

大阪大学ラジオの会/「ラジオ好き」を共通点に集まったサークルメンバーは現在17名。そのうち、今回取材に応じてくださったのは、3年生で会長の山浦さんと、2年生の中西さん、河野さん。山浦さんは最後に「卒業後は大好きなラジオに携わる仕事に就けたら」と夢を語ってくれました。

Text:水沢環 Photo:木村華子 Edit:ツドイ

 

 

 

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