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誰もが移動しやすい街づくりを目指す富山で,富山ならではの音楽フェス「BEATRAM」

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で08:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・「誰もが移動しやすい街を目指す富山で開かれている音楽フェス〔BEATRAM〕」

北陸新幹線で富山駅に行くとわかりますが、新幹線の高架のホームから下に降りて、地上の改札口を出ると、「路面電車」の停留所が目の前の高架下にあって、雨に濡れずに乗って、富山市の中心街に出ることができます。

10月8日(土)、崎山記者は取材で富山の路面電車、街中をぐるりと一周する「環状線」に乗り込みました。すると車内では、お笑いコンビ「ダイノジ」がDJダイノジと名乗り、乗客と一緒に、昔の流行歌を大合唱。

動く路面電車の中で、風景にも目がいったり、道行く人に手を振ったり、大盛り上がりでした。

富山市では10月8日と9日、音楽フェス「BEATRAM」が開かれていたんです。ステージがあるのは、街の中心部にある「富山城址公園」と、「環状線」の路面電車の車内です。

路面電車は英語で「トラム」といいますが、路面電車がリズミカルに走る音を音楽の「ビート」に例えて、「ビートラム」。と名づけ、今年で5回目の開催です。

路面電車のステージ、「トラムステージ」から降りてきたお客さんに話を聞くと、

ある女性は「路面電車という富山らしいものと富山城址公園というシンボル的なものと組み合わせてやっているので、富山でしかできないフェスだと思います」と話します。

また、東京から来ていて、富山が初めてだという女性は「こんなにアーティストさんと近くで見ることができるのは、とても楽しかったです。東京から来ました。富山初めてです。

こんなにきれいな路面電車というイメージがなかったので、びっくりしました。なんか未来的というか」と話していました。

ビートラムのステージに使われた「サントラム」という電車は、普段環状線を走る「セントラム」と共に、最新式の路面電車。ホームと車両の隙間はわずか3センチ。

高齢者や車椅子利用者、ベビーカーを押すお母さんでも乗りやすいんです。

「BEATRAM」は、商工会議所、観光協会、商店街連盟、富山のメディアなどで作る「実行委員会」が主催しています。実行委員会事務局の沢井一哉さんに聞くと、

「富山市の施策として、コンパクトシティというのをあげていて、公共機関の充実というのに、重きを置いてますので、富山市民にとっては、車がなくても、

便利なものが路面電車という位置づけになっています」と説明します。

「コンパクトシティ」というのは、居住、商業、文化、行政など都市の機能を公共交通の沿線に集中させる考え方です。富山だけではなく、全国で、車社会で市街地が郊外に広がって、中心街が空洞化。

一方、高齢化が進むと、車が運転できず、郊外に取り残される市民が急増するのではという心配から街の規模をコンパクトにして、移動しやすく、生活しやすくしようという考え方です。

例えば富山の「環状線」沿線には、富山駅、県庁、市役所、図書館や美術館、公園、商店街、銀行などがあり、沿線だけで全て事足りることを目指しています。

今年の「BEATRAM」には常連のオリジナルラブ、カジヒデキ、NONA REAVESなどが出演したほか、新潟発のアイドル、Negiccoは初出場。好きなアーティストを目指して県外から来た人も大勢いました。

話を聞くと、ある男性は、「新潟からきたんですけど、Negiccoが出るのもあるし、路面電車乗ったことなかったんで、一回乗ってみようかなと。一周するやつに乗りました。

新潟はないんで、あればいいなと思いました」と話します。また富山市内に住む学生は「学生なんで、車に乗れないんで、交通の足として、どこに行くのも、助かります」と話します。

また別の女性は、「電車は渋滞もなく、本数も来るので、すごくいいと思います。学生さんも乗ってますし、通勤の人も便利なんで乗ってます。200円で、ぐるぐるどこまでも乗れるんで、いいですよ」と話していました。

いわゆる「交通弱者」だけでなくみんなの足になっているんです。

「BEATRAM」は、チケットを見せると、路面電車がその日「乗り放題」になります。実行委員会事務局の沢井さんは「県内の人にとっては、このフェスに来ることで、路面電車にフリーで乗れるという魅力、

あとは、県外の人にとっては、富山には路面電車があるというのを意識付けているものとしてやっているということですね」と説明します。

特に若い人に、公共交通が便利なことを意識してもらいたいようです。しかも音楽も同時に楽しめるわけです。

富山市の成功例に続こうという自治体も増えていて、国土交通省は、栃木県の宇都宮市の新しい路面電車の計画を9月に認定したばかり。です。

誰でも交通機関を使って自由に移動する権利は「交通権」、「移動の自由」としてフランスなどでは法に明記もされています。

日本でもそういう方向に向かってやっと動き始めたのかもしれません。「移動できる」ということは生活の基本。公共交通政策に変化が生まれ始めているようです。

「BEATRAM]のトラムステージ