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外国籍の児童を地域の大学の学生がサポート

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

外国籍の児童を地域の大学の学生がサポート

小中学校に通う外国籍の児童・生徒は年々増えていますが、
日本語や日本の習慣・文化がわからず、授業についていけなかったり、
学校生活になじめないこともあります。

東京・豊島区にはおよそ200人の外国籍の児童・生徒がいますが、
2007年6月、区と区内にある学習院大学が連携して
「日本語教育指導サポート」事業を始めました。

学習院のすぐ近くには区立高南小学校があります。
この小学校に通う外国籍の児童の「日本語の勉強」を、
大学で日本語教育を学んでいる学生達がサポートするんです。

様子を見ていて、先生の説明がわからない時は横から教えてあげたり、
休み時間や給食の時には他の子とコミュニケーションが取れるようにします。
参加した学生は留学生も含め9人。皆4年生です。
1人10日間行くことになっていて、単位にもなります。

山崎景子・情報キャスターが取材した日は中国からの留学生、
王偉偉さんが3年生のクラスにつきました。
体育や国語の授業のほか、 別の教室で韓国籍の男の子2人に
日本語を教える授業も担当しました。

韓国籍の子供たちに日本語を教える、留学生の王偉偉さん。

韓国籍の子供たちに日本語を教える、留学生の王偉偉さん。


「ひらがな」を組み合わせて、色々な日本語の言葉を作ったり、
世界地図を見て、国の名前を覚えたり。

王さんの話では、国の名前は自分もよく知っている
アジアの国だけ教えようと考えていたそうですが、
1人の子が突然「エジプト」を指したので世界中に広がり、
ちょっと焦ってしまったそうです。

でも、「すごく盛り上がって、活気がある授業で楽しかった」
と話していました。

「子供がすごく好きなので、この実習を選んだ」という王さんは、
言葉だけでなく気持ちもわかってあげるようにしているそうです。

自分も留学で苦労してきたから、手助けをしたい、
という気持ちがあるようです。
サポートが始まったばかりの頃、中国籍の一年生の子の勉強を
中国語で通訳して助けたこともあるそうで、
その時はとても嬉しかったそうです。

ただ、その子は日本語があっという間に上達して、
今はサポートの必要がありません。
嬉しいことだけど、ちょっとさみしそうでした。

王さんたち9人は大学で「模擬授業」をやって、
色々と日本語を教える工夫を学んできました。

山崎キャスターのインタビューに答える王さん。

山崎キャスターのインタビューに答える王さん。


この日来ていた大越多恵さんと松本由衣さんの話では、
数字を教える時に喫茶店のメニューを使って実践的に
楽しんでやれるようにしたり、子供自身の名前を使って
他の日本語の言葉を組み立ててみたりしたそうです。

大越さんは

大越さん
『 集中力がとぎれている時はゲームを持ち出してみたり、
 会話を多めにしてやる気を起こさせたりと、
 大変だったけど、面白かったです』

と話します。
また松本さんは

松本さん
『 子供たちがすごく素直なので、目を見ているだけで
 こちらも素直な気持ちになれました。
 また、いい意味でも悪い意味でも自由なので、
 教えるだけでなく子供からも学ぶことがあって、良い実習でした』

と話します。

インタビューに答える松本由衣さんと大越多恵さん。

インタビューに答える松本由衣さんと大越多恵さん。


日本語の授業の場合、ほぼ1対1なので、自分が緊張しているのが
子供にも伝わり、雰囲気が堅くなったこともあるそうで、
その辺は「反省でした」ということです。

学生達を指導している学習院大学文学部日本語日本文学科の
村野良子教授は今回の試みについて、

村野良子教授
『 決められた日以上に彼らは小学校に行ってくれました。
 また、実際に外国籍の子供がクラスで発言できないでいる状況を見て、
 どうしたらいいだろうと、学校に帰ってきてからも
 真剣に議論していました。
 失敗したこともあるし、非常に上手くいったこともあるので、
 様々な学びがあったようですね』

と話します。

また、外国籍の児童の変化について、
豊島区教育委員会教育指導課の浅岡寿郎統括指導主事は

浅岡寿郎さん
『 最初はあまり言葉の出なかったお子さんも、
 日本語を積極的に使うようになったり、
 友達とコミュニケーションをとるようになったと
 副校長から話を聞いています。
 以前のような緊張したような表情から、
 笑顔とかコミュニケーションへの変化があるのは、
 実感として、成果だと捉えています』

と話していました。

子供も伸びて学生も一緒に伸びる。
まさに大学と地域の「連携」です。
これから効果を検証して、2008年度以降につなげたいということでした。

担当:山崎景子