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放送中

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広がる「介護支援ボランティア」

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

広がる「介護支援ボランティア」

ボランティアをした高齢者に対し、お金と引き替え可能なポイントを与える
「介護支援ボランティア」が各地の自治体に広がっています。

限度額はありますが、介護保険料の支払いにあてることで、
「元気な高齢者の保険料の負担を減らす」と共に、
「外に出てボランティアをすることで、元気でいてもらおう」という制度です。

この制度を考案し、全国で初めて、2007年の9月に導入したのは東京・稲城市です。
市の指定した施設でボランティアが話し相手や散歩の補助、
レクリエーションの手伝い、など様々なことに取り組んでいます。

稲城市役所には「介護支援ボランティア」の垂れ幕が

稲城市役所には「介護支援ボランティア」の垂れ幕が


市内の「ハーモニー松葉」という施設で週3回ボランティアをしている
和川光夫さん(73歳)に崎山敏也記者が取材しました。

和川さんは、筋力トレーニングの補助や、デイサービスの利用者に
お茶を出したり、計算や漢字の書き取りといった「頭の体操」の時に
色鉛筆やプリントを配ったりしています。
この日も利用者と会話を交わしながら、「頭の体操」や
身体の体操を手伝っていました。

デイサービス担当のスタッフの女性も
「親切で優しくて、とても頼りにしています」と話します。
名前も覚えているので、利用者も気軽に声をかけて、お願いしたり、お話ししたりと
良いコミュニケーションがとれているそうです。

和川さんは
「暇つぶしというか、健康のため、というか両方を兼ねたような感じです。
あまりお金にはとらわれないで、人のためになればいいかな、と思っています」
と話します。挨拶したり、お茶を入れたりして、
「ありがとう」と言われると、とても嬉しいそうです。

ボランティアが持っている「健康に心配なし手帳」

ボランティアが持っている「健康に心配なし手帳」


和川さんたち「介護支援ボランティア」が持っているのが
「健康に心配なし手帳」です。(「なし(梨)」は稲城の特産。)
表紙には稲城が本拠地の「東京ヴェルディ」が介護予防事業を応援している
と記されています。

手帳を開くと、スタンプを押す欄があって、1時間程度の活動で
施設がスタンプを1つ押します、1日2つが上限です。

1つのスタンプが100ポイントにあたり、増えていくと、1000ポイントが1000円、
最高5000円まで介護保険料にあてることができます。
これは市の平均的な介護保険料の約1割の金額だそうです。

稲城市高齢福祉課の榎本伸也課長の話では、カレンダーに出かける日を
つけていても、月ごとに破かれてしまえばなくなってしまうので、
「手帳という形で、自分の活動が手元に残るということが励みになっています」
という声が多く聞かれるそうです。

稲城市では、2009年5月の時点でおよそ340人が「介護支援ボランティア」に
参加しています。
これは市内の65歳以上の高齢者の2%を超えていて、
予想以上に増えているそうです。

市がまとめた報告書によりますと、ボランティア経験者の半数が
アンケートに「健康面や精神面に張り合いが出てきた」と答え、
78%が、「良い制度である」と答えています。

こうやって元気な高齢者が増えていけば、稲城市全体の介護給付金の総額も
最終的には抑えられれことになるわけです。

榎本課長は、

榎本課長
『 今後は施設だけでなく、在宅の高齢者も
 介護支援ボランティアの対象にしようと考えている』

と話します。

「ゴミ出し」とか「電球の交換」とか、ちょっとしたことですが、
介護の必要な高齢者には難しいことをボランティアが手伝うという形です。
施設から稲城の街全体に広がれば、「地域全体の介護力アップ」にもつながります。

稲城市から始まった「介護支援ボランティア」の取り組みは各地に広がっています。
例えば東京都内では、世田谷区や足立区、八王子市などでも行われています。
(保険料にあてられる限度額などはそれぞれ違います)

色々工夫もされていて、品川区のように、区内共通の商品券にポイントを替えて、
地域振興につなげようというところも出てきています。

担当:崎山敏也