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放送中

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酸素ボンベを忘れて熱気球アルプス越え! 「世界のフジタ」を知っているか?!

久米宏 ラジオなんですけど

TBSラジオで毎週土曜日、午後1時から放送している「久米宏 ラジオなんですけど」。
9月10日(土)放送のゲストコーナー「今週のスポットライト」では、熱気球パイロットの藤田昌彦さんをお迎えしました。

藤田昌彦さん

藤田さんは1956年、東京都生まれ。熱気球に夢中になるきっかけは高校時代。遅刻魔でその日も学校に遅れてしまった藤田さんは、1時間目の授業をサボって図書館に行き、たまたま手に取ったのが『熱気球イカロス5号』という本だったのです。著者は、1969年に日本人初の熱気球有人飛行に成功した梅棹エリオさん(民族学者・梅棹忠夫さんの長男)。当時高校生だった梅棹さんが仲間たちと熱気球を自作し、空を飛ぶまでの体験記。日本人が国内で熱気球に乗って飛んだのはそんなに昔のことではないんです。

熱気球イカロス5号

自分たちで作った気球で、自分たちが空を飛ぶ――。そこにロマンを感じ、夢中になった藤田さんは、大学生になって仲間を集め、梅棹さんたちと同じように自分たちの手で熱気球を作り、1年後、ついに空を飛んだのでした。今ならインターネットで調べて立派な製品が簡単に手に入りますが、当時はとにかく自分たちで手作りするという発想だったそうです。

ちなみに世界で初めて熱気球の有人飛行に成功したのはフランスのモンゴルフィエ兄弟で1783年のこと。その後、飛行機や飛行船が発明されて熱気球は使われなくなりましたが、第2次世界大戦後、化学繊維の発達とプロパンガスを使ったバーナーの開発によって、スカイスポーツとして熱気球は発展したのです。

熱気球柄のシャツ

熱気球の競技は、決められたターゲットにどれだけ近づけるかを競います。ところが熱気球は進む方向は風まかせ、自分ではコントロールできません。コントロールできるのは上昇と下降だけ。ではどうやって目的地点に近づくのでしょう? 実は空にはいくつもの風の層があって、高度によって吹いている風の方向や速さが違います。パイロットは熱気球の高度を上げ下げしながら、自分が進みたい方向に吹いている風を探し当て、その風の層に乗り続けられるよう熱気球の高度をぴたりと合わせて、一定に保つ。そこに高度なテクニックが要求されるのです。

藤田さんは1981年から1年間、熱気球競技の盛んなアメリカで技術を磨き、帰国後は国内の数多くの大会で優勝します。日本選手権で優勝2回。国内5戦の成績で競う熱気球ホンダグランプリで総合優勝8回。さらに海外の大会でも活躍し、2001年には“空のオリンピック”といわれるワールドエアーゲームで、日本人初の金メダルを獲得。「世界のフジタ」と呼ばれています。

スタジオ風景

また、藤田さんは競技のほかにアドベンチャーフライトにも挑戦していて、1992年には熱気球によるベーリング海峡横断に世界で初めて成功。2011年には複数機の熱気球によるキリマンジャロ横断フライトに世界で初めて成功。2013年にはアルプス山脈を約400キロにわたって横断するロングフライトに成功しています。

高い山脈を越えるフライトの時は高度5000mや7000mを流れる風に乗って時速100キロほどで流れていくのだそうです。タテヨコ高さ1.5mほどの小さなバスケット(ゴンドラ)がそんな猛スピードで進んで大丈夫なのかと心配になりますが、実際に風の層の中にいるととても静かなのだそうです。雲の上で直射日光に当たっているので寒くもないのだとか。

スタジオ風景

ただし、そこまで高度を上げてフライトする場合は酸素ボンベを積んでいきます。でも一度、アルプス越えの時にボンベを積み忘れてしまったことがあって、その時は息は苦しい、頭はフラフラ、酸素が足りないせいか体がものすごく寒い、という大変な状態を必死で耐えながら2時間も飛び続けたそうです。ようやく山脈を越えて高度3000mぐらいまで下降した時に「あぁ、空気がうまい!」と実感したそうです。

これまでに世界53ヵ国を訪れ、29ヵ国で熱気球のフライト経験を持つ藤田さん、実は奥様のさと子さんも長男・藤田雄大(ゆうだい)さんもパイロットという熱気球一家。雄大さんは2014年の熱気球世界選手権で日本人初の優勝の快挙を成し遂げました。ちょうど来週から11月にかけてグランプリ戦後半の3戦が行われ、同じ11月に、2年に一度開催される世界選手権が佐賀県で行われます。雄大さんはグランプリ戦の8連覇と、世界選手権2連覇がかかっています。藤田さんは雄大さんに同行し、地上からサポートするのだそうです。今や息子も「世界のフジタ」となって、まさに熱気球界の親子鷹ですね。

藤田昌彦さんのご感想

藤田昌彦さん

いや、楽しかったですね。久米さんは事前の知識もありますし、本もちゃんと読んでましたし、やっぱり熱気球に関してよく理解して、分かっていましたね。

それと語りが堅苦しくなくて話しやすいですし、会話をうまく誘導してくださるというか、そのへんはさすがプロという感じでした。ありがとうございました。