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一つ屋根の下で保育・介護・地域交流

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

一つ屋根の下で保育・介護・地域交流

東京・小金井市のアパートに去年の12月、「保育と介護」を一緒に、
そして同じ場所で「地域交流」も目指す場が生まれました。

運営しているのはNPO法人「地域の寄り合い所 また明日」。
2階建てのアパートの1階に入っていますが、1階の5つの部屋全部の
壁を取り払ってつなげ、一つの大きな部屋のように使えます。
そこに、認知症の高齢者に対応できる「デイホーム」と、
子供の一時預かりなどもできる保育所と、
地域の人だったら誰でも利用できる「寄り合い所」が入っています。

アパートの一階全部が「また明日」

アパートの一階全部が「また明日」


「また明日」代表理事の森田眞希さんは保育士で、
夫の和道さんは介護福祉士。

2人は仲間と共に一軒家を借りて、子供も集まれる
高齢者施設を開いていました。
そして、新たに2人で作ったのが「また明日」です。

森田眞希さんの育った街では、隣近所の人がひっきりなしに
家に遊びに来たり、子供たちも近所の家に上がり込んで
一緒にご飯を食べたりする光景が日常だったそうです。
「そういう場を作りたい」と考えていたところに、
理解ある大家さんのアパートが見つかったそうです。

お年寄りには1人1人にあったやり方で、
好きなように一日を過ごしてもらいます。

保育所との境目はないので、子供に絵本を
読んであげたりする姿もみられます。
そして、一緒に過ごしていると
その方の良いところが引き出されてくるそうです。

例えば、認知症で一日座っているだけにみえる方でも、
子供を前にするとすごく褒め上手だったりするそうです。
また、「寄り合い所」に来た近所の方たちがお年寄りと
楽しくお喋りしたりする姿もみられます。

山崎景子・情報キャスターが取材した日は
「人形作り」の教室が開かれました。
先生は近くに住む山口好子さんと田島尚美さん。

初めて「また明日」に立ち寄った時、
お土産に人形を持ってきたんですが、
それが好評で、「また明日」で
一度教室を開いたら、ということになったんだそうです。

生徒はお年寄りと子供を連れたお母さんたち。
昔の裁縫の思い出話などしながら、
皆さん和気あいあいと人形を作りました。

皆で一緒に人形作り。右が森田眞希さん。

皆で一緒に人形作り。右が森田眞希さん。


また、最初は眺めているだけだったお年寄りの男性も
完成が近づくと輪に入り、人形の絵を描き始めました。
すごく上手な絵でしたが、実はこの男性は、
絵を仕事にしていたそうで、その力を思い出して、
発揮する場になったんですね。

保育士仲間だった山口さんと田島さんは
「こういう場は今の時代には大切だ」
と以前から思っていたそうですが、
「喜んでもらえたので、また来ようかな」と話していました。
(実際6月の初めには2回目が開かれました)

一方、お母さん達に話を聞くと、
「児童館に遊びに行くよりも構えないですむし、
 実家に遊びに行ったという雰囲気で来れるのがすごく気に入っています」
「お年寄りに子供が絵本を読んでもらったんですが、私も楽しくて」
といった声が返ってきました。

最近は「核家族」が多く、お母さん世代もお年寄りと
接する機会はなかなかありません。
お母さんにとっては育児の緊張が緩む楽しい場というだけでなく、
いろんな知恵を子供と一緒に授かる場にもなりそうです。

赤ちゃんからお年寄りまで地域の人が気楽に集まれる場を目指す。

赤ちゃんからお年寄りまで地域の人が気楽に集まれる場を目指す。


「また明日」には特に決まった行事はありません。
今回の「人形作り」のように自然発生的にアイデアが生まれ、
それをみんなで一緒に形にしていきます。
森田眞希さんは

森田眞希さん
『 その人やこの子、そのお年寄りじゃないと
 できない役割って必ずあるんです。
 きちんと忘れずにそのことに気付く、それが私達の仕事です』

と話します。

「また明日」はスタッフだけで作るのではなく、
「また明日」に来る一人一人が一緒に作っていくものなんですね。

「また明日」がこれからどんな場になっていくのか、
また訪れてみたいと思う山崎キャスターでした。

担当:山崎景子