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地域で支える「市民後見人」

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

地域で支える「市民後見人」

今日は「市民後見人」を取り上げました。

「市民後見人」について『NPO法人・市民後見人の会』事務局長の古賀忠壱さんは

古賀忠壱さん
『地域で仮に認知症で成年後見制度が必要となった人を支えてあげる人達。
 ですからそれを職業としないで、支えてあげる人たちを市民後見人と言って、
 またそれが親族がやるものとまったく違うというね。
 第三者がやるというスタイルだと思います。』

と説明してくださいました。

家族ではなく、専門的な職業としてでもなく、必要とされている人を
第三者が支えようということなんですね。

古賀さんの話にあった「成年後見制度」というのは
認知症や知的障害、精神障害などで判断能力が不十分な人の生活を支援する制度で
その担い手が「後見人」なんです。

具体的には、預貯金などの財産の管理や、介護保険や医療の契約手続きといった
生活をする上での様々な用事を本人に寄り添って代行をします。
そして、今日取り上げた「市民後見人」の活動はボランティアなんです。

このNPO法人の「市民後見人の会」の活動の一つには
「市民後見人」を育てることがあります。

先日行われた「市民後見人養成講座」には男女合わせて25人が参加していました。
こうした講座は「市民後見人の会」と品川区社会福祉協議会が
7年前から年に1回開いています。
そして、こうした講座を経て「会」には現在20人以上が
市民後見人の活動をしていて、認知症の人たちを支えています。
市民後見人の訪問は基本的に月に1回ですが、
他にも銀行や区役所に手続きに行くことが多いそうです。

他人のプライベートに踏み込むことを地域の人が担うには
責任が大きいですし、守秘義務も当然あります。
このため「市民後見人の会」ではお互いがチェックできるように
2人1組で活動を行っています。
そして、月に一回の勉強会で、互いの活動や抱えている問題についても
話し合って情報を共有しているそうです。

そこまでしてもボランティアの市民後見人が必要な理由について
品川成年後見センター所長 斎藤修一さんはこう話しています。

斎藤修一さん
『 非常に地域の中で判断能力が低下して困ってらっしゃる方が多い。
 そこに市民がまさに同じ地域で住んで市民感覚をいかして、
 見守りを含めながら、お世話をしていく。そういった人たちが、
 本当は多く求められるのであって、際立ったものについては
 一部の職業的な方が担えばいいという風に思っているんですね。』

専門的なことは専門の人に任せて、同じ地域に住む人が
見守るようにするということが大切なんだということですね。

後見人というのは「専門職」のような印象がありますが、考えてみれば
判断力が十分ではない人にとって、日常生活でちょっとお願いしたいこと、
例えば、お金の管理や、介護保険や医療の契約手続きを代わりにすることが
とても助かるんですよね。そうした手助けをするのが「市民後見人」なんですね。

厚生労働省の調べでは、認知症の人は全国で305万人。
障害者も含めますと「後見人」の手助けが必要な人は、
合わせて700万人に達すると言われています。

しかし実際に利用している人はおよそ26万人でその4%にも満たないほど
利用率は低いんです。

まして「市民後見人」の知名度は低くて、「市民後見人の会」古賀さんが

古賀さん
『 介護ではなくて、この人がどういう生活を送ったらいいか、
 この人たちの悩みを聞いたりして、一番適切な方法をとる。
 介護人とはまた違うわけです。それを混同されちゃうと困るんですよ。
 結局浸透していないわけですから。
 どういうことをやるべきなのかというのは、あいまいな部分がある。』

と話すように、「介護する人」と「後見人」の違いが
理解されていないなど、「誤解」もあるようなんです。

「市民後見人」については、今年4月に老人福祉法が改正されて、
自治体が市民後見人の育成や活動を支援するシステムの構築に
努めなければならないと定められました。
こうしたことから今後はこの「市民後見人」の活動を耳にする機会が増えそうです。

例えば、定年退職をした元気な団塊の世代が担い手になるのもいいと思います。
とはいえ、まずは必要とされる人に手をさしのべる、
こうした「市民後見人」の活動を「理解する」ことが大切だと感じます。

担当:岡本祥子