ミャンマー料理を食べて、ミャンマーを知って、支援につなげるレストラン

人権TODAY

今回のテーマは…「ミャンマー料理を食べて、ミャンマーを知って、支援につなげるレストラン」

  担当の崎山記者が、時々行っていた、池袋駅の西口、在日ミャンマー人がオーナーの激安居酒屋「希望の星」。そのお店の場所が2021年6月に、ミャンマーの料理を中心に出す「Spring Revolution Restaurant」としてオープンしました。

 池袋駅西口からすぐの雑居ビルの3階。お店に入ってみると、壁際には民主化運動を行ってる人達への応援メッセージを書いて貼るボードや、ミャンマーが色々な民族であることを示す絵が描いてあるエコバッグとかのハンドメイドの物など、グッズなども売ってます。

 ミャンマーで、軍によるクーデターが起きたのは2021年の2月。現地では、選挙で選ばれた政権をひっくり返した軍の行動に対し、抗議する活動が続いている。そのため、軍に拘束されたり、仕事を失ったり、暮らしている地域から避難するなどして、収入が無くなり、生活が苦しくなる人が増えています。

 このレストランの開業を呼びかけた、レーレーウィンさんに話を聞くと、レーさんたち在日ミャンマー人は、クーデターが起きた2月以来、自分の収入をほとんど寄付したり、街頭で募金活動を行って、現地の人たちの支援に充てていました。ただ、そういう活動では限界があると感じ、レストランを開業して、収益を支援に充てようと考えたということです。

 日本に来て8年。医療従事者として働いているレーレーウィンさんに忙しい中、時間をとっていただき、話を聞きました。「日本でも、ミャンマーのことは自分とは関係ない、と思っている人もいっぱいいるんですけれども、ご飯食べてみて、この料理食べたことないな、と思って、美味しいなって思ったら、この店って、なんだろうって調べるんじゃないですか。ミャンマーの伝統的な料理はどんなものなのか、ミャンマー人はどんな考えを持っているか、とか、ミャンマーの現状はどうなってるのか、とか全部わかってほしいのです。今メディアとかであまり出ないじゃないですか。それを伝えるために、食事を味わいながら、応援しながら、ミャンマーのこと分かるようにしようと思っていたんです」

 大学の時も職場でも周りは日本人ばかりで、ミャンマー人の知り合いはあまりいなかったというレーさん。日本でのデモや募金活動で、料理のできるミャンマー人と知り合い、池袋の居酒屋のミャンマー人オーナーの協力も得られて、オープンにこぎつけました。店の運営には、20代から30代の在日ミャンマー人60人ほどがボランティアで協力しています。ほとんどが社会人で、自分の仕事もある中、時間を調整して、レストランの接客を担当するほか、店内の装飾、SNSを使った宣伝、店で売るハンドメイドの雑貨作り、などを分担。レストランの利益は、光熱費などの経費だけ引いて、残りは、店内での募金と合わせ全額、NGOなどを通じて、軍への抵抗を続けるミャンマーの人の支援に充てています。抵抗運動が始まったのが2月なので、ミャンマーでは運動全体を「Spring Revolution」、春の革命と呼んでおり、そのままお店の名前となりました。

 お店で10日ほど前、初めて来たというお客さんに話を聞くと「食べ慣れない味なんですけど、でもおいしいです。さっき、アウンサンスーチー、ステッカーがあって、ちょっと気になってます」「こういう支援ができるお店があるから行かないって、声をかけてもらったので。こういう伝統工芸みたいなものも全然知らなかったので、カラフルでかわいいと思います」「現地の料理って基本的に、美味しいと思いますし、値段も安くて。豚のくんせい、めちゃめちゃ美味しかった。説明も書いてあって、わかりやすいです」「メニューの説明も、全て書いてあるから、私とかアレルギー持ってて、それも店員さんに伝えたら、すごく真摯に対応して下さって」と様々な声が返ってきました。

 「SAVE MYANMAR」と書かれたTシャツ。多様なデザインのダルマさんの絵が描いてある、エコバッグ。ダルマさんは、ミャンマーでクーデターに抵抗している様々な職業の人を表しているほか、多民族国家ミャンマーの様々な民族も表しています。

 ミャンマーには、6割ほどを占めるビルマ民族の他、様々な少数民族が暮らしています。宗教も仏教が多数ですが、キリスト教、イスラム教の人、民族もいます。

 「Spring Revolution Restaurant」では、少数民族の料理も積極的に出しています。レーさん自身ビルマ民族で、食べたことがない、少数民族の料理も多いということで、「自分はカチン民族だとか自分はシャン民族だとか、色々バラバラなんですけど、みんなミャンマー人だという気持ちで、いま頑張っています。私がアイデア出して、これこれしたいです、というと、みんな後ろから、これこれ手伝いますとか、やってくれているので、本当にありがたいです。日本にいる全ての民族が、ビルマだけではなくて、いろんな民族が協力してくれてる店になっています。それが魅力的だと思います」と話していました。

 モヒンガーやカオスエという米の麺の料理。麺といっても、シャン民族風のものも定番です。お茶の葉のサラダ「ラペットウッ」。周りのインド世界や、タイ、北のチベット、都市の華人など、様々な地域との共通性も感じられるメニューもあります。

 いろんな料理を食べてみたい、とか、ミャンマーのことが気になるとか、どんな入り口でもかまわない、と思うので、ふらっと立ち寄ってみて下さい。

取材報告/TBSラジオ・記者 崎山敏也

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