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視覚障がい者がカラオケを楽しむ

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

視覚障がい者がカラオケを楽しむ

視覚障害の方が歌うカラオケについて
TBSラジオの澤田大樹記者が取材しました。

今回取材したのは視覚に障害を持った方がカラオケを楽しめる「点字カラオケ」です。
点字カラオケとは視覚障害を持った方が、点字ディスプレイを使って
カラオケを楽しめるという機械です。

点字ディスプレイとはタテ10センチ横30センチぐらいの大きさの黒い筆箱のような
形をしていて、ピンが出っ張ったり引っ込んだりして点字を表示する機械です。
出っ張ったピンを指先で触りながら読みます。

さらに、点字カラオケは従来のカラオケの機械にパソコンをつなぎ、
パソコンに点字ディスプレイをつなぐという仕組みです。
お店にあるカラオケと一緒で、曲に合わせて、
歌詞が点字で表示されていきます。

点字カラオケは名古屋市の通信カラオケ会社と視覚障害者向けの商品開発を
行う都内の会社が共同で開発しました。
点字カラオケを開発した理由について、開発した日本テレソフトの金子秀明社長は

金子秀明さん
『 私たちは点字のプリンターとか点字ピンディスプレイとか
 視覚障害の方にかかわりの深い機器を作っているんですが、
 真面目なものが多すぎるんですよね。
 ちょっと遊びが少ないといいますか、楽しさが少ないといいますか。
 何か心に訴えるもの、愛されるもの、そうしたもので何か商品化できないかな
 という思いはしてました。
 楽しい製品を作れるとしたらカラオケじゃないかなというふうなことで、
 この装置を思いつきまして、チャレンジしてみよう
 ということでスタートしました』

と話します。

「女」という感じを「ひと」と読ませるような当て字を表現するのが
難しいそうですが、英語などはちゃんと表示されます。
通常のカラオケと同じように実際の曲より少し早めに歌詞の切り替えを
行うことが難しかったそうです。

今回は、日本点字図書館の加藤満裕美さんと河辺豊子さんにご協力いただいて、
実際に点字カラオケを使っていただきました。

加藤さんは左手でマイクを持って、右手でディスプレイを追うのに対して、
河辺さんはスタンドでマイクを固定して、両手でディスプレイを触って
歌詞を読んでいて、歌い方も様々です。

加藤さん
『 やっぱり皆さんが画面を見て読んで歌っているのと、同じ感覚でできる
 というのはとてもうれしいです。やっぱり従来の環境ですと、
 どうしても自分で歌詞を読みたいと思ったら、わざわざ自分でCDなどを
 聴きながら点字に書き写して、それを持ってきてということになるので、
 非常に不便だったのですが、今日はカラオケに来るのにそういった
 紙の準備もなく、好きなのを選んで歌えるというのは最高に良いと思います』

点字カラオケは構えたりしないで、気兼ねなくカラオケができるのが利点です。

点字カラオケができるまでは点字の歌詞カードを持ってくるほかにも、
歌詞を耳元で読んでもらわないと歌えなかったりして、
不便なことも多かったそうですが、
点字からカラオケを使えるようになって、回りにいる人に歌詞を教えることが
できるようになったとうれしそうに話していました。

この点字カラオケは曲を打ち込む際に、カラオケの付属機械だけじゃなくて、
携帯電話を使った選曲も可能です。

実はカラオケについている曲を打ち込む機械は点字に対応しておらず、
曲を打ち込むときには人に頼んで打ち込んでもらわないといけません。
でも、携帯電話に事前に歌いたい曲を登録しておけば、
その場で機械に打ち込まなくてもカラオケが歌えるので、すぐに楽しめます。

河辺さん
『 全国に確か九州地方と3.4軒しかないんですね。
 このピンディスプレイの機械を置いているカラオケのお店が。
 ですから、これもっとこうした機械を備えたお店がね、増えてくれると
 私たちも本当にうれしく思うし、自由に行きたいときに歌いに行ける。
 私たち歌を歌うこと大好きですので、そういうお店が増えると
 いいなといつも思っています』

と取材にご協力いただいた河辺さんは語ります。

歌える場所は限られていることが点字カラオケの課題になっています。

この点字カラオケは点字ディスプレイとパソコンだけで値段が50万円前後、
カラオケの機械も含めると100万円を超えてしまい、
個人で買うには値段が高くなってしまうのがネックになっています。

個人での購入は難しいということで、広島では市が点字カラオケを購入して
市の福祉施設で利用しています。
また、点字カラオケを開発した日本テレソフトでは盲学校の学園祭などに
機械を貸し出しているそうです。
開発した金子社長は、点字カラオケがもっと普及して、
点字カラオケをたくさんつないで「第九」を歌ってもらうのが 夢だと話していました。

担当:澤田大樹