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【作品紹介】 春琴抄/谷崎潤一郎(10月16日、23日放送)

ラジオシアター~文学の扉

谷崎潤一郎は、1886年東京の日本橋に生まれました。
明治末期から戦争をはさみ、昭和中期まで生き抜きました。
谷崎というと、耽美派、スキャンダラスな題材など、
艶やかな印象が先行しますが、生涯にわたり、さまざまな文体を試し、
通俗なものから高尚なものまで、描く世界でも挑戦し続けた、日本を代表する小説家です。
情愛や時代風俗の描き方、漢語やみやび言葉まで使いこなす流麗な文体は、
のちの文化人に多大な影響を与えました。

谷崎潤一郎は、1960年にノーベル文学賞候補の最後の五人に残っていたと言われています。
推薦者は、パール・バック、ドナルド・キーン、そして三島由紀夫。
残念ながら受賞には至りませんでしたが、海外で多大な評価を得た先駆者です。

『春琴抄』は、文豪、谷崎潤一郎の最高傑作と言われています。
その文体には、改行、句読点、かぎカッコなどが、ほとんどなく、
まるで源氏物語のような古文に近いものです。
どこまでが話し言葉でどこまでが地の文か、わからずに読み進めると
いつしか、春琴と佐助の不思議な愛の世界に巻き込まれていく、そんな文章です。

 

「春琴抄」
大阪、道修町の薬問屋の次女、春琴は、9歳のときに目の病にかかり、失明。
しかし、天才的な琴の腕を持っていた。
その春琴に弟子入りしたのが、丁稚の佐助。
彼は献身的にわがままな春琴に仕える。

やがて春琴の妊娠が発覚。二人は関係を否定するが・・・。