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バリアフリーで楽しめるコンサートの試み

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

バリアフリーで楽しめるコンサートの試み

2009年の11月1日、東京・上野の東京藝術大学奏楽堂で、
コンサート「アジア・躍動する音たち09 神秘の国に誘われ
 ~ミャンマーの伝統と現代の音楽~」が開かれました。
このコンサートは「バリアフリーで楽しめる」ということで
中村愛美・情報キャスターが取材してきました。

ミャンマーの伝統と現代の音楽のコンサート

ミャンマーの伝統と現代の音楽のコンサート


バリアフリーの工夫にもいろいろありますが、今回のコンサートは
「視覚に障害がある人へのバリアをなくして、誰でも楽しめるように」
工夫されたものです。

コンサートを企画した東京藝術大学演奏藝術センターの松下功教授は

松下功教授
『 奏楽堂で障害者の方が自由に音楽会を楽しめるようにしたいと
 思っていたんですが、我々自身がもうちょっと勉強しなくてはいけないので、
 とりあえず実験のために開いてみたんです』

と説明します。

この企画に協力したのは、東京・葛飾区などでバリアフリーのコンサートを開いてきた
田村啓子さんたちのグループ「座・スーパーマーケット」です。
田村さんは

田村さん
『 私は中途で失明したんですが、目が見えている頃と同じように
 コンサートの楽しみを味わいたいと思っています。
 だから、どんな衣装で、どんな楽器を、どんな風に演奏しているか
 想像したいので、それを言葉などで伝える工夫をしてほしいんです』

と話します。

コンサートには視覚に障害のある人と介助者が招待されました。
奏楽堂のロビーにはミャンマーの竪琴「サウンガウク」や太鼓などの民族楽器や
操り人形が展示されていましたが、招待された人は実際に触ってみることができました。

視覚障害者が触って楽しめるようにロビーに展示された楽器。

視覚障害者が触って楽しめるようにロビーに展示された楽器。


竪琴を鳴らしてみたり、その形を確かめていたある女性は
「こうやって触ってみると、本番が楽しみです」と話していました。

またある男性は
「竪琴を触らせてもらうと、どうやって持って、どんな風に弾いているのか、
いろいろ想像したり、説明を受けた時にわかりやすくなりますよね」と話していました。

会場の中では、コンサートの始まる前に、松下教授が杖をついて、
コツコツと音をさせながら舞台を上手から下手へ移動して舞台の広さを紹介したり、
芸大の学生がホールの隅々に立ち、順番に弦楽器を弾いて、その響く音で
ホール全体の大きさを感じてもらいました。

コンサート前に説明に立つ松下功教授(右)と田村啓子さん(左)

コンサート前に説明に立つ松下功教授(右)と田村啓子さん(左)


「パンフレットを読むのもコンサートの楽しみだ」という田村さんの考えから、
点字と音声のパンフレットも用意されました。

また、コンサート中には、ポケットラジオを使って
「音声ガイド」を耳から聴くことができます。

ミャンマーの伝統音楽はメロディーのある太鼓と笛が中心で、伝統の衣服を着た
8人の演奏者が金色のついたてや金色の竜で飾られたセットの中に入る
「サインワイン楽団」の形式で演奏されます。

音楽に合わせた操り人形の踊りや、竪琴の演奏、現代音楽との
コラボレーションもありました。
きらびやかな「サインワイン」や楽器の見た目、演奏者の服装、様子などの説明が
ラジオから聴こえてきます。説明は葛飾エフエムの池沢絵さんが担当しました。

コンサートが終わって、中村キャスターが感想を聞くと、
「音楽だけだと舞台の様子がわからないので、楽しめました」
「こういうコンサートがいっぱい開かれるといいですね」
と皆さん話していました。

東京藝術大学の松下教授は

松下功教授
『 今回のコンサートを機に、今後も、障害があるなし関係なく
 楽しめるコンサートを芸大として企画して行きたいし、
 障害がある人にコンサートを知らせる方法も色々考えてゆきたい』

と話していました。

担当:中村愛美