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障害者のスポーツレクリエーションを支える「障害者スポーツ指導員」

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で08:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・「障害者のスポーツレクリエーションを支える『障害者スポーツ指導員』」

障害者が、趣味や体力向上のために通うスポーツ教室

日本時間の9/19(月)にリオデジャネイロ・パラリンピックが閉幕しましたが、今回は、パラリンピックに出ていたようなトップアスリートではなく、日常的にスポーツを楽しんでいる障害者にスポットを当てたいと思います。西東京市を拠点に、知的障害などのある子供達が通う水泳教室「あくあ・じょい」を取材してきました。

水泳教室「あくあ・じょい」に通う子供たち
「あくあじょいに通い始めて1年くらいです。クロール、平泳ぎ、バタフライ、背泳ぎ、全部泳げます」

「もう6年も通ってます。平泳ぎは結構難しい時は500mぐらい泳ぎます」

「昨日大会が行われて、あくあじょいのメダルもらいました。飛び込みをジャンプして泳ぎましたです」

「あくあ・じょい」では、障害者が参加できる都内の水泳大会に年5回は出場していて、ちょうど記録会形式の大会も行われたばかり。自分のタイムを伸ばすことを目標に、それぞれ100mを泳ぎ切ったそうです。他には、泳げない子も介助者に付き添われながら参加できる大会があり、そういう子たちは徐々に水に慣れながらゆくゆくは泳げるようになることを目指しています。

障害者対象の水泳大会に定期的に参加しています。

障害者対象の水泳大会に定期的に参加しています。

この「あくあ・じょい」を立ち上げた尾崎圭子さんに、なぜ、障害のある子どもを対象とした水泳教室を始めようと思ったのか、聞きました。

ボランティアで行った水泳指導に手ごたえ

「あくあ・じょい」代表、尾崎圭子さん
「プールの付き添いボランティアを募集してたのを見て軽く行っちゃったのが始まりです。その時に担当した子供が喋ってくれないし何言っても笑ってくれないし無表情ですごく困ってどうなんだろうと思ってたんですけど、水の中潜った時にすっごい笑顔を作ってくれてばっちり目が合って、その手ごたえがすっごい楽しくって。資格取って、最終的に自分でグループを作らないとこの子たちの水泳はできないと思って、何人かの仲間とお母さん達と作ったんです」

障害があっても通える教室が地域に無かったので、だったら自分で作ってしまおうということで始めたそうです。最初は指導のノウハウも無かったので、日本水泳連盟の指導員資格を取った上で、「障害者スポーツ指導員」の資格を取りました。、障害者スポーツ指導員とは、各都道府県の障害者スポーツ協会が年1~2回行う、障害に関する知識や補助の仕方を教える講習会を受講すると取れる資格です。
尾崎さん達「あくあ・じょい」のスタッフは、本業の傍ら、ほぼボランティアのような形で教えているということですが、今回リオ・パラリンピックで選手を支えたコーチやスタッフも大半がこの指導員の資格を持っているということです。
あくあ・じょいの尾崎さんは、障害者スポーツ指導員の資格を取ったことが今、このような形で役立っているといいます。

個々の障害に合わせ、柔軟に対応できるように

「あくあ・じょい」代表、尾崎圭子さん
「柔軟が考え方が持てるようになって、こっちが変わって対応しなきゃいけない、ということが分かりやすくなりましたね、資格取った勉強の中で。一人の子は糖尿を持っているので疲れやすい。そういう子はみんなと一緒にガンガン行くわけにはいかないし、自閉の子は逆にハメてしまえばどんどん一人で行くので泳がすことができるし、大きくなった男の子は沈みやすいし、小さいダウンちゃんは浮きやすいし、ダウンの特性、自閉の特性というのは一般論として習ってたのはちょっと応用が効きますね。」

例えば、体に触れられるのを敏感に嫌う子であれば、教える時も極力触らないように配慮して、ゆっくりとスキンシップができる関係を作っていったり、喋るのが苦手な子も、言葉に頼らず手取り足取り教えていくことで、7年間、プールサイドにつかまって怖がってた子が今年は海にも潜れるほどになったなど、教え方の工夫次第で、成長していく様子を見られるのが嬉しいと尾崎さんは言っていました。

今年はみんなで海へ潜りに行きました

今年はみんなで海へ潜りに行きました

一方で、この障害者スポーツ指導員の制度を作った日本障がい者スポーツ協会の水原由明(みずはら・よしあき)さんによると、まだまだ課題も多いということです。

「障害者スポーツ指導員」は100人に1人しかいない・・・

日本障がい者スポーツ協会 水原由明さん
「障がいのある方々のスポーツ活動の場が非常に少ない。一般の方だと約4割の方が年間何らかの形でスポーツ活動してると考えた時に、障害者の方300万人が対象になるとするならば、100人に1人しか指導員がいないという世界は実際これが普及できるかというと、まだまだ人数的には少ないだろうと。より多くの人達を輩出する努力は継続的にやらなきゃいけないだろういう風に思います。」

障害者スポーツ指導員の数は今、全国で2万2000人ほどいますが、この数は10年以上ほとんど変わっていません。というのも、毎年新たに5000人程度が指導員の資格を取っているにも関わらず、活動の場が少ないために1年ごとの更新を行わない人が多く、人数は横ばいになっているということです。なので自治体などと協力して、障害者がスポーツを楽しめる機会と、それを支える指導員の両方を増やしていくことが今後の課題だということです。

(担当:中村友美)