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放送中

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聴導犬の育成を通じて若者の自立を支援する

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

聴導犬の育成を通じて若者の自立を支援する

新崎真倫・情報キャスターが取材に訪れたのは
横浜市旭区の「あすなろ学校」。

東京・世田谷区のNPO法人「日本補助犬協会」が電機メーカーの
「日本サムスン」の支援の下、今年の5月に設立しました。
耳の不自由な人を助ける「聴導犬」の訓練を通じて、若者の自立を支援する施設です。

横浜市旭区にある「あすなろ学校」

横浜市旭区にある「あすなろ学校」


様々な事情から自立を求めている若者達が専門の
訓練士の指導を受けながら犬の訓練に携わっています。
犬は、飼えなくなったなどの理由で捨てられ、保護された犬から選ばれています。

取材した日は2人の若者がパピヨンの「響」と
シーズー犬の「ハーモニー」を訓練していました。

台所でキッチンタイマーが鳴っているのを知らせたり、
目覚ましがなったら、飼い主の元へ行き、
羽織っているタオルケットをはがしたり。

「ハーモニー」担当の白石智文さんは犬が大好きですが、
飼った経験はなかったそうです。
訓練を初めて3ヶ月、だいぶ犬を褒めるのが上手くなってきていました。
犬との信頼関係が生まれてきたようです。
白石さんは

白石さん
『 自分は割とネガティブに考えるタイプだったので、
 犬とうまく接することができないのは自分のせいだと思い、
 やる気をなくすことも多かったんです。
 (しかし、ハーモニーの頑張りが感じられるようになってくると…)
 頑張っているこの子に対して自分は何ができるんだろうと考え、
 ちょっとうまくいかなくてもすぐに投げ出さずに
 ねばり強くやるとか、その辺の心持ちをがらっと変えた時期がありました』

と話していました。
今はすごく訓練していても楽しいし、「若干親の心境になりつつある」そうです。

ハーモニーと新崎キャスター

ハーモニーと新崎キャスター


白石さん達は訓練の時だけでなく、食事やトイレの世話まで全て責任を持ちます。
半年間、学校に住み込みますが、寝る時ももちろん一緒です。

犬の訓練は1日およそ2時間。
それ以外の時間は犬の世話をしながら、福祉関係の勉強をしたり、手話を学んだり、
時には社会経験として、ビジネスマナーを学んだりしています。
学校には、犬もたくさんいますし、色んな人が出入りしていていつもにぎやかです。

「あすなろ学校」校長の朴善子さんは
「ここで犬を介在していろんな人と出会うのが大切だと思う」と話します。

例えばお客さんが来たら、挨拶をしたりお茶を出したり、
お見送りをしたり、いろんな話をしたり。そういう経験をたくさん積んで、
精神的に少し体力をつけてもらう半年間と考えているそうです。
社会に出ようという自信もつきそうです。

白石さんは28歳。
大学を出た後、やることを見つけられず何もしていない時期もありました。
あすなろ学校に入った時点でも「この後どうしようか、しっかりは
考えていない状態だった」という白石さんですが、学校での半年間を終えた後は
福祉施設で働くことが決まっているそうです。

白石さん
『 世話や訓練を通して、責任を持って何かをすることを学びましたし、
 共同生活の中で色々感じることもあって、しっかり働いて
 一人前の人間になるんだという意識が強くなりました』

と話します。
周りの人、そして子犬とのふれあいの中でいろいろと考えていったようです。

卒業生の中には犬と関わる仕事に就く人もいます。
白石さん自身は犬と関係はない仕事ですが

白石さん
『 職場が学校から近いので、ちょくちょく遊びに来ます。
 ここで出会った人たちとのつながりを大切にしたいし、
 ハーモニーが更に訓練を続けて立派な聴導犬になる姿も見届けたい』

と話していました。

聴導犬は全国にまだ20頭前後しかおらず、全く足りない状況です。
若者も犬も一緒に成長し、より多くの聴導犬を育てたいとあすなろ学校は
1期半年間で5人の若者を募集しています。
(取材当時、2008年10月からの2期生を募集中)

担当:新崎真倫