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知的障害者が「自分で」行った実態調査

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

知的障害者が「自分で」行った実態調査

永井洋満ディレクターが取材したのは、知的障害者の「本人の会」の取り組みです。
「本人の会」とは知的な障害のある人たちが、親や支援者の考えでなく、
自分で考えて、活動している会で、各地に広がっています。

今回取材したのは、「本人の会」の草分けの一つ、
17年ほど前に結成された「さくら会」。

「さくら会」のメンバーは、東京、千葉、埼玉などで、
働きながら、親から自立した生活を送っています。
活動としては「さくら会」は、月1回程度集まって、日々感じること、
腹が立つこと、思うことを話しあったり。
また、「気晴らし」に一緒に旅行に行くこともあります。

その「さくら会」が2007年、全国のおよそ400人の知的障害者に
「仕事や暮らしに関するアンケート」を自分たちで行い、
結果を分析して報告書にまとめました。

2008年の12月には、東京・豊島区内で行われた報告会で
メンバーが内容を「自分の言葉」で説明しました。

2008年の12月、「障害者週間」に行われた報告と発表の会

2008年の12月、「障害者週間」に行われた報告と発表の会


アンケートの他、山口県に直接話を聞きに行ったという副会長の阿部八重さんは

阿部八重さん
『 障害者の年金のことなどが、正しく伝わっていない現状に気付き、
 親や支援者だけでなく、本人も自立するには勉強が必要だ』

と話しました。
また、島田猛さんは

島田猛さん
『 仕事と家の往復で、自分の世界がちょっと狭いなと思いました。
 自分が生活相談に困った時にどうしたらいいか、
 そういう情報も知らないようでした』

と新潟に話を聞きに行った時のことについて話しました。

発表した「さくら会」のメンバー 左から阿部さん、島田さん、秋山さん

発表した「さくら会」のメンバー
左から阿部さん、島田さん、秋山さん


そして、調査でわかったことの中で、一番大事なことは、
「悩みや心配事は、親や支援者、職場の人間関係の中だけでは解決しない」
ということです。
本当に自立するためには何が必要なのか、秋山邦子さんは

秋山邦子さん
『 友達と出会って、仲間を感じて悩みを分かち合えば、
 自立の一歩が始まります。だから友達は生命線です』

と話します。

障害のある人同士だからこそ、話せる悩みもあるし、気晴らしや楽しみもある。
友達と出会うことが自立の一歩だということです。

発表の後、質疑応答の時間に永井ディレクターが、
「本人の会に参加して一番良かったなと思う事は何ですか?」と聞きますと、
島田さんも

島田さん
『 同じ仲間と会って、生活の事とか仕事のこととか、悩みを共有できた点です。
 自分ひとりだけじゃないという事が、すごく実感できた点が、一番いい点です』

と答えていました。

「さくら会」のメンバーが今回、自分たちで調査をしてみようと思ったのは、
仕事中に不慮の事故で亡くなったメンバーに捧げるためです。
その方は生前から、仲間の暮らしや仕事のことを
いつも気にかけていたということです。

調査の報告書の表紙には「私たちの声で暮らしを変えよう」とあります。
障害のある「本人の声」を「本人が届ける」。
こういう試みが広がるといいなと思った永井ディレクターでした。

今回紹介した報告書は、1冊1500円で頒布しています。
お問合せは「さくら会」sakurakai@live.jpまで

担当:永井洋満