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障害児を専門に預かる保育園「障害児保育園ヘレン」

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

障害児を専門に預かる保育園「障害児保育園ヘレン」

今回は『障害のある子供を専門に預かる保育園』を取材してきました。

東京・杉並区に今年の9月にオープンした「障害児保育園ヘレン」です。
障害児を専門に預かる保育園というのは日本でもここだけなんです。

障害のある子供を受け入れている保育園は全国にいくつかあるんですが、
タンの吸引や酸素吸入など医療的ケアが必要な子供は
残念ながらほとんどの保育園で預かっていません。

今回出来た「障害児保育園ヘレン」は
そういった医療的ケアが必要な子供を対象にした保育園です。
実際に子供を預けているお母さんに話を聴きました。

お母さん
「息子は先天性の心疾患で心臓に持病があり喉の所に穴を開けているので、
 一定の時間で吸引をしなければいけないという医療ケアが発生するんですね。
 そうするとやっぱり安全面の問題などから
 入れる保育園がどうしても無かったんですね。」

様々な苦労があるわけなんです。
障害児専門の保育園を始めたきっかけを、ヘレンを運営しているNPO法人
フローレンススタッフの森下倫朗(みちろう)さんに聞きました。

森下倫朗さん
「約2年くらい前ですかね、世田谷区にお住まいのお母さんから
 お問い合わせを1個いただきました。
 間もなく育休があけるんだけど、どこの保育園も預かってくれませんと、
 その子は重症心身障害児で医療的ケアがあるお子さんなので、
 どこの保育園も自治体もごめんなさいと、
 我々の方では受け入れは難しいですというような回答で、
 保育って本来ならどんな子でも受け入れなきゃいけないと思いますし、
 優しく包み込むものだと思うんですよ、
 それなのにそういったものが全く出来ていない、
 だったら僕らで何かやってみようかと、
 そこから今回の障害児保育園ヘレンを立ち上げようっていう
 プロジェクトが始まったという感じです。」

障害のあるお子さんがいるお母さんも
職場へ復帰する時には保育園が必要です。
今まで無かったのが不思議なくらいです。

そこにはやはり医療的ケアという壁がありました。
タンの吸引などは医療行為にあたるため保育士が行うことが出来ず
(一部は研修を受ければ可能)、
看護師が常駐しなくてはいけません。
児童発達支援事業所という障害のある児童が通う施設はありますが、
ここはリハビリ施設のような場所で、短時間で尚かつ親と一緒に通うので、
保育園のように長時間預けたり、親が働くという事態は想定していません。

では障害児保育園ヘレンではどういった仕組みで運営しているのかというと、
預かる時間は平日の週5日、朝9時から午後6時頃まで
現在1歳から3歳までの11人の子供が通っています。

重度の障害がある子供のクラスと、
症状の軽い子供のクラスの2つに分けられていて
重度の障害がある子供は保育士が1対1で見ており
それぞれのクラスには必ず看護師が1人ついています。
この態勢により医療的ケアが必要な子供も
通常の保育園と同じように長時間預かることが出来るんです。

看護師がいることで、預けるお母さんも安心します。

ただ、先ほどお話を聞いたお母さんは週5日子どもを預けて働けていますが、
厚生労働省によると、
現在お子さんを持ちながらフルタイムで働く母親は全体の30%程度。
障害のある子供を持つ母親ではその割合がさらに少なくなります。
つまりほとんどの方が働くことを諦めているんです。

スタッフの森下さんは、
こうした保育園があることで、様々な相乗効果があると話しています。

森下倫朗さん
「お母さんが働くことでお母さんが輝くわけなので、
 それを見てるお父さんは嬉しいですよね。
 色んな相乗効果が生まれてくるとは思いますね、
 もちろん経済的な助けにもなりますし。
 例えば夜中も色々なケアをしなければいけないので
 なかなかゆっくり眠れなかったり、
 同じ悩みを共有出来る人が少なかったりしますので、
 ここに通うことが1つのコミュニティに参加することにもなるのかなと、
 同じような悩みを持った人たちの集いに参加出来る場所に
 ヘレンがなれば良いなと思います。」

同じ悩みを共有出来る人がいるというのは心強いですよね。
先ほどのお母さんも様々な悩みがあったそうです。

お母さん
「これまでは子供と1対1だとどうしてもこの子は将来どうなるんだろうとか、
 また病気が再発したらどうなるんだろうとか、
 そういった暗い部分も結構考えたりしてしまったんですけど、
 ここに通い出して本当に相談出来る方もいっぱいいるし、
 自分自身はお昼は職場でまた違った視点で仕事が出来るので、
 そういう意味ではこれまであったような
 ストレスが発散出来ているのかなという風に思います。」

現在ヘレンには保護者の方からの入園の問い合わせ以外に、
他の地方自治体などから「どのように保育園を開いたのか教えて欲しい」という
問い合わせも多いそうです。

ここを1つのモデルとして、こうした場所が増えて、
働きたい女性、働かなきゃいけない女性の助けになると良いなと思います。

担当:楠葉絵美

<関連情報・お問い合わせ先>
障害児保育園ヘレン ホームページ
http://www.helen-hoiku.jp/