ビートルズにオアシス。ラジオが音楽の入り口になれ!/ヒコロヒー【#音の履歴書】

24時のハコ

その人の「好きな音」、そして過去を振り返ったときに聞いていた「あの頃の音」。そんな【音】をテーマに、エピソードをおうかがいするインタビュー企画「#音の履歴書」。

初回に登場していただいたのは、7月の『24時のハコ』パーソナリティを務める、お笑い芸人・ヒコロヒーさんです。

ヒコロヒーさんの耳を揺さぶってきた【音】ついてお聞きしました!
 

好きな音は「ラジオ」。念願のパーソナリティに

 「ラジオ」はやっぱりずっと好きで、リスナーとして本当によく聞いていたので思い入れがありますね。それが急にTBSラジオのパーソナリティですから、もちろんありがたいですし、感慨深いですよね。オンエアはTwitterに張り付きながら聞きましたよ(笑)。
(※『24時のハコ』は収録放送)

 ラジオとの出会いは、小学生だったんじゃないかな。『松浦亜弥Let's do it!!(ニッポン放送)』っていう、あややの番組を熱心に聞き始めたのが最初だったんですよね。同じ頃、矢口真里さんもすごく好きだったので、『あなたがいるから、矢口真里(ニッポン放送)』もずっと聞いてました。わたしのラジオ熱は、アイドルの番組からスタートしてるんです。

 中学生ぐらいの頃、ブラックマヨネーズさんの『ブラックマヨネーズのずぼりらじお(ABCラジオ)』にすごくハマったのを機に、お笑いのラジオには目覚めたんやと思います。本当におふたりの掛け合いがめちゃくちゃおもしろくて。そこから、くりぃむしちゅーさんの『オールナイトニッポン(ニッポン放送)』とかも聞くようになったりして。まさに、深夜ラジオの王道のおもしろさ!って感じがしますよね。

 あとは、山下達郎さん『サンデー・ソングブック(TOKYO FM)』だったり、葉加瀬太郎さんの『ANA WORLD AIR CURRENT(J-WAVE)』もすごく好きなんです。「この世の中にはこんな音楽があるのか」って出会いをさせてくれるというのかな。シティポップだとかオルタナティブロックとか……そういう音楽は山下達郎さんのラジオで知ることができたものが結構多いんですよ。うるさい蘊蓄(うんちく)じゃなくて、ちょっとした素敵な説明を添えて流してくれるから、興味が持てるんちゃうかなと思います。ラジオで出会ったアーティストとか、曲って本当にたくさんあるんですよ。

 勉強しながら、家事をしながら、耳を傾ける……みたいな、“生活への溶け込み方”がラジオの魅力なんじゃないかな。グッと集中しなくても「そこにある」みたいな。
 ラジオでは「ちょっと化粧落としてくれてる」みたいな身近さを感じさせてくれるパーソナリティの方が好きですし、何気なく聞いてる中で本当にたくさんの音楽だったり考え方とかいろんなものに出会わせてもらいました。 
 

20歳の耳を揺さぶったのは「ロック」の音

 節目の20歳……というと、その時代はわたしは本当にくだらなかったと思いますね。その期間は、ぽっかりラジオとも離れてたんじゃないかな。麻雀したり、浮ついて男と遊んだり。今思うと、改めて「くだらんなぁ」って思いますよ。
耳にしてたのも、当時流行りはじめてたK-POPとか、そういう遊び場の音じゃないかな。

 でも、今も好きな「UKロック」との出会いは、ちょうどその頃だったんですよね。ビートルズ然り、オアシス然り。そういう音楽に出会って、これ好きかも!って惹かれた感覚は覚えてます。きっと友だちとか周りの影響だった気がします。ラジオもそうですけど、誰かがすすめてくれた音楽が入り口になって、さらにどんどん自分の好きな音楽を見つけたりするのっておもしろいですし、自分が見つけた好きな音楽と過ごす暮らしって“贅沢”ですよね。
 数年経って「あの頃あれ聞いてたな」って、当時のことと一緒に思い出すこともありますし。

 もしかしたら、いまの10代20代の方でたとえば地方から出てきたり、バイトも学校活動もご時世的にできなくて……みたいな人もいるかもしれないですけど、身近な人に教えてもらうことができない分、ラジオとかそういうところで「自分な好きなもの」とたくさん出会ってほしいって気持ちもあったりして。
 わたしが今回のラジオで流した曲も「知らなかったけど好きになりました」ってお便りをいただいたりすると、やっぱりすごく嬉しいです。まさにリスナーの時代に自分も通って来た道なので。……リスナーの時代に、ってねえ(笑)。

 

わたしが届ける「音」は

 やっぱりわたしも、『24時のハコ』ではしっかり音楽を流させてもらいたくて「曲はフルで流したいです」っていうのがあったんですよ。「フルは長いです」っていうご意見もあるかもしれないんですけど、たった3~4分のことじゃないですか。わたしは音楽家じゃないし、どういう考えのもとその曲が作られたか……までは想像でしかわからないですけど、1曲が作品だと思うので、フルで流すことで響くものがあるかもしれないし。それもまた贅沢だと思うんですよ。 

 リスナーさんにとっても、ゆったりと贅沢に時間を使ってもらって、「いい音楽だな」と思ったら調べながら聞いてもらったり、歌詞を追ってもらっても良いですし。自分がこれまでラジオにしてもらったように、聞いてくださってる方の世界が少しでも増えれば、というのは思いますね。
 2回目に流した泰葉さんの『フライディ・チャイナタウン』とかは、「あれ、いいね」って褒められるたび、泰葉さんみたいな顔して「ありがとうございます」って言うてますよ(笑)。

 ラスト1回を残して、3回目にしてようやく裾に手が伸びて少し掴めてきたかなというような感じなので、次で終わってしまうというのはさみしいところでもありますけど、大事にしたいのは「ヒコロヒーのラジオ」「ヒコロヒーだからできるラジオ」ってところですかね。

 やっぱりひとり喋りですし、掛け合いのおもしろさを聴かせるような『ずぼりラジオ』だとか、くりぃむしちゅーさんの『オールナイトニッポン』みたいなお笑いのラジオはなかなか難しいですから。その分、自分らしく、わたしだからできるっていう内容を目指そうと思ってやってきたので、そういった温度感とか他の芸人にはない色を感じ取っていただけているのであれば引き続きこの調子で最終回も頑張りたいと思います。

 あとは、若い人にはぜひ「こんな大人にならないでおこう」みたいな反面教師にしてもらって。そういう意味では社会貢献でもありますよね。犯罪率の低下にも一役買いたいと思ってますし。「ああ、既婚者に騙されて恋をするとこういうことになるのか」とか「好きな人にはこまめに連絡した方がいいねんな」とか(笑)。“聴けるウシジマくん”というか。そういう話もいろいろとしてますので。

 同じようなシーンに出くわしたとき、「あ、こっちにハンドル切ったらヒコロヒーみたいになってまう!」と思い出してもらって。そうやって上手く恋愛なんかもやってもらえれば、出生率も上がっていくと思うんですよ。
 本当に社会派な一面もあるのでね。「橋田賞」とかも狙えるような最終回になればと思ってます(笑)。

 

24時のハコ 水曜24:00-25:00
「マンスリー(月替わり)のチャレンジ枠」と位置づけ、今後、幅広い番組で活躍していけそうなパーソナリティを迎える番組です。4代目、7月のパーソナリティは初のピン芸人・ヒコロヒーさん。最終回となる7月28日(水)の放送もぜひお楽しみに!

ヒコロヒー
1989年10月15日生まれ、愛媛県出身のお笑い芸人。松竹芸能所属。「女芸人No.1決定戦THE W」2017~2020年4年連続準決勝進出。元ピーマンズスタンダードのみなみかわとのユニット「ヒコロヒーとみなみかわ」にてM-1グランプリへ出場。男女逆転漫才にて注目を浴びる。2020年M-1グランプリ準々決勝進出。
 

Photo:持田薫  Text:中前結花

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