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空き家を地域の交流の場に

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

空き家を地域の交流の場に

都内では空き家が増加していますが、文京区本駒込に去年、
空き家を活用した“地域の人々の交流の場”が生まれたというので、
おじゃましてきました。

行ってみると、築年数50年以上という木造二階建て住宅です。
引き戸をがらがらと開けて入っていくと、1階奥の6畳ほどのたたみの部屋に
20人ぐらいの人たちが集まっていました。
中心にいたのは、近所にお住まいの、金井秀雄さん、93歳。
こんな風に話を切り出しました。お聞きください。

金井秀雄さん
「 それで初めて、あぁ我々乗った列車はシベリアにモスクワの方に
 向かっているんだってことがわかりまして。
 それからシーンとしまして、ガッカリしたんです、皆。
 シベリアに行ったら生きて帰れないんじゃないか
 っていう気持ちが。ほいで、映画やなんかでシベリアの囚人が・・・ 」

この日は金井さんによる【シベリア抑留体験談】を聞く会でした。
金井さんはシベリアの自伝集を書いていて、それを読んだ区役所の方が興味を持ち、
今回交流の場で、講演することが決まったそうです。

この家、名前は『こまじいのうち』と言います。

こまじいというモデルはいませんが、駒込にあるおじいちゃんの家に
気軽に立ち寄ってほしい、という思いをこめて名づけられました。

話にうなづくご年配の方や、メモをとる若い女性・子供連れのお母さんのほかに
近所にある東洋大学の学生さんもいました。
社会福祉学を専攻する一年生の畠山亮さんに感想を聞きました。

畠山亮さん
「 教科書とか授業で伺うことは多いのですが、直接現地に行かれた方から
 話を伺えるのはめったにない貴重な機会なのですごい貴重な話を聞かせて頂き、
 良い体験が出来たと思っています。
 本当に家っていう形なので、もう立ち寄り易いっていうのが一番だと思います。
 なんか、気を使わずにすごい自分の家とかおじいちゃんおばあちゃんの
 家にいるような。 」

他には“囲碁入門教室”や“シルバー川柳”“大学生落語”“ゆる育カフェ”など
様々な催しがあります。
だいたい100円~300円の利用料を払うだけで利用できます。

1歳9ヶ月の息子さんと一緒に来ていた近藤美加子さんは
ママたちが集まる“ゆる育カフェ”だけでなく、毎日のように『こまじいのうち』を利用しているそうです。
近藤さんに話を聞きました。

近藤美加子さん
「 ここが自分の実家にそっくりなところ。帰ってきたなと、
 落ち着く場所なので。基本まあ多いのが60代からの人たちが多いし、
 最近は若いお母さんが増えてきたので色んな交流ができて楽しいです。
 子供がのびのびと遊べるし、やっぱりここに来ると
 昔の遊びというかができるので。 」

けん玉とか折り紙、お手玉とか懐かしい遊びを習っているようです。
近藤さんはボランティアとして、『こまじいのうち』の運営にも関わっています。
さきほどの大学生もボランティア。地域の人たち自身で支えているんです。
運営スタッフで、文京区社会福祉協議会の浦田愛さんは、

浦田愛さん
「 最近はご近所づきあいが減り、若いお母さん達は
 どうすればママ友を作れるのかと悩んでいました。
 一方で高齢者は、麻雀や囲碁をしたくてもできる場所がないと、
 嘆いてたんです」

と話していました。
そして、利用者やボランティアの意見を取り入れて、イベントを考案しているということでした。

こういう場がほしいと、最初に動いたのは、周辺の12の町会でした。
そこに、「ちょうどいい空き家があるよ」と申し出たのが、本駒込の町で生まれ育った
家主の秋元康雄さんだったんです。

鍵の管理もあるので、毎日のように来ているという秋元さんはこう話していました。

秋元康雄さん
「 昭和の面影を残しているからみなさん喜んで使っていただけるんですね。
 昔は近所同士が扉開けると「いますよー」ってお茶でも飲んでらっしゃい
 っていう行き来があったけど、今ほとんどありませんよね。
 そういうイメージでここ使って頂ければなと。
 孤立死とか孤独死とかニュースになってましたけど、
 こういう場を利用してそういうのが防げれば尚良いです。 」

運営スタッフの浦田さんは、たとえば、一人暮らしの高齢者には、
立ち寄りづらい面もあるかもしれないので、 もっといろいろ工夫してゆきたいと話していました。

交流の場としてだけでなく、
少子高齢化社会の抱えるさまざまな問題の解決につながるかもしれないですね。

担当:小林真理