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「障害者雇用の新しいカタチ 企業内授産」

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

「障害者雇用の新しいカタチ 企業内授産」

今日は「障害者の雇用」に関する、ある試みを紹介します。
企業はある程度の規模になると、障害者を一定の割合で雇用するように
義務付けられています。
「障害者の雇用の促進等に関する法律」という 法律で定められているんですが
その「法定雇用率」を満たしている企業は、どのくらいだと思いますか?
厚生労働省の去年のまとめでは、およそ45%と半分以下なんです。

そんな中、企業と障害者の間に入って、
雇用の支援を行う 「企業内授産」という試みが行われています。

企業の仕事の一部をNPOが請け負って、
そこで、就職を目指す障害者が訓練を行うんです。

普通「職業訓練」というと、福祉作業所で行われますが、
今回取材した訓練は、産業廃棄物の収集や再生処理を行う
「大谷清運(株)」という会社の敷地の中で、
仕事の一部請け負うもので 2年前から行われているんです。

訓練の場は場所の名前をとって「あだちファクトリ-」と呼ばれ
「ビンや缶、ペットボトル」の選別作業をしています。
「企業の中で」の職業訓練をすることの「効果」について
この試みを続けているNPO法人「ウエルズ新木場」の橋本一豊さんは
このように話しています。

橋本一豊さん
『 福祉の作業所ですと、あまり会社の人と話す機会がなかったりだとか、
 仕事そのものもそれほど慌ただしくしなくて良かったりとか、
 という環境なので、リアルな職業訓練としては機能していかない
 というのを感じていたので。
 緊張感が全然違うと思います。明らかに違うのは緊張感。
 会社だったら当然守らないといけないことがあると思うんですけど、
 そういうのを会社の人が教えてくれるんですね。
 あの人ウロウロしてましたよとか、福祉では笑って済まされることも
 多いと思うんですけど、会社で通用しないことを
 リアルに知ることができるのは大きいですね 』

緊張感を持って、より実践的に訓練しようという訳なんですね。
どんなことから訓練をするかというと、、
例えば工場内はヘルメット着用というルールが決まっているんですが、
訓練の場である「あだちファクトリー」も当然ヘルメットが必要です。
ですから「どうしてヘルメットが必要なのか」を
ゆっくり時間をかけて教えるんです。

この「あだちファクトリー」では今、知的障害者など15人が
訓練をして、2年以内の就職を目指しています。
その中の2人に話を聞きました。

男性
『 仲間がいるので楽しいです。秋口には就職を目指しています。
 事務補助系、労務系がやりたいです。』
『 ちゃんと自分を磨いてからじゃないとダメかなって自分でも
 思っています。約二年かかかりますけど、自分で頑張って
 いろいろなことを 学びたいと思います。』

実は「あだちファクトリー」からすでに2人の就職が決まったそうで、
そのうちの一人白石のりひささんは、あだちファクトリーがある
「大谷清運」で今年の5月から働いています。
白石さんは今「あだちファクトリー」の隣のセクションで
プラスチックの選別作業をしているそうです。

白石 のりひささん
『 やっぱり嬉しかったですね、まさか採用してもらえるなんて
 本当思わなかったんで。2年やってきて、ここの会社の人とも
 仲良くやって ますしやりやすいですね、安心できますね。
 最初の頃は大変でしたけど、慣れて、自分では足立ファクトリーで
 やって良かったと思います。、私、ご飯、食べたかしら?」って。
 全然分からないのね。自分でしたことが』

一方、雇う側、採用した会社側にもこんなメリットがあったそうです。
大谷清運の代表取締役社長二木玲子(ふたぎ れいこ)さんのお話です

二木玲子さん
『 うちが一人一人とあって適性を見てというよりも、
 ウエルズ新木場さんがまとめて面倒を見てくださるので、
 指導しながら、適性のある人まで見極めてもらえるので、
 うちとしてメリットだと思うんですね。
 障害を持った人を働いてもらうだけでも、多分企業の方はどんなことが
 あるかわからないという怖さがあると思う。
 それがうちも最初はそう。でも、企業内授産という形をとることで
 非常に採用しやすくなった。うちの雰囲気にあう人が来てくれる。』

会社はこうした訓練の場が会社の中にあるから
一から育てなくて済むし、仕事に慣れる時間もあるので即戦力になるわけなんですね。

大谷清運は今度はあだちファクトリーから、
事務系で誰か雇えないかなと考えているそうです。
ですが、課題もあるそうで NPO法人ウエルズ新木場の橋本さんは  

橋本さん
『 企業は、より多くの仕事をこなして欲しい。
 でも働く側としては あくまでも職業訓練の場なので
 オーバーワークになってしまってはいけない。
 仕事量のバランスを理解してもらうことが大切なんです』

と話していました。

『企業内授産』というのは、まだまだ少ないんでしょうが
障がい者の「働く側」の気持ちと、会社の「雇う側」の考えの
ミスマッチを解消しようという点では効果が期待できそうですね。

担当:山崎景子

<関連情報・お問い合わせ先>
NPO法人WEL’S新木場 【TEL】03-5281-2345