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新しい学び直しの場「キズキ共育塾」

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

新しい学び直しの場「キズキ共育塾」

今回は、不登校や中退により学校で学べなくなった人が通う『塾』の話です。
NPO法人キズキが運営する「キズキ共育塾」と言います。

学校を中退した人が通う塾は他にもありますが、
他の塾と大きく違って、
こちらの塾では指導している先生たちも
不登校や中退を経験している人が多いんです。

現在30人の先生がいて、
そのおよそ7割が不登校や中退などの挫折や困難を経験しています。

授業は1対1で行われ、
生徒が学びたい教科を選んで、自由に時間割を組む事が出来ます。
月曜日から土曜日の朝10時から夜9時まで開いているということもあって、
小学生から30代前半まで幅広い世代が学んでいます。
今の生徒数は50人です。

「キズキ共育塾」の安田祐輔理事長に、塾を開いたきっかけを伺いました。

安田祐輔理事長
「 もともと自分自身があまり学校に行っていなくて、
 やり直せるのかなと思って不安だった経験があって、
 同じ経験を持ってる人が結構いるんじゃないかなと思い、
 始めてみたっていうのが一番のきっかけですね。
 やっぱり普通の塾だと、気持ちが落ち込んでどうしようもなくて
 今家から出る気がおきないとか、なかなか理解出来なかったり、
 我々だったらその気持ちも理解出来るので、
 気持ちが落ち込んだ時にもちゃんと寄り添えるような
 塾でありたいなと思ってやってます。」

同じ不登校の経験を持つ人たちが、今度は他の人を支えるわけです。

英語を教えている中央大学4年の杉本愛先生に話を伺いましたが、
杉本さん自身も中学校3年間、不登校だったと言います。

杉本愛さん
「 私が初めて持った子は、最初は髪の毛を前に垂らしていて、
 本当に無口な子で心をなかなか開かないでどうしようかな
 って感じだったんですけど、私の不登校の経験を話していく中で、
 同じ共感出来る部分とか、なかなか普通の人だと
 わかってもらえないような所を話すことで、心がだんだん開いていって、
 徐々に顔をあげて目を合わせて話してくれるっていうような
 変化がありました。経験が本当にあったからこそ
 生徒にもサポートが出来ているなって感じます。」

先生にとっても、自分の経験が役立っているなと感じられるようです。

不登校になった理由は人によって違いますが、
先生が不登校だったことから、
共感してくれる、自分のことをわかってくれるんだと
生徒が先生を信頼しやすい環境が生まれています。

高校2年生の時に中退し、
20歳で大学受験のためキズキ共育塾に入ったという生徒に話を聞きました。

生徒
「 普通の今まで大学進学だけの指導をしていた人に、
 自分の高校時代に感じた息苦しさとか、そこから中退っていう
 高校生にとっては重い決断をした環境が理解してもらえるのかな
 っていうのがすごいあって、キズキに初めて来た日も
 どこまで自分をさらけだそうかっていうのは半信半疑だったんですね、
 この人たちを信用して良いのかっていうのがあって、
 ですけど、最初に話した時に『わかるよ、その気持ち』って言われて、
 自分が特別じゃないんだ、自分はそんなに異質なものじゃないんだって思えて、
 そういうことを思えたのがすごい大きかったですね。
 今年の4月から生活が一気に変わって勉強が出来る喜びをすごい感じてます。」

目の前で話している表情が、とても輝いていたのが印象的でした。
この生徒さんは、今年の4月に希望だった慶応大学に合格しました。
今しか出来ないことを全てやりたいんです!と話していて、
忙しくも充実した毎日を過ごしているそうです。

安田理事長
「 まず塾に通えるだけですごいことだと思う、
 少しずつやっていかないとまた通えなくなって、居場所がなくなってしまう、
 一回通えたからには絶対に目標まで一緒に寄り添いたい。」

と話していました。

文部科学省によると、
今の不登校の生徒は全国でおよそ17万人と言われていて、
その半数はこうした学び直しの支援を受けていないそうです。

キズキ共育塾のような学び直しの支援の場が増えると良いですね。

担当:楠葉絵美

<関連情報・お問い合わせ先>
【キズキ共育塾】
http://kizuki.or.jp/