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視覚障害者のフリークライミング

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

視覚障害者のフリークライミング

「フリークライミング」を取材して来ました。
岩とか、室内では「ホールド」というカラフルな岩のような突起物に
「手や足を」引っ掛けて登っていくスポーツです。

で、私が取材したのは「フリークライミング」は「フリークライミング」でも
「視覚障害」の皆さんが楽しんでいるのものなんです。

登るときって、次につかむものを「目」で探すので、
「視覚に頼る」スポーツな気がしますよね?
それが、こんな風にやっているんです。

鈴木裕子さん
『 今までは、先生に言われて何も考えずに過ごしていたのが、
 どうして訓練をしなきゃいけないのか意味がわかったという感想や
 小学校4年生くらいの子には、自分の命を守るためにやってるってこと、
 今まで気がつかなかったけれど初めてわかりましたって。
 とてもやりがいを感じています。』

対象年齢は3歳から小学校まで。
人形劇の他に紙芝居もあって、年齢に合わせてメニューを決めます。
小さい子に対しても、1つ1つの行動にちゃんと理由をつけて説明します。
例えば、ただ「頭に手を乗せて!」じゃなく、
「頭が大事だから・・・」と言ったり。

わかりやすく工夫して作った人形劇は、
子供だけではなく大人にも影響を与えているようです。
一緒に人形劇を観ていた田柄保育園の先生達に話を聞きました。

『 ちょうど顔のまん前くらい、それ右手で持っておくといいかな。
 そしたら今右手から 11時方向50センチくらい、そのすぐ左にもあるよ。
 それ、そしたらその真上にオレンジっぽいのがあるんだけどわかるかな。
 それ、ちょっと持ちにくいね~』

「左にある」とか、指示している声がしましたが、、
これは神奈川県立平塚盲学校で行われている部活動の様子です。
8年も前から続いている活動で、生徒たちは体育館に取り付けられた
フリークライミング用の壁に挑戦しています。
基本は「2人1組」で行い、1人は岩(壁)を登って、そしてもう一人は
地上で「登っている人が腰に付けているロープ」の端を持って安全を確保しながら、
掴むホールドの位置を「声」で教えてあげているんです。

「声」で「視覚」を補ってあげているんですね。
最初は顧問の先生と組んで、先生が下から「声をかけたり」
「安全を確保したり」しているわけですが、
登りなれてくると「視覚障害の生徒同士」でも組むことがあるそうです。

「声かけは」見える度合いにもよるんですが、「安全確保」に関しては全盲の生徒でも、
ロープの張り具合の調整なので慣れれば出来る様になるそうなんです。

このことは、生徒にとって「大きな学びになる」と
顧問の鈴木剛(たけし)先生は話しています。

鈴木剛さん
『 視界に障害を負ってから、やってもらうことの立場が多くて、
 一日中ありがとうございますって言い過ぎて疲れました
 という生徒がいるんですね。これは自分が相手の命を
 守る側に立つという意味では、相手を怪我させずに下ろしたという、
 それをやったときに自分の中の達成感と言うのがすごく大きいと
 思うんですね。するとずいぶんその子は変わって行く、
 しっかりする、簡単に言えばですけど、
 しっかりしていく、実感としてありますね。』

見守る立場を経験して、また一回り成長するそうなんです。
「信頼関係」も学べそうですよね。

でもまだまだ学校の部活動で取り入れている所は少ないそうです。
そこで、学校以外で「フリークライミング」の教室を開いているところがありました。
NPO法人モンキーマジックと言うんですが、ここでは5年ほど前から
関東を中心に、視覚障害者のためのフリークライミング教室を開いています。
ここでも2人1組というスタイルは変わりません。
違う点は上達してくると、どんどん下からの「声かけ」が無くなっていく点なんです。

どうやって登るかというと、、
登る前に、ホールドの位置を暗記するんです。
そして記憶を頼りに、与えられた情報を組み立てて
「自分の力」で、手探りで 登っていくんです。

NPO法人モンキーマジック代表の小林幸一郎さんは自身も視覚障害者なんですが、
この方法は障害者にとって とても意味のある事だと話しています。

小林幸一郎さん
『 視覚障害で社会の中で生きていくためには様々なハードルを
 感じることもあるんですけど、目標に向かってがんばる
 と言うのがこのスポーツであって、自分のゴールに向かって
 自分で登れる、できないと思っていたことができる、
 自信につなげられる。
 それってそのまま実生活に照らすことができると思うんです。』

「自分の力でやり遂げた!」という自信が、 実生活にもつながっていくわけですね。
フリークライミングって学ぶことが多いですね。
体験している人はどうなのか?聴きました。

神奈川県立平塚盲学校、そしてNPO法人モンキーマジックで
フリークライミングを楽しんでいた視覚障害者のお話です。

視覚障害者さん
『 すごい楽しいですね、自分のペースでゆっくり確実にやっていけるのが、
 途中でやめてしまうことが今まで結構あったんですけど、
 勉強のほうにも生かせているのかな。』
『 一番上まで登ったりすると、病み付きになると言うか。
 出来たときの達成感がありますね。』
『 毎回毎回全力が求められるんですよ。
 だから登れたときにすごいうれしい。
 登れなかったときにすごい悔しいんですよ。
 全力で登ったのに登れないって。
 きついとか、痛いとかありますけど、最終的には楽しいですね。』

やっぱりスポーツは楽しくないと!ですよね!

去年の12月に、視覚障害者の世界大会が開かれたんですが、
NPO法人モンキーマジックのメンバー2人が優勝したそうです。
障害者のスポーツと言うと、ハンディをつけたり、全く違うルールで
行ったりしますが、フリークライミングは、ルールは変わりません。

NPO法人の小林さんは
『このスポーツは、最終的には自分との戦いだから
「目が見えるから有利」 「見えないから不利」とは一概に言えない。
それがこのスポーツの「懐の深さ」 です。』と話していました。

担当:楠葉絵美