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心も華やぐメイクセラピー

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

心も華やぐメイクセラピー

伺ったのは、高齢者の方をメイクすることで、綺麗になって、
心も元気になってもらおうと、メークセラピー=化粧療法を
続けているNPO、「メンタルケアメーク21」の活動です。

この日は、武蔵野市にある「ぐっどういる境南」という高齢者施設
で、主に女性の方がメイクを受けていました。

この施設では、11年ほど前からこのメークセラピーを採用しています。
メイクのスタッフは、メンタルケアメーク21代表の田島みゆきさんの他にも、
4人いて、翻訳家、主婦、美容師、など、さまざま。
もちろんメークセラピーをしっかり学ばれた方です。
どうしてこの活動を始めたのか、田島さんに聞くと、

田島さん
『 電車で、地味なお年寄りを見たとき、なんで
お年寄りになると化粧しないんだろうというのがきっかけで、
やったほうがいいのではと、通うようになり、
で、やるとすごく喜ばれる。これは続けよう』

と思われたそうです。

メイクは、ひとつひとつ話しかけながら、行います。
この日、施設には30人ほどの高齢者の方がいて、
半分以上の方が、顔のメイク、ハンドマッサージ、マニュキア、
を受けていました。もちろん、中には重い認知症の方もいらっしゃるんです。

メイクはしてもらいたくても、グロスはいらない、とか、
ここまではいいけど、ここからはしなくていい、という方も
いるので、そこは確認をするそうです。
また、認知症の方は、メイクが長いと飽きてしまいやすいので、
変化が 分かりやすいメークで、手早く仕上げるようです。
一人一人にあったメイクをされてるんですね。

最初は、私はいいわ、と遠慮気味だった方も、メイクが出来上がっていくのを
見ると、次は私もやってみたい、とやはり女性ですね。
基礎化粧から、ファンデーション、眉毛、頬紅、アイシャドウ
口紅、グロス、と仕上げていくと、最初は緊張のためか静かだった施設内も、
だんだんと、その色がいい、とか、こういうメイクブラシがあるのね、
とか、華やいできます。

メイクが終わった後感想を聞くと、こんな声が。

・すばらしいですね。こんなに本格的にやっていただいたのは
 初めてなんで、すごく嬉しい。誰かに見せたい。
・かわいくなった?変わったでしょ?
 普段なにもしない人だから、しがいがあるのね。
・(男性)やると綺麗になるね。いつも見てるからね。

男性からの一言は嬉しい者で、施設長の橋本さんから聞いた所、
女性は、メークをしてもらうと、その後の食事のときにいつもより
上品になったり、おちょぼ口になったりする。
また、家に帰ったときにも、ご家族の方との話も弾むのだそうです。

女性だけではなく、男性も、普段は言わないらしいのですが、
綺麗だね、と褒める言葉が自然と口からでるので、みんなこの日を
楽しみに待っているんです、とおっしゃってました。

メークセラピーは、してもらっている人だけでなく、
周りの人も、元気にするようです。

そして、実はこのメイクセラピーは、高齢者に対してだけではないんです。
例えば、DV=ドメスティックバイオレンスを受けた女性も受けているんです。

DVは、「環境の障害だ」という田島さんは、DVシェルターなどにも、
定期的に、メークセラピーに行っているんです。

暴力を受けたことで、心に傷を負っている女性たちに対して、
普段のメイクより、じっくり、ゆっくり、時間をかけながら、
スキンシップをとり、メイクししていきます。
最初は、触られることにも抵抗があった人が、
気持ちがいいと思うようにまでなるそうです。

田島さん
『 人は、本来、綺麗になること、綺麗なものが、好きだから、
メイクを受けると、そういう本来的な気持ちが、戻ってくるんです』

と田島さんは言います。

メークセラピーの環境も、田島さんが始た10年ほど前は、
ほとんど知られていなかったのですが、ここ5,6年で、
効果も認められ、メイクセラピーに取り組むグループも
増えているということです。

田島さんに、今後の目標を伺うと、

田島さん
『 この化粧療法の活動を、いかに若い人たちが繫げていけるようにしたい。
 若い人も、みんながライフワークとしてこの化粧療法を続けて
 もらえたらいいなと思うのと同時に、続けなくても、
 これをきっかけに、高齢者の問題とか、DVシェルターで
 生活をしている女性たちは、大変な思いをしてるんだということを
 考えるきっかけになればいいと思っているんですよ。』

とおっしゃっていました。

普段あまり女性のメイクを気にした事がない男性もいると
思いますが、メイクは、人を元気にする大きな力を秘めているんですね。

担当:波岡陽子