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神奈川県が発見・開発!全国初の無花粉ヒノキ!

森本毅郎 スタンバイ!

今日は花粉症の発生源を無くす対策、のお話。実は、神奈川県が、全国で初めて「無花粉ヒノキ」を開発し、その苗木を初出荷できる体制が整ったのです。これは朗報!そこで・・・。

「森本毅郎・スタンバイ!」(TBSラジオ、月~金、6:30-8:30)7時35分からは素朴な疑問、気になる現場にせまる「現場にアタック」!!今日4月12日(月)は、『神奈川県が発見・開発!全国初の無花粉ヒノキ!』。というテーマで取材しました。

 

近堂かおりの現場にアタックhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20210412073931

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

★4074本の木を叩いて発見!「丹沢 森のミライ」

まずは、この無花粉ヒノキが、どうやって誕生したのか。神奈川県環境農政部森林再生課の長井正晃さんに聞きました。

長井正晃さん
「この無花粉ヒノキは、平成23年度から24年度にかけて、県内の森林で4074本のヒノキを一本ずつ叩きまして、そこで花粉が飛散しないかどうか、というのを確認して、ようやく一本だけ発見したものです。そのヒノキがほんとに花粉を飛ばさないか、という調査をしまして、二年間、確実に花粉が飛ばない、というのを確認してます。花粉が絶対に出ないかどうか、というのをきちっと確認してから、ということで、ようやく山に植えられるようなものができたというとこですね。全国初めて発見した無花粉ヒノキで、このほど愛称を募集しまして、「丹沢 森のミライ」という名前に決定をしたところです。今回出荷できるのが150本程度なので、今後は苗を増やしていく取り組みをしていかなければいけない所です。」

神奈川県が開発した「無花粉ヒノキ」。「丹沢 森のミライ」

自然界には何千本に一本の割合で、無花粉のものがある、と言われており、過去にはスギで既にやっていたので、ヒノキも見つかるはず!という想定で、高枝切りばさみのようなもので4074本、叩いて回ったそう。(アナログで地道な作業ですよね・・・)

花粉が絶対に飛ばないか、という調査と同時に、スギやヒノキは木材として使えるかどうか、が重要なポイントなので、強度など品質的にどうなのかも調査し、発見から9年。名前も決まり、苗を出荷できるところまで漕ぎつけました。

今回の出荷は150本。まだまだ山に植えるには足りない量なので、当面は、県の土地での植樹イベントなどで、この無花粉ヒノキの存在をPRし、今後は、苗の生産を増やして、個人の所有の山にも植えてもらう、というように広めていきたい、ということでした。

★普及のポイント1 苗木を作る人が増えるかどうか

しかし、この「木の苗の生産」なのですが、実はちょっと気がかりな点があるというのです。全国林業改良普及協会・専務、中山聡さんのお話です。

中山聡さん
「実はですね、日本の山っていうのは、戦後、いっぱい復興のために木を切って、この間、木が大きくなるまでは手入れする時代がずーっと続いてきたんです。要はその苗木をたくさん使うっていうことがこれまで無かったんです、しばらくの間。ですから、苗木を作る人も、今あんまりいなくてですね、苗木を作る人があんまりいなければ、せっかくできたその苗木も普及していくことができませんので。まあ、ただ、いまは「コンテナ苗」っていう名前の要はビニールハウスの中で苗木を施設栽培するような感じなんですけども、こういう新しい技術ができましたので、今後苗木ををたくさん作ってくれる人が増えてくる、ということが期待されてるということです。」

日本の山は、戦後の復興のために大量の木が切られ、そのあとに新しく苗木を植えましたが、それ以降、基本的にはその木を育て、手入れする時代が続いていた。

木を切って新しい苗木を植えることがないので、苗木の出番が減り、よって、その苗木を作る人がとても少なくなっている。作る人がいなければ、普及しようがありませんよね。

とはいえ、新しい技術で新規参入しやすくなったということで、希望はある。苗木を作る人が増えるかどうかが、無花粉ヒノキ普及のポイントになりそうです。

苗木の生産・供給が普及のポイント!

★普及のポイント2 木材を使ってください!

そして、無花粉ヒノキの普及にはもう一つ大事なポイントがある、と中山さんはいいます。

中山聡さん
「植え替えをするっていうことは、その前に花粉を出す木が立ってるっていうことですよね。木を切らないと、木を植えることができないということですので、まずその木が切られるような状況を作らなくちゃいけない、と。それはどういうことか、っていうと、木材として利用されないと木を切ることができない、ということになります。あの、そりゃあ山主さんとすれば、せっかく育てた木を、意味もなく切るっていうわけにはいきませんので。ちょうど今、タイミングが良くて、戦後植えられた木が、ちょうど今、木材として使える年齢になってるんです。木を切って木材に使いたいと言えば、山に木を持っている山主さんも了解してくれると思いますので、ですから、ぜひ木材を使って頂いて、花粉が出る木を、花粉が出ない木に植え替えるということにご協力をしていただきたい、と思ってます。」

植え替えるためには、木が切られて使われないといけない。山主さんとしては、成長するまで何十年かけた、生活の糧ですからね。生業である以上、言われてみれば当たり前の話ですが、妙に納得してしまいました。

無花粉という我々人間にとって有益なヒノキを増やすには、我々が木をどうやって活用するか、そこが進まないと、ということなのです。

海外の木材に押されている、と言われていた国産の木材ですが、最近は数字的にも盛り返してきているそうですから、引き続き、国産の木材を使って木の品質を変えて・・・長い時間がかかる作業ではありますが、やがては花粉症に悩む人が減る時代が来る、ということですから、それを目指して続けていきたいですね。(私もヒノキの花粉症なので)