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親のがんを子供に伝える時、大切なこと

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

親のがんを子供に伝える時、大切なこと

今日は、がんになった親とその子供のサポートについて
TBSラジオの中村友美ディレクターが取材しました。

がんは、とても深刻な病気ですが、病気を患った本人だけでなく、
その家族、特にお子さんに対する心のケアも大事です。

そうした心のケアを目的とした団体「Hope Tree(ホープツリー)」が
2008年に立ち上げられました。
その立ち上げたきっかけについて、代表の大沢かおりさんに伺いました。

大沢かおりさん
「 お母さんが既にがんで亡くなってるんだけども、
 お父さんがもうすぐ亡くなってしまうという小学生の女の子と男の子が
 いたんですけども、上のお兄ちゃんも荒れちゃったりとか、
 下の子もまた小さいのにどう理解していいのか分からない中、
 親戚もそのお父さんの妹さんしかいらっしゃらなくて、
 スタッフでも苦労したんですけど結局誰も引き取れずに
 児童養護施設に入ったんですけど、そういったときに子供の心理、
 気持ちの面のサポートをどうしたらいいかというのが
 全然わからなくて、その後も立て続けに子供のケースがありまして、
 苦労したからこそ情報の大切さ、有難さが分かったんです。」

大沢さんはHopeTreeを立ち上げる前に、ご自身が医療ソーシャルワーカーとして
病院に勤める中でこういった経験をしたそうです。
そこで大沢さんは、テキサス州にあるがんセンターで
子供のサポートについて学びました。

Hope Treeでは、ホームページでの情報発信や、
親ががんの子供たちを集めたグループワークを主催するなどしています。
中でも特に重視しているのが、がんの親が、子供にがんをどう伝えるのか、
アドバイスをすることです。

実際に、ホープツリーに相談をした上で自分の乳がんのことを
娘さんに伝えたお母さんに、その時の様子を伺いました。

女性
「 伝えるべきなのか、伝えない方がいいのかというところを
 まず悩んだんですね。そこで、自分が通っていた病院に相談をして、
 手術が終わって一年半ぐらい経ったときに話をすることになるのですが、
 がんはうつる病気ではないということと、あなたたちが何か
 悪いことをしたから私であるお母さんががんになったのではないんだよ
 ということ。それと、治療していく上で、死なないという断言をせずに、
 死なないつもりよと伝えたほうがいいという風に聞いたので、
 その3つをまずは伝えようという風に考えました。」

このお母さんには2人の娘さんがいて、その当時は小学5年生と
幼稚園の年長さんだったということです。

お子さんの年齢によっても受け止め方が違うので、
どのように表現するのかということも、大事になってきます。
また、今苦しんでいる症状が病気からくるものなのか、
副作用からくるものなのか、正しく理解させることも必要です。
特にがん治療の副作用では、髪の毛が抜けてしまうとよく言われていますが、
その場合は、抗がん剤治療が終われば、再び生えてくる可能性があると、
伝えることも重要です。がんを伝えるときには、お子さんの不安を
いかに和らげるか、ということがポイントになると思います。

実際に、先ほどのお母さんから乳がんのことを説明された娘さん、
当時は小5、今は高校1年生のお姉さんの方に、お話を聞いてみました。

お姉さん
「 入院する時から、大きな病気なんだろうなということは感づいてたんですけど
 どこまで踏み込んでいいのか分からなくて。
 説明されてからは、普通に「大丈夫?」って
 声をかけられるようになったりだとか、
 自然にお母さんの家事の手伝いだとか、買い物の袋を持ってあげるとか、
 そういう普通のお手伝いを、何も考えずにすることができたな
 っていうのはありましたね。」

お母さんがいくら隠していても、お子さんが何か重い病気なんだと気づいてしまい、
一人で悩みを抱え込んでしまうというのは結構あるケースだそうです。

「Hope Tree」の大沢さんは、少なくとも「がん」という病気であるということは
隠さないで伝えたほうがいいとアドバイスしています。
今回お話を伺ったお母さんは、闘病を経て仕事にも復帰していますが、
ガンは重い病気ですから、どうしても、死が避けられないケースもあります。
そんな時にはどのように伝えればいいのか。大沢さんに聞きました。

大沢さん
「 明らかに死が避けられない状態になった時にも、いきなり前触れもなく急に
 亡くなってしまうというのは非常に、お子さんの心にも深く残ってしまうので、
 お母さんはすごいがんと一生懸命戦ってきたんだけど、
 がんの方が強くなってしまって、もうすぐ死んでしまうという
 お話があったんだよということ、伝えて、ただそういう風になってしまっても
 ちゃんと、あなたのお世話する人がいるっていうこととか。
 あとは、伝えたいことをお互い言っておくというのも大事ですと
 いうことで、そういう機会を設けるようにお話をしてます。」

がんの伝え方について、相談できる場所があるのはすごくいいことだと思います。
ですが、まだまだ相談機関は少なくて、全国でも5か所ということなので、
もっと全国的にも広まってほしいです。
また病院側も、がんを治療するだけでなくて、家族の心もサポートできるような
体制を整えていくことも大事だと思いました。

担当:中村友美

<関連情報・お問い合わせ先>
HopeTree(ホープツリー)~パパやママががんになったら~
http://www.hope-tree.jp/