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放送中

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駄菓子屋で地域の交流を

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

駄菓子屋で地域の交流を

東京・立川市の「南富士商店街」に2年ほど前、駄菓子屋が開店しました。
「空き店舗対策に」ということで、地元富士見町の自治会「東親和会」や
商店会が協力して生まれたものです。
店主の木村保さんは同じ場所でおよそ50年、八百屋などのお店を
やっていましたが、数年前にやめていました。
しかし「地域の交流の拠点に」と請われ、ボランティアで始めたんです。

「語り茶屋」は立川市の「南富士商店会」にある

「語り茶屋」は立川市の「南富士商店会」にある


駄菓子屋の名前は「語り茶屋」。なぜ、「語り茶屋」なのか、木村さんは

木村さん
『 今の子供たちは一家団欒の場で昔話を聞く機会がないと思うんです。
 語り茶屋というのは昔の寺子屋。勉強まではしないけど、
 いろんな話を打ち明けて話そう、語る小屋ということなんです』

と説明します。

「語り茶屋」のある通りは、昔は商店が何十軒もあったそうですが、
今は数軒が残るだけ。
人通りも減って、ご近所づきあいも少なくなっています。

「語り茶屋」では、70代の木村さんを始め、地元のシニア世代の住民たちが
交代で店番をつとめています。
建物は看板を書き換えただけで、あとは八百屋の時と同じ。
入り口の引き戸など懐かしい雰囲気が漂っています。
そして中には10円20円、高くても50円ぐらいの駄菓子がいっぱい並んでいます。

店主の木村さんにインタビュー

店主の木村さんにインタビュー


山口智子リポーターが訪ねた日はお昼過ぎから、
低学年の子がお店に集まり始めました。
店内には大きなテーブルといすがあって、10人ぐらい座れるほか、
スクリーンがあって、電気を消すと映画鑑賞もできます。

この日は、自治会長の榎本信雄さんが映写機のテストをしていたんですが、
小さな子たちが集まってきたのでテストも兼ねて、「はなさかじいさん」の
紙芝居の臨時上映会が始まっていました。

そうしている間に、高学年の子供たちもやってきて、気づくと店内は
たくさんの子供達であふれていました。
「いろんな子が集まります」「いろんなの買って、ここで食べて、話し合って。
遊び場みたいなもんです」と子供たちは話してくれました。

木村さんと子供たち

木村さんと子供たち


駄菓子を買った後、すぐ帰る子はほとんどいません。
買った物を食べたり、おしゃべりをしたり。
テーブルにノートを広げて、宿題をやる子もいるそうです。

木村さんは、子供と話をしたり、少し遠くから様子を眺めながらにこにこしていました。
もちろん、いたずらが過ぎると、ちょっと厳しくしつけをすることもあるそうです。

店内はいつもこんな感じ

店内はいつもこんな感じ


富士見町を含む立川市には以前飛行場があって、関連の産業で栄えました。
店内には当時の街の写真や、ロケットのポスターが貼られ、
飛行機の模型もぶら下がっています。
関連のメーカーにつとめていた榎本さんは木村さんと同世代ですが、
「子供たちに夢をもってほしい」という思いで自分で持ってきたんだそうです。
街の歴史から将来のことまで、色々と話がはずむきっかけになっています。

そして、「語り茶屋」は子供だけでなく、地域の高齢者の「居場所」も目指しています。
木村さんや榎本さんが自治会の活動をやってきて気づいたのが、
「地域の大人の顔が全然わからない」ということでした。

特に男性は、働いている時は家と会社の行き帰りだけですし、
定年後は、知り合いがいないとつい家に引きこもりがちになります。
木村さんは

木村さん
『 高齢者も子供とふれあうことで若返えります。
 だから、そういう人達が気楽に街をぶらぶら歩けるようにさせてあげたい、
 というのが私たちの念願なんです』

と話します。

「語り茶屋」で子供たちに昔話や体験談をすることで、高齢者は元気になるし、
子供にとっては、一つでもその中から思い出が残れば将来プラスになりそうです。

子供がいない午前中や夜の「語り茶屋」は、大人の「井戸端会議」の場所。
紙芝居で使った映写機は、山口リポーターが訪れた日の夜、
住民向けの「地域の防災」に関する上映会のために用意されたものだったんです。

「語り茶屋」ができてまだ2年。
来る大人はまだ決まった顔ぶれが多いんですが、自治会長の榎本さんは

榎本さん
『 街のあちこちにこういう場所が必要なことをあらためて感じました。
 今後も続けて行くことが大切です』

と話していました。

地域の人同士のコミュニケーションが普段からあれば
安全で住みやすい街作りにもつながります。

駄菓子屋「語り茶屋」が今後さらにどうなっていくか、楽しみです。

山口リポーターと一緒に

山口リポーターと一緒に


担当:山口智子