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放送中

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車椅子でも海釣りOK!!

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

車椅子でも海釣りOK!!

車椅子でも乗れる「釣り船」が各地に登場し、
インターネットや口コミで広まっています。
平井麻枝子・情報キャスターが東京湾に面する
横浜市の「金沢漁港」で取材しました。

船の後部で釣りを楽しむ

船の後部で釣りを楽しむ


「金沢漁港」に立ち並ぶ10軒ほどの船宿の中で、車椅子でも乗れる
釣り船があるのは船宿「忠彦丸」。

取材した日は、午前7時半の出港を前に、
車椅子に乗った横浜市在住の54歳の男性とその仲間が
釣り竿の手入れや身支度などの準備をしていました。

この男性は10年以上釣りの経験があるということですが、
交通事故で車椅子生活になってからは初めての「海釣り」です。

船宿のある岸壁から浮き桟橋までは段差がなく、
車椅子で行くことができます。
その後まず、車椅子だけを船に乗せ、それから船宿のスタッフや
仲間たちが男性を支えて、「第39和彦丸」に乗り込みました。

男性が乗り込んだのは比較的波もかぶりにくく、
揺れも少ない船の後ろの方です。
そこで、車椅子に座ったまま、釣り糸をたらします。
誘った仲間の男性は

男性
『 もともと釣り仲間で、こういう状態になってからも、
 行こうねって言っていたんです。この船宿にもよく来てたんだけど、
 インターネットで何が釣れるかな?と見てみたら、
 車いすでも乗れると書いてあったから、誘ったんです』

と話します。

釣れそうになると、平井キャスターも思わず身を乗り出す

釣れそうになると、平井キャスターも思わず身を乗り出す


車椅子の男性は、釣りは2年ぐらい休んでいたということで、
最初はちょっと不安そうな様子でしたが、徐々に調子が出てきました。
横浜八景島シーパラダイスが一望できる海で、
ちょっと雨交じりのお天気で波も少し高かったんですが、
およそ4時間、おしゃべりをしながらも、真剣モードで釣りを楽しみました。

「釣果」はかさご1にあじ4。
「疲れました。帰ってお昼寝したい」と話しますが、とても楽しそうでした。
また一人、「忠彦丸」に車椅子の常連さんが増えそうです。

「忠彦丸」の黒川和彦さんは代々金沢漁港の漁師ですが、
漁業の衰退への危機感から漁港をなんとか活気付けたいと思い、
数年前にクルーザー船を購入しました。
クルーザー船は普通の釣り船より後ろのほうが広いので、
そこにちょっとした工夫をしたんです。

一番後ろの座席を取り払うと、広くフラットなスペースになり、
車椅子を最大3台並べることができます。
また、普通の船宿の「桟橋」はたいてい階段になっています。
そこで、魚を台車で陸揚げするためにスロープになっている漁港の
広い浮き桟橋を利用して、車いすで船のそばまで行けるようにしたんです。

車いすを乗せられるように改造されたクルーザー船

車いすを乗せられるように改造されたクルーザー船


黒川さんは

黒川さん
『 交通事故とかで、急に足が駄目になっちゃったりすると、
 自分でどうしたらいいか、夢がなくなると思うんだよね。
 夢をそういう人たちに与えるのも自分たちの商売でしょ?
 仕事のうちに入るんだから、アシストしてあげようかな?
 というのが一番のきっかけでした』

と話します。

改造して、すぐにやってきたのは「ネットで見た」という10代の若者2人。
その2人から、口コミで広まっていき、
今では、車椅子のお得意さまは40人近いそうです。

口コミでそこまで広がるということは、
それだけ車椅子になっても釣りをしたい、
という人がたくさんいるということ。

「他のお客さんの迷惑にならないか、
 とか遠慮せずに気軽に参加してほしい」と黒川さんは話します。

黒川さんは横浜市漁業協同組合の副組合長(金沢支所長)も
つとめています。
漁港全体の取組みにもしたいし、行政にも協力してもらいたい
と話していました。

また、認知症のお年寄りにも、船に乗って海の空気をいっぱい味わい、
元気になってほしいと、現在参加者を募っているそうです。

形にしたいアイディアはどんどん膨らんでいるようです。
こうやって、「海のバリアフリー」が進んでいけば、
黒川さんの希望どおり、金沢漁港もきっと賑やかになってゆくでしょう。

同じような試みは、まだ少ないとはいえ、各地の漁港や海釣り公園などで
着実に広がってきているようです。

「さらにたくさんの人が海を身近に感じ、
 海を楽しめるようになればいいな」と思った平井キャスターでした。

問い合わせは金沢漁港の「忠彦丸」
045-701-3086

担当:平井麻枝子