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不思議な言い伝えを集めた「遠野物語」

檀れい 今日の1ページ

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女優の檀れいが毎回、その日にまつわる話題や風物詩などを交えてお届けする「檀れい 今日の1ページ」。今朝は、不思議な言い伝えを集めた説話集、「遠野物語」のお話でした。

1910年・明治43年の6月14日、柳田国男の『遠野物語』が発刊されました。これを記念して、6月14日は、「遠野物語の日」とされています。

農商務省の官僚だった柳田国男。
調査のために、農村を訪ね歩くうちに、地方の民俗に関心を持つようになりました。そして、遠野出身の学生、佐々木喜善と出会います。彼が話してくれたのは、おじいさんから聞いたという昔話。それは、実際に起きた出来事だというのですが、なんとも不思議なエピソードばかりでした。佐々木の話に、すっかり魅了された柳田は、それを聞き取って書きとめ、また、現地にも、おもむき、119話の短い説話を一冊の本にまとめます。最初の「遠野物語」は自費出版で、大半は知人に寄贈されたと言われています。

さて、「遠野物語」といえば、河童や天狗、座敷わらしといった、科学では説明のつかない存在たち。しかし、それらの存在は、人々の生活の中で、ごく自然に姿をあらわしています。そして、ときには恐ろしく、ときには愛らしく、ときには、人々を助けるありがたいものたちとして、姿をあらわし、また、ふっと姿を消してしまいます。そんな「遠野物語」の有名な説話のひとつが「迷い家」のお話です。
     

ある貧しい家の妻が、フキをとりに行こうとして、川沿いを歩いているうちに、黒い門がある立派な屋敷を見つけます。紅白の花が一面に咲く広い庭があり、ニワトリや馬も飼われていましたが、まったく人が見当たりません。家にあがってみると、朱色と黒のお椀がたくさんあり、鉄瓶のお湯も沸き立っていましたが、やはり誰もいないのです。急に怖くなった妻は、駆け出して家に帰り、また別の日、川上から流れてきた赤いお椀を拾います。これを、穀物を量る器にしたところ、穀物が減ることがなくなり、家は裕福になりました。遠野では、こうした不思議な家を「迷い家」と言い、迷い込んだ人は、そこにあるものを持ち帰ってよいとされています。しかし、妻が無欲だったため、お椀が自ら、川を流れてきたのだろう…。そんなお話です。

このお話には、続編もあります。
同じように迷い家に迷い込み、逃げ帰った男。しかし男が人々にそれを話すと、「伝説のように裕福になりたい」と思う者たちがたくさん名乗りをあげます。そして、男の案内で山奥に入るのですが、そこには何もありませんでした。迷い家は、欲深い人間のことは歓迎してくれないようです。やはり、日ごろの心がけが大事!迷い家が歓迎してくれるような、キレイな心でありたいものです。


ラジオは、AM954kHz、FM90.5MHz。
パソコンやスマートフォンでは「radiko」でもお聴きいただけます。