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性別の悩みを解決出来る図書館

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

性別の悩みを解決出来る図書館

今回は『女装図書館』という場所についてご紹介しました。

何それ?と思う方が多いと思いますが、
名前の通り『男性が女装をして集まることの出来る図書館』なんです。

女装をしている人のことを
「女装子(じょそこ)」とか「男の娘(おとこのこ)」とも言います。

どうしてこういった場所が必要なのか
『女装図書館』代表で自身も女装をしている図書館司書の
辰木ひかるさんに聞きました。

辰木ひかるさん
『 ただ女装をしていられる、普通にいられる場所、
 集まっていつもの日常のように話せる場所、
 居られる場所っていうのが無かったので、
 そういう場所を作りたいなというところから
 始めてみようと思い立ちました。
 やっぱり大多数の人にとって女装という行為自体が
 受け入れがたいものであるというのがあると思うんですね。
 そういうようなところから、気にせず出来る場所、
 同好の士が集まるような場所というのが
 必要なんだなって実感しているところです。』

女装をしていると、やっぱり常に周りの視線がささるので
それを感じないでリラックス出来る居場所が欲しかったという事なんです。

『女装図書館』は2010年8月に始めて、今年で3年目です。
東京・台東区のマンションの一室を利用していて、蔵書は1000冊以上あります。
置いてある本の種類は、主に【女装しているキャラクターが出ている漫画】や、
【女装の研究本】【女装の仕方のHow To本】【女性のファッション雑誌】です。

土日祝日のみ開館しているんですが、利用者の数は500人を越えました。

ただ、利用するには条件があります。
15歳以上の女装をしている人か、女性限定。
女装していない男性は立ち入り禁止です。

私が取材に行った日は10人ほど集まっていました。
そのうち1人は女性で、お話を聞いてみると
「男性が苦手で、その第一歩として来た」ということでした。
女装している男性は、皆さん話し方、仕草、全てが柔らかく優しく、
自然とすぐに馴染めたそうです。
その女性は今では常連になっていました。

『女装図書館』では、本を読んだり、パソコンを持ってきてメールしたり、
お菓子を食べて皆でしゃべったり、過ごし方は様々です。

来ていた人に話を聞いてみました。

利用者
『 なんか友達がいっぱい出来てちょっと明るくなったななんて。
 やっぱりこういう趣味ってなかなか大っぴらに出来ないですから、
 そういうのを共有出来る仲間がいるっていうのは
 すごく良い事だなって思います。』
『 家から女の子の格好で出ると近所の目とかあって抵抗あったんで、
 こういうところを利用して着替えて、今は家からこの格好で出られます。』
『 性別の悩みというのが大きくて、普通に生活している中では
 そういった悩みを打ち明けられる人もいないし、
 もちろん親にも友達にも言いにくいということで、
 そういった悩みを打ち明けられる場所が欲しかった。
 自分と全く同じ悩みっていうのはあんまり多くは無いんですけど、
 心に抱えていたものを吐き出してスッキリしたっていうのと、
 スッキリしたことによってハッピーになりましたよね。』

「女装をしている人」というと、性同一性障害で、
女性になりたくてしているんだと思ってしまいがちですが、
女装をしている理由は本当に1人1人違いました。

性転換手術をして女性になるための行動を起こしている人もいれば、
ストレス解消にしている人、休日だけしている人、
誰1人として同じ人はいないんです。

最近は、女性になりたいわけではないけど、自分の中の男らしさ、
ひげが濃いとか筋肉質とか、男の部分を消したいから
女装をするという人が多いそうです。

再び辰木さんの話です。

辰木さん
『 「場所」ですので、分け隔てなく広い意味で女装という人たちが、
 ああでもないこうでもないってくだらない話から、
 シリアスなところを含めてお話出来たりする場所であれば
 良いなと思っております。
 最終的には、こういうところが無くても良いくらいに
 偏見とかそういうものが無くなれば良いなというのが
 先に見えているものというところですかね。』

法律が定められたり、「性同一性障害」という言葉も
だいぶ浸透してきたと思っていましたが、
心と体の「性のバランス」が取れないことに対する
世間の風当たりはまだ厳しいようです。

『女装図書館』では、性同一性障害の相談にものっていますし、
初めて女装をする人に向けたガイダンスも行っています。

ガイダンスでは、
ひげを隠すにはどこのファンデーションが良いとか、
洋服選びのコツなどを教えてくれます。

また、定期的に女装をして買い物に行くツアーを開いたり、
とにかく外出することで少しずつ地域にも馴染んでいけたらと
辰木さんは話していました。

まるっきり同じ悩みじゃなくても分かり合える、
理解してくれる仲間がいる。
それだけで抱えていたものが軽くなるのかもしれません。
まだ女装を始めていないけど、悩んでいるという人は
是非『女装図書館』で皆さんに会って話をしてみてはいかがでしょうか。

担当:楠葉絵美

<関連情報・お問い合わせ先>
【女装図書館ホームページ】
http://t2library.com/