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放送中

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2016年7月25日(月) 第18回放送『広島』

コンシェルジュ沓掛博光の旅しま専科
この5月にオバマ大統領が広島平和記念資料館を訪問した際に寄贈した自ら折った折り鶴と寄せられたメッセージ

この5月にオバマ大統領が広島平和記念資料館を訪問した際に寄贈した自ら折った折り鶴と寄せられたメッセージ

 今夏の広島市には新しい話題が登場した。一つは記憶も新しい、オバマ大統領が歴史的な訪問をした折に寄贈した自作の折り鶴および記帳の公開。もう一つは原爆ドームや市内を一望するおりづるタワーのオープンである。原爆投下の8月6日を来週にひかえ、最新の情報を紹介しよう。

出迎えた子供に手渡した大統領が折った折り鶴。こちらも広島平和記念資料館で公開されている

出迎えた子供に手渡した大統領が折った折り鶴。こちらも広島平和記念資料館で公開されている

 さる5月の伊勢志摩サミットの来日に合わせて実現したオバマ大統領の広島市の訪問は国内外に大きな驚きと感動をもって伝えられた。原爆死没者慰霊碑に献花し、スピーチの後、大統領は短い時間ではあったが広島平和記念資料館を訪問した。その際、自ら折った鶴2羽を寄贈、出迎えた子供達に手渡した2羽と併せ4羽が8月31日までの期間限定で公開されている。折り鶴は原爆資料などが展示されている部屋を出た出口近くの一角に、ガラスケースに入れられて、サインのあるメッセージと共に公開されている。淡い朱や青、紫色を基調とした色紙を使った鶴は通常の折り紙のサイズで折られ、きっちりとした折れ線が目を引く。館内の展示を見終えた見学者達は吸い寄せられるようにこの展示ケースにやって来てじっと見入り、忙しげにスマホや携帯で写真を撮っている。8月いっぱいまでの展示と期間が限られているのが残念だ。
 このケースの近くには見学者の名前や感想を記すノートが置かれているが、開館以来すでに千冊を超え、日本人を始め海外からも多くの人達が記入している。感想欄には「平和」や「PEACE」の文字が多く見られる。核兵器の想像を絶する恐ろしさとそれを使用する戦争の愚かさを感じ取った人々のいつわざる心境であろう。昭和30年に開館し、年間131万人(平成27年)が入館、海外からは23万5000人(同)と年々増加していると言う。

平和公園の中心に立つ原爆死没者慰霊碑。その先にに原爆ドームが見える(左)。7月11日にオープンしたおりづるタワー。最上階からは原爆ドームと投下目標となった相生橋などを俯瞰し、今までとは異なる原爆投下の様子が実感できるようになった

平和公園の中心に立つ原爆死没者慰霊碑。その先にに原爆ドームが見える(左)。7月11日にオープンしたおりづるタワー。最上階からは原爆ドームと投下目標となった相生橋などを俯瞰し、今までとは異なる原爆投下の様子が実感できるようになった

 資料館の前には犠牲者を風雨から守りたいという気持ちから丸い曲線が優しい埴輪の家型をした原爆死没者慰霊碑が立ち、その先に絶えることなく灯し続ける平和の灯、さらにその先に原爆ドームが一直線上に見える。今日、緑の木々に包まれる平和公園だが、71年前は焼土と化し、1本の木も見られなかったが移植によって見事に緑が蘇った。その中には被爆しながらもこの公園に移植されて被爆から1年後に見事に芽を出したアオギリの木が2本ある。もともとは3本あったが、1本枯れてしまったが、今もなお枝を広げて緑陰を作る姿は自然の逞しさを私達人間に伝えているようにも見える。
 公園のそばを流れる元安川を渡ったところに世界遺産に登録されている原爆ドームが立つ。その背後に7月11日にオープンするひろしまおりづるタワーがある。13階の最上階に展望台があり、眼下に原爆ドームと原爆投下の際に目印にした太田川に架かるT字型の相生橋が一望でき、南の方に回れば実際に原爆が落ちた爆心地の島病院が、今は島外科内科病院ととなった新しいビルを見ることができる。ここに立つと原爆投下の実際を、地上の平面からではなく上空から俯瞰図的にとらえることができる。一つ下のフロアーでは入館者が千羽鶴を折り、これを12階まで下から取り付けた透明の細長い箱、「おりづるの壁」に投げ入れ、最終的には100万羽でいっぱいにし、おりづるの壁にするという体験コーナーもある。

宮島・厳島神社の大鳥居。潮が引くと鳥居を支える柱のそばまで歩いて行くことができる

宮島・厳島神社の大鳥居。潮が引くと鳥居を支える柱のそばまで歩いて行くことができる

 ドームから少し上流に行くと元安川に設けられて桟橋があり、ここから宮島へ行く連絡船が出ている。約45分で着く。宮島は厳島神社と大鳥居の立つ前面の海、社殿背後の緑の弥山(みせん)の山も含めた聖地であり、世界遺産に登録され、今年で20周年を迎えた。厳島神社の創建は推古元年(593)と伝えられるがそのおよそ570年後の平安時代に平清盛が現在の社殿に造営した。満潮時には大鳥居も社殿もその下部の支柱が海中に没し、あたかも海の中に浮かぶ神社のように見える。この満潮のタイミングに合わせて訪ねるとその優雅な造りがよくわかる。また、干潮であれば大鳥居のところまで歩いて行かれるので、鳥居の太い柱を直接触れることができ、これはこれで趣あるができる。よく見ると鳥居の周りの砂地や鳥居の木の割れ目などに日本ばかりか海外のコインも多数見られ、人気の高さを示しているよう。
 この鳥居から一直線になって、高舞台、本社が見られ、それらの建物を回廊が結んでいる。平安の昔を偲ぶ寝殿造りそのままの佇まいである。この他、水上に浮かぶ能舞台や秀吉が建て、完成を見ずして亡くなり未完成と言われている千畳閣(豊国神社)など国の重要文化財に指定されている歴史的な建造物も多い。

宮島の名物、アナゴ飯。ふっくらとした味わいが食欲をそそる

宮島の名物、アナゴ飯。ふっくらとした味わいが食欲をそそる

 味覚では特産のアナゴ飯がある。大鳥居が立つ海辺近くにある宿兼食事処の錦水館では瀬戸内海で育ったアナゴをその骨でとっただし汁とともに炊き、お重に入った白いご飯にのせて出てくる。ふっくらとしたアナゴの味わいがごはんと良く合う。この7月からは夏においしい大ぶりのカキ「カキ小町」という新しい品種もお目見え。その殻を見ると通常のカキより2倍ほど大きく身もぷっくりとして食べごたえ十分。このお店では焼きガキで出している。この夏の宮島の新メニューだ。

問い合わせ:広島県観光連盟
      ℡082-221-6516
交通:山陽新幹線広島駅下車