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放送中

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東京・池袋に誕生したHIV/エイズ情報ラウンジ「ふぉー・てぃー」

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

東京・池袋に誕生したHIV/エイズ情報ラウンジ「ふぉー・てぃー」

東京都が2007年の6月、エイズについて広く知ってもらうための
「啓発の拠点」を池袋の街にオープンしました。

先進国の多くでは、HIVへの感染者やエイズ患者は減りつつあります。
しかし、日本では増え続けています。

東京都でも去年、HIV感染者やエイズ患者の数が合わせて
「453」人報告され、過去最多となりました。
20代から30代が多いんですが、10代も「10人」と
初めて2ケタになっています。
そういう状況をうけ、オープンしたのが
HIV/エイズ情報ラウンジ「ふぉー・てぃー」です。

「ふぉー・てぃー」の入り口に立つ中村キャスター

「ふぉー・てぃー」の入り口に立つ中村キャスター


「ふぉー・てぃー」の「ふぉー」は英語の「FOR」で、
何々のために、という意味。
「てぃー」は、10代の「ティーン」。
つまり『10代からの若者のために』という意味が込められています。

「ふぉー・てぃー」は池袋駅東口、池袋保健所の建物の1階にあります。
中村愛美・情報キャスターが建物に入ると、右側にガラス張りの
スペースが見えてきました。
壁際に並ぶのはエイズに関する本や資料、様々なパンフレットなど。
椅子やテーブルはスタッフ自身が選んだもので、
モダンなカフェのような作りでした。
取材した日は、「ハロウィン」が近いということで、
入り口に大きなかぼちゃの看板もありました。

入り口から中を見る

入り口から中を見る


「ふぉー・てぃー」のスタッフ、中内真紀さんは
「必ず資料を読んで、勉強してもらわなくてもいいんです。
 お茶飲んでボーッとして帰ってもらっても構わないんです」
と話します。

いきなり、HIVやエイズのことを「お勉強」、という感じではなく
まずは気軽に立ち寄って、意識の片隅に残してもらうことが
大事なようです。

そうやって「自分に関係あることかもしれない」と思ってもらい、
そこから、「HIV/エイズについて知ろう」ということにつなげていくんです。

また、「ふぉーてぃー」の存在を知ってもらうために、
9月から、週に1回金曜日、目の前にある「中池袋公園」で、
スタッフが若者に声をかけています。

立ち止まってくれたらまずは、「飴」と名刺代わりのカードを渡します。
興味を見せたらアンケート。
といっても、難しい内容ではなく、「池袋のどの辺で遊んでるの?」とか
「恋人はいるの?」といった質問です。

中村キャスターが同行した時は、スタッフも同じ年代ということもあるのか、
けっこう答えてくれたそうです。

そして話が乗ってきたところで、HIVやエイズについての話もしてみます。
それもクイズ形式で、楽しく答えてもらうんです。
それが関心を持つための一歩というわけです。

なかには「ふぉーてぃー」まで来て、活動を手伝う人もいます。
「最初は飴につられて来た」という20代の女性、「まりあ」さんは
「入りやすくはなかったです。でも、声をかけてくれた方たちが
 すごく親切だったし、自分達の考えをきちんと持って
 やっていることが伝わってきたんで」
と話します。

HIV/AIDSのことから、同性愛者のこと、
さらには性的マイノリティーの抱える問題まで、
色々と教えてもらっているようです。

実際、同性愛者への啓発も重要です。
「ふぉー・てぃー」のスタッフは、8月に行われた
性的マイノリティーのイベント「東京プライドパレード」で、
うちわを配って「エイズの検査に行こう!!」と呼びかけました。

「まりあ」さんの友達の「ゆうこ」さんは、大好きなGLAYの
メンバーが啓発のポスターに登場していたのもあって、
一緒に活動を手伝っています。

公園で声をかけた若者がかなり興味を持ってくれれば、
詳しいパンフレットやコンドームを渡すこともあるんですが、
ゆうこさんは
「コンドームをあげるとすごい照れたりします。
 使ってるのだろうかと心配になります。
 性に興味を持っていない、性感染症とかを知らない高校生や
 若い子たちが多すぎるなと思いました」
と話します。

「公園」に陣取るときも「かぼちゃ」が一緒

「公園」に陣取るときも「かぼちゃ」が一緒


ゆうこさん自身は高校の時の授業がきっかけで、色々知ったそうですが
「最初のきっかけがないと、興味を持たないものなんだな」
とあらためて感じたそうです。

エイズは特別な人の病気ではなく、皆に関係がある病気です。
しかも、私たちがかかる病気には原因不明のものもまだ多い中、
エイズは原因も予防法もはっきりしています。

「ふぉーてぃー」の中内さんは
「予防はこうしたらできますと、こんなにわかっているのに、
 防ぎきれなくて増えているすごいやっかいな病気です。
 1人1人の意識が変わるかどうかが大事です」と話します。

一人一人の意識が変わることがエイズの特効薬。
HIVやエイズの問題をみんなに「意識してもらう」ための拠点が
「ふぉーてぃー」です。

「ふぉー・てぃー」では性感染症に関する講演会など
様々なイベントや勉強会を開いています。

例えば、12月にはHIVに感染した人やその家族を描いた
タイのドキュメンタリー映画の上映会を開くそうです。

様々な活動を続けながら、「ふぉーてぃー」を拠点に
若者のつながりを作って、いずれは東京の他の街にも
活動の輪を広げてゆきたいということでした。

担当:中村愛美