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様々な言語で読める防災行動マニュアル

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

様々な言語で読める防災行動マニュアル

地震などの災害が起きた時に「どう行動したらいいのか」、
自治体が様々な「防災行動マニュアル」を出しています。
東京・目黒区では、区役所などで日本語と英語の
「防災行動マニュアル」を配布していますが、
このほど、中国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、
そしてハングルで書かれた「防災行動マニュアル」が作成されました。

それぞれの言語への翻訳を担当したのは、
目黒区にある「東京工業大学」の留学生です。

翻訳したマニュアルを手にするアズヴィルマン(Azwirman Gusrialdi)さん(左)とマッカポン(Markpong Jongtaveesataporn)さん(右)。真ん中は東京工業大学留学生センターの武井直紀教授

翻訳したマニュアルを手にするアズヴィルマン(Azwirman Gusrialdi)さん(左)とマッカポン(Markpong Jongtaveesataporn)さん(右)。真ん中は東京工業大学留学生センターの武井直紀教授


タイから日本に来て3年という大学院生のマッカポンさんは

マッカポンさん
『 タイには地震がないので、日本に来て初めて
 地震の揺れを感じた時はびっくりしました。
 このマニュアルが役に立てば嬉しいです』

と話します。
また、インドネシアから日本に来て7年、大学院生のアズヴィルマンさんは

アズヴィルマンさん
『 インドネシアには地震もけっこう多いんですが、
 インドネシア人は地震に対する知識はあまりないと思います。
 みんなに役に立つんじゃないかなと思います』

とインタビューした崎山敏也記者に嬉しそうに話していました。

二人とも日本に来たばかりの頃は、街に流れる防災放送や
アパートの壁に貼ってあるお知らせなどの意味がわからず、
困った経験があるそうです。

東京工業大学にはおよそ1000人の留学生がいます。
留学生センターの武井直紀教授の話では、2004年の中越地震の後、
留学生に地震への心構えを説明しようと日本語と英語の
マニュアルを目黒区から提供してもらって、 配ったそうです。

その時、「留学生には家族を連れてきている人もけっこういるが、
家族は英語や日本語では読めない可能性がある。
また、目黒区からマニュアルを提供してもらったので、
大学としても何か地元への貢献が必要だろう」と考え、
英語以外の言語への翻訳を思いついたそうです。

翻訳したのは地震についてが中心で、
どの言葉の人にも共通の箇所に絞っています。

日本語版は70ページですが、こちらは翻訳版は18ページ。
薄いですが、「地震への備え」「地震が起きたときの安全確保の方法」
「避難の仕方」「非常時に役立つ行政の窓口の連絡先」など、
最低限必要な内容は充分に盛り込んであります。

武井教授がそれぞれの国の「留学生会」に頼んで
分担を決めてもらい、英語版から翻訳しました。
留学生およそ20人が勉強や研究に使う時間を割いて、
ボランティアで取り組んだんです。

タイ語版担当のマッカポンさんは

マッカポンさん
『 5人ぐらいで分担しました。
 日本語がわからないタイ人に役に立つと思ったので、
 頑張って翻訳しました』

と話します。
また、インドネシア語版担当のアズヴィルマンさんは

アズヴィルマンさん
『 自分のためだけでなくて、日本にいるインドネシア人のためですし、
 一回作るといつまでも使えるものなので今頑張ってやれば、
 みんなの役に立つと思ったんです』

と話します。
実際、各国版のマニュアルは留学生だけでなく
区内に住む外国人にとっても役立つものになりました。

完成したマニュアルは目黒区が印刷を引き受け、
区役所の外国人相談窓口や国際交流協会などを通じて
配っています。また、武井教授は

武井教授
『 英語、中国語、それにハングル以外の翻訳は珍しいので、
 普段から留学生のことで連携している他の大学にも紹介したい』

と話していました。

さらに、それぞれの「留学生会」でも広める方法を考えています。
目黒区からの承諾を得て、PDFファイルにしたものを
ホームページからダウンロードできるようになる見通しです。

日本に住む外国人は増え続けています。
必要な情報を様々な言語で伝えることが
これからますます大事になるとみられます。
そんな中、今回の東京工業大学の試みは注目されます。

担当:崎山敏也