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精神疾患の体験を生かした活動

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

精神疾患の体験を生かした活動

今日は、「精神疾患の体験を生かした活動」をしている団体を取材しました。
その名も『リカバリーキャラバン隊』です。

「リカバリーキャラバン隊」について事務局長 中原さとみさんは、

中原さとみさん
『 リカバリーの道、精神疾患がありながらも充実した道を
 歩んでらっしゃる方の声ですとか、経験を社会資源として生かして
 リカバリーの力を配達することをしております。
 リカバリーの定義は一人一人違ったりしているんですけれども、
 働くことを目指している方もいらっしゃいますし、
 勉強したりとか、ボランティアという形でも
 社会参加されている方もいらっしゃります。』

「リカバリー」とは、単純に精神疾患を治して「回復する」ことではなく、
病気とうまく付き合いながら、充実した人生を取り戻すという考え方なんです。

中原さんは精神保健福祉士として都内の精神科の病院に勤めています。
精神障害者、一人一人にあった就労支援をする仕事に就いたことがきっかけで
その考え方を広めようと4年前にボランティアで
「リカバリーキャラバン隊」を結成しました。
メンバーは、就労支援サービスの利用者やその家族、
そして支援者の合わせて10人です。

具体的な活動として
「キャラバン隊」の名の通り、リカバリーを経験したメンバーが講師となって、
全国各地で講演会や就労支援の研修会を行なったり、
大学や専門学校の授業で体験談を話したり、
リカバリーに関する冊子を作ったりしています。

さらに去年の12月からは、同じ悩みを抱えた方が
もっと気軽に参加できるようにとお茶やお菓子をつまみながら、
当事者の話を聞ける交流会 「リカバリーカフェ」を始めました。

この会は月に1,2回、東京都調布市にあるコミュニティセンターの会議室で
1回、2時間の内容で開かれています。
前半はオリエンテーションと当事者メンバーによる体験談の発表。
15分の休憩をはさんで、後半は自己紹介を含めた交流タイムです。

毎回交流タイムはテーマを決めていて、今回のテーマは「働くこと」でした。
取材した日は、精神疾患を持つ方・家族・支援者合わせて16人が参加していました。

交流会は「人間関係でつまづいたときどうしますか?」という質問に
キャラバン隊のメンバーが「ギャグをする」など気さくに答えて、
笑いが出るなどリラックスした雰囲気でした。

キャラバン隊のメンバーで統合失調症を抱えながら老人ホームで
清掃の仕事をしている中村(なかむら)孝(たかし)さんは、
リカバリーキャラバン隊に参加したきっかけについて

中村孝さん
『 病気のことを理解してね。精神障害者も立派にね、働けることを、
 ちょっと言いたいとそういう思いがあったので。
 そういう気持ちで喋っています。
 ただ働くだけでなく、キャラバン隊の活動で人と交流することで、
 ハリのある人生につながっています。』

と話していました。

キャラバン隊の話をきっかけに働き始めたという「リカバリーカフェ」に
参加していた女性に働き始めて変わった事について話を聞きました。

女性
『 周りから働き始めてすごく元気になったとか変わったとかと
 言われるようになりました。自分自身に戻ったという感じがしますね。
 お話があったら、ステップアップというか、今は臨時職員なんですけど、
 嘱託職員になれたらいいなと思っています。』

この女性は、統合失調感情障害という、
統合失調症と躁鬱病が両方ある病気を抱えていますが
働き始めて「自分自身」に戻って、目標もでき、
「リカバリー」の一歩を踏み始めたようです。

もちろん「リカバリー」は働くことだけを意味しませんから、
中村さんのように働いている方だけでなく、
キャラバン隊のメンバーは活動を続けながら、
作家を目指したり、資格試験に挑戦したり、就職を目標にリハビリ中など、
それぞれの能力にあった目標に向かってチャレンジしています。

精神疾患を持った方の今後について、再び中原さんは

中原さん
『 本当にまだまだ精神科の病院に入院されている方とか
 ちょっと家に引きこもりがちの方とか、うまく発揮できて
 らっしゃらない方がまだまだたくさんいらっしゃると思うんですよ。
 なので、こういう活動を地道に続けていく中で、
 精神疾患を持ってらっしゃる方の活躍の場が
 広がればいいなと思っています。』

と話していました。

こころの病は外見では判断しにくく、理解されにくい病気ですよね。
だからこそ、理解してくれる当事者が相談に乗ってくれる場所が
必要だということなんです。

精神疾患者は年々増えていると聞きますから、
病気を治すのではなく、うまく付き合いながら充実した人生を取り戻す
「リカバリー」という考え方は今後、重要になってくるかもしれません。

担当:岡本祥子

<関連情報・お問い合わせ先>
「リカバリーキャラバン隊」
http://recoverycaravan.blogspot.jp/