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女性専用のギャンブル依存症施設「ヌジュミ」

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

女性専用のギャンブル依存症施設「ヌジュミ」

今日は『女性のギャンブル依存症』についてです。
ギャンブル依存症が疑われる人の数は、
厚生労働省の発表では男性が438万人、女性は98万人だとされています。
男性に比べると少ないように思いますが、
女性の場合、周りの人に言い出せず表面化していない人が多いため、
実際にはもっと多いと考えられています。
そこで全国でも1箇所しかないという、神奈川県横浜市にある
女性専用のギャンブル依存症リハビリ施設「ヌジュミ」を取材してきました。
(ヌジュミとは沖縄の方言で「希望」という意味)

ヌジュミに通っている女性にギャンブルにハマってしまったきっかけを聞きました。

女性
「ギャンブルをしたきっかけは、
 大学生の時に付き合っていた彼氏に一緒に連れて行ってもらって
 そこから自分でも1人で行くようになって
 夢中になって、のめりこんだっていう感じです。」

付き合っていた人に誘われたという、きっかけは些細なものだったんです。
最初は誰かに誘われて軽い気持ちで行くのですが、
多くの女性が、その後、子育て、仕事、1人暮らしの寂しさ、将来への不安などから
1人でも行くようになり、抜け出せなくなってしまうようです。
女性専用の施設を始めたきっかけについて
「NPO法人 ヌジュミ」の施設長 田上啓子さんに聞きました。

田上啓子さん
「どうして女性の施設が無いんだろうという疑問から、どうして
 女性が助からないのと、そこで自分が出来ることを探して、それは施設だろう
 ということで、私は施設を出てる人間なんで、始めようと思いましたね。
 異性と一緒だと話せないこともあって、異性として感じてしまって、
 同性同士だとそういうことは感じなくて、女性ならではの分かち合いの中でも
 お話の中でも共通点があるということですね。」

女性同士だからこそ話せることってありますよね。

施設長の田上さん自身もギャンブル依存症に悩んだ女性の1人です。
30代前半にご主人に連れて行ってもらったパチンコがきっかけで
10年間ギャンブルにのめり込み、精神科の病院などへ入退院を繰り返しました。

そのご自身の経験を活かして施設を作ったわけです。

ヌジュミは2007年に活動を始めました。
日曜日も含め毎日開いている、通い型の施設です。
お互いの悩みや体験したことを話し合うミーティング、
カウンセリングを中心に行います。
料金は横浜市からの補助金や寄付金で賄われているため無料です。

今までに100人以上が相談に来ました。
中には途中で通うことを辞めてしまう人もいますが、
通い続けた人のほとんどはギャンブルを辞め続けています。

ヌジュミを手伝うスタッフも皆ギャンブル依存症でヌジュミに通っていた人です。
ギャンブルを辞めるために大切なことを田上さんはこう話します。

田上啓子さん
「寂しかった時苦しかった時、むなしい時とか人生にありますよね。
 あの人のせいよ、この人のせいよ、だから私がこうなったのよ
 っていう世界から、自分がギャンブルをやったんだよ
 ということですね、結果はね。
 自分がやったってことを認めないと苦しいですよね。
 自分にも問題があった、環境のせいにしないで、ご自分が
 これから選ぶ人生で同じようなことを繰り返さないようにしようね
 ってことでサポートしていきますね。」

自分が自分自身を認めるということが重要なんです。

ギャンブル依存症の人のほとんどが
「自分はギャンブル依存症じゃない」
「自分だけは違う!」と言います。

それくらい自分では気付かない、そして病院でも診断しにくいものなんです。
現在施設に通っている人も皆さん自分は違うと思っていたと話します。
女性専用の施設で過ごすことで、どのような心の変化が起きたのか聞きました。

女性
「女性同士の何が良いかっていうと、
 ただ気取らなくて済むとこかなと私は思うんですけど、
 私がお医者さんにギャンブルの問題を話せなかったのは、
 私がパチンコをして借金をして惨めな思いをしてるのを
 わかってくれないだろうって
 どうせ馬鹿にしてるんだろうなって思ったから言えなかったので、
 やっぱりギャンブルをしてきた借金をたくさんしてきたっていう施設長だったり
 仲間の前では自分の話を正直にすることが出来ました。」
「皆それぞれ違う場所で世代も違うし、違ったところで生きてたはずなのに、
 話される話は自分と本当に同じ、
 今は不思議と心穏やかに毎日を過ごさせてもらってます。」

体験を共有・共感し合うことで、一緒に辞め続けられるようです。

ギャンブルはどこまでが遊びでどこからが依存症かの判断が難しいそうです。
施設長の田上さんは

田上啓子さん
「遊んでいる間は楽しくて周りが何を言っても聞く耳をもたない、
 本当にギリギリになって助けを求めに来る人が多いけど、
 中にはここに辿りつかずに死を選んでしまう人も少なくない、
 一番は早期発見・早期治療です。」

と話していました。

お話を伺ったお二人もまずご家族が気が付いてヌジュミへ繋がりました。
まずは周りの人、家族や友人が気付いて、
なるべく早い段階でこうした施設へ相談することが大切です。

担当:楠葉絵美