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心の病を取り巻く環境の変化

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

心の病を取り巻く環境の変化

今日はまず、「こころの元気+(プラス)」という
月刊誌をご紹介します。
5年前に創刊されたこの雑誌は、精神疾患の患者さん向けの雑誌なんです。

この月刊誌は、体験記や治療法などが紹介されているんですが、
特徴的なのが、「表紙のグラビア写真」なんです。

モデルを毎回、精神疾患の患者さんご本人が勤めているんです。
顔はもちろん、名前、病名も紹介されています。
そして、モデルの希望者は現在、160人以上もいるそうです。

「こころの元気+(プラス)」の去年11月号のグラビアモデルとして、
ご自分が統合失調症であることを公表した小熊俊男さんに、
モデルに応募した動機を伺いました。

小熊俊男さん
『 僕はこの病気を、障害としてとらえるのではなくて、
 「ちょっと、メンタルの部分で弱い部分がある性格の一種です」
 みたいなとらえ方をしているので、
 「オープンにして」次にどんどん、続いてくれる人がいれば、
 世の中みんな、「統合失調症の人は、薬を飲んでいれば普通に働けるし、
 普通に恋愛も結婚も出来るし、家族を持つことだって出来るし、
 で、それには周りからのサポートも必要なんですけれども、
 「オープンにする」からこそ、周りの支援も得られるというのが、
 僕の考えのひとつです。』

小熊さんは、大学院を卒業した後、
統合失調症の状態がひどくなり、2年ほど寝た切りの状態だったそうです。
お父さんの急病をきっかけに「これではいけない!」と一年発起し、
統合失調症であることを公表した上で、就職活動に臨みました。
現在は、臨床検査会社の管理部門で、社員研修を任されているそうです。
また、インターネット放送によるラジオ番組「こころらじお」で
情報発信もしていらっしゃいます。

こうした人たちが活躍できるためには、その環境が大切です。
月刊誌「こころの元気+」の発行元で
NPO法人・地域精神保健福祉機構・コンボの丹羽大輔さんはこう話しています。

丹羽大輔さん
『 うつ病にしても統合失調症という病気にしても、ある程度、
 知識が少しずつ広がってきている印象を、私たちは受けております。
 地域社会で普通に暮らしている人たちも増えてきている。
 そういう人たちの姿を見ている人たちは、「あ、普通の人と
 変わらないな。病気の時は、色々と苦労もあるみたいだけど、
 なにか危険な人だとかそういうことではないんだな」
 ということを分かっている人たちというのは徐々に増えている。
 そんな気がします。そうですね。10年とか前に比べると随分、
 風向きは変わってきたなと。』

とはいえ、精神疾患に悩む人たちにとって、
ご自分が統合失調症やうつ病であることを「公表するかどうか?」
というのは大変大きな問題です。

これまでは、隠す人が多かったんですが、その場合、
例えば、職場で辛くなっても、それを隠し通さなくてはいけなくなりますし、
会社を休んでも、「病気で」休んだことは誰にも話せなくなってしまいます。
つまり、「病気の辛さ」に加えて「病気を隠す辛さ」まで加わってしまいます。

心の病は、常に、「周囲の偏見をどう取り除くか?」との闘いでもあります。
そして、「病気のことを良く知らない」ことが原因の偏見は、
逆に、病気のことを理解すれば、解きほぐれて行く種類の偏見ともいえます。

しかし、心の病にまつわる偏見には、
もっと難しいものがあるといいます。

再び、「心の元気+(プラス)」の丹羽大輔さんです。

丹羽大輔さん
『 例えば、働くことが出来ないとか、結婚もしてはいけないとか、
 出産もしてはいけないという風に思い込んでいる専門職の人たち
 というのは、実は、非常に沢山いまして、で、一方で、
 ご本人の可能性を伸ばすような関わり方をしている病院とか施設も、
 最近は増えてきているんですけれども、
 そういう関わり方の中にいるご本人たちは、どんどん、
 具合が良くなって行くわけなんですよ。
 回復力が高まって行くんですね。
 実は、科学的な実証がなされているんですよ。
 時代は、そういう時代に変わりつつあるわけですね。
 ただ、そういったことをまだまだ知らなくて、
 旧態依然とした関わり方をしている人たちの方が
 多いのは事実ですよね。』

「風向きは10年前とは随分変わった」ということですが、
それでも、丹羽さんたちは、精神疾患に対する理解を
少しでも広げようと活動を続けていらしゃいます。

なお、今日、ご紹介した月刊誌「こころの元気+(プラス)」は
年間購読という形式を取っているそうです。

担当:長田新