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障害者が働く安心安全産直のお店

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

障害者が働く安心安全産直のお店

江東区千石に去年の4月にオープンした
「ふれあい工房 ゆめまーる」というお店を取材しました。
店はマンションの一階部分にあって客席は10席ほど。
床や机、椅子、棚などほとんどが木でできています。

このお店では、産直の野菜の販売や、天然酵母のパンを作っているほか、
喫茶スペースでは、お昼の時間帯にカレーライスを出していて、
常連のお客さんも多いようです。

お客さんの話です。

お客さん
『 カレーランチに来てますから、もちろんカレー大好きです。
 とてもおいしいです。
 ここで、カレーももちろんおいしいんですけど、
 カレー以外に、暖かいハートをみなさんに頂いてます。
 全体的に時代の流れよりは、店そのものが
 ゆったり目のスローなテンポで流れていませんか。
 ここでカレーを食べて、体が元気になって、
 スタッフのみなさんの温かいハートで心も元気をもらって、
 また次の仕事に行きます。 』

実はこのお店では障害のある人たちが働いているんです。

このお客さんは、毎週ここにランチを食べにくるそうですが働いている人たちの
一つ一つの動作が丁寧で、温かい気持ちを取り戻せるんですと話していました。

このお店を開いたきっかけについて運営している
『ゆめグループ』理事長の萩田秋雄さんはこう話しています。

萩田秋雄さん
『 こういうお店をやっている意味は、社会と繋がるという意味が
 仲間の中にあって、そういうお店をやりたいという気持ちが
 ある人が多かった。
 ここでお客さんと触れ合うことで、
 社会との接点をもっていけるんです。』

「お店」という場をつくっていろいろな人と接するチャンスを作ろう
ということなんですね。

今までお客と接したことがない人がほとんどだったので、
この一年半はずいぶんと苦労もあったようです。
毎回反省会で気づいた点や工夫したところなどを話し合ってきたようです。

ここで働く、てんかんがある小林さん、脳性麻痺のある加部さん、
視力障害がある橋本さんに仕事について聞きました。

小林さん
『 会計の仕事したり、みんなをまとめて掃除したり、
 6年やってます。みんなをまとめるコツ・・・声かけ。
 一緒にやろうよって。』
加部さん
『 月曜日の日は、朝から仕込みをして、カレー作りしてるんですよ。
 常連さんで、毎週食べに来てくれるから、嬉しいです。
 おいしそうな顔して食べてくれるから。』
橋本さん
『 カレー運んだり、パンの名札を付けたり、袋にいれる仕事をしてます。
 来たばっかりなので、慣れません。
 みんなに助けられています。パンを作ってみたいです。』

「やれる仕事がある」ということ、「お客さんの反応がある」
ということは何よりも支えになります。

お店は、このほかにも野菜の仕入れ先やパン作りの材料など、提携がある施設は
全国に20か所以上あって、仕入れの商談に現地へゆくこともあるそうです。

自分たちで改善点を考えて、自分たちでお店を作っていこうと
動く人が増えたと、施設長の中村幸江さんは話しています。

中村幸江さん
『 今まで身だしなみに気をつけなかった人たちは、
 ヒゲは剃ろうね、とか、爪はきれいにね、とか、
 そういうことにも気を配るようになってきているし、
 みんなも注意したり、あと、言葉使い、毎日挨拶の練習をしたりとか。
 一般のお客さんと直に接しているからこそ気づいた点です。』

やはり、「お客の目に触れる」と変わりますね。

最近では地元とより接点を持とうと、何軒も先までの道を毎朝掃除したり、
自分たちで作った、お店のビラを何百枚も配ったりしています。
その成果もあり、お客さんも、今は一日平均40人ほどきています。

中には「土日もやってほしい」とか「遅くまでやっていたら夜も来られる」とか
「野菜の種類を増やしてほしい」といったリクエストも来るようになりました。

障害の「ある」「なし」に関わらず、地道な努力が、そのお店の繁盛に
大きく影響するのだけれど、この『ゆめまーる』のように、地域との接点を増やす
地道な努力があれば障害のある人自身も変わっていくし、
活動への周囲の理解も広がっていきますね。

担当:波岡陽子