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国の支援から漏れた病気 筋痛性脳脊髄炎について

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

国の支援から漏れた病気 筋痛性脳脊髄炎について

重い病気であるにも関わらず、国の支援を受けられない病気がありますが、
きょうはそのうちの1つ、筋痛性脳脊髄炎という病気を取り上げます。

筋肉が痛くなる脳と脊髄の病気のことで、慢性疲労症候群とも呼ばれます。
まず、どのような症状があるのか。
関町内科クリニックの申偉秀先生に伺ったところ

申偉秀先生
「 この病気は、いままで全く健康に問題なく生活を送っていた人が、
 突然生活が著しく損なわれるほど激しい疲労感や脱力=通常の疲労
 ではなく、散歩に行ったぐらいで1週間寝込むような通常ではない疲労。
 2つ目は頭痛や筋肉痛など体のどこかの痛みが疲労によって悪くなること。
 3番目は睡眠を十分取っても朝起きた瞬間から疲労が起こる。
 =疲労の回復のない睡眠。
 最後に思考力と集中力の低下。この4つを必ず持っている。
 未だに原因は不明なんですが、脳と脊髄がやられて
 このような病気になったのではないかと多くの科学者は考えています。」

先生が患者さんに聞いた話では
「毎日が、インフルエンザの初日のような状態。」
つまり、ゾクゾクして頭が痛い、やる気が出なくて眠たい
という症状が毎日続くそうなんです。
一番重症の場合は、身の回りのことは出来ず、
常に介助が必要で、寝たきりとなります。

こういった症状があるにも関わらずこの病気は、
難病指定されていないので医療費助成も受けられず
また、今年4月に施行された障害者総合支援法の
福祉サービスの対象疾患にもなっていません。

かなり深刻な症状だと思うんですが、なぜ国の支援が受けられないのでしょうか?

ご自身も重度の筋痛性脳脊髄炎を患っている
NPO法人 筋痛性脳脊髄炎の会の篠原三恵子理事長にお話を伺いました。

篠原三恵子理事長
「 2つの大きなハードルがあって、患者数が30万人で稀少要件を満たさない。
 もう1つ診断基準に客観的な指標がない。
 誤診された方がサービスを受けてはいけない、
 公平性が保てないと言うことが理由。
 これだけの深刻な状況があるので、OKですよということがない訳ではないが、
 他の疾患よりは客観的な指標が整っていないというところがある。」

国の難病に指定されるのは、全国で10万人以下でなければいけないんです。
また、この病気は原因がまだはっきりしないため、
客観的な診断ができないそうです。
また、そもそも一般の人への認知も薄いため、この病気そのものが
間違った認識をされていることも多いようです。

篠原さんのお話によると、

篠原さん
「 ずっと間違った情報が報道されてきたので、今でもこの病気が
 ストレスが原因だとか慢性疲労が悪化するとこの病気になるとか、
 怠けているんじゃないかとか、詐病じゃないかという、家族からも
 理解されていない状態で辛い思いで暮らしている患者さんがたくさんいます。」

はっきりとした原因は分かっていないんですが
ただ、多くの科学者の研究や報告で、脳と脊髄が関わっている
というのは分かってきました。
しかし、それが分かった現在でも、精神的なものだということで
片付けられたりしている現状があるんです。

ですので、篠原さんたちは患者さんのことや制度の実態を知ってもらう
シンポジウムを開くなど活動を行なっています。

篠原さんは、最後に

篠原さん
「 いま出来ることは研究を進めて頂き、客観的な指標を少しでも多く
 出して頂くこと。それからこの現状を分かって頂くこと。
 ただ、体力がないために声を上げる事が出来ない。
 やればいいと分かっていても他の患者さんも具合が悪くて出来ない。
 でも一歩でも前に出るように活動を続けていかなければならない
 と思っています。」

これだけ重症なのにも関わらず国の支援を十分に受けられない、
まさに制度の谷間にある病気です。

こうした病気があることを私たちも知る必要がありますし、
もちろん国の支援がきちんとした形で受けられるように
ならないといけないと思います。

担当:清水栄志

<関連情報・お問い合わせ先>
NPO法人 筋痛性脳脊髄炎の会
NPO法人筋痛性脳脊髄炎の会