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履歴書から性別欄、顔写真欄を削除へ。多様性に配慮

森本毅郎 スタンバイ!

2022年卒業の学生を対象とした企業の採用活動が3月1日に解禁されました。性的マイノリティなど多様性への配慮の観点から、これまでと対応を変える企業が徐々に増えています。TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で中村友美ディレクターが取材報告しました。

 

履歴書から性別欄、顔写真欄を削除へ。多様性に配慮http://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20210330073740

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

★履歴書から性別欄を削除

まずは、コクヨ株式会社が昨年末から発売開始した新たな履歴書とは。

コクヨ株式会社 ステーショナリー事業本部 広報 吉村茉莉さん
履歴書は、コクヨの従来品では氏名・生年月日の欄に並んで性別を選択するという欄があったんですけれども、これを削除したものという形になります。昨年の7月に、JIS規格協会のほうから、履歴書の様式例が削除されたという連絡を受けたことをきっかけにして社内でも検討を開始したという経緯になります。コクヨの社内でも、お客様の多様なニーズに対してメーカーとして選択肢を提供することが重要であるという風に考えたため、今回の商品化を実現しました。

従来の履歴書は男・女のいずれかに〇をつける形式がほとんど。男女雇用機会均等法で性別による採用判断が禁じられており必要のない項目のはずですが、これまで大きな削除の動きは無く、特に心と体の性別が一致しないトランスジェンダーの方にとっては苦痛でした。

そうした事情から当事者や支援団体が「履歴書から性別欄をなくそう」という署名活動を行い、およそ1万筆を集め、履歴書の様式例を定めている「日本規格協会」に提出。

その結果、性別欄などを含む様式例が削除され、それを受けてコクヨが早速「性別欄なし」の新しい履歴書を作ったという流れです。まさに当事者の声が届いたという形になります。

★履歴書から写真欄も無くそう

履歴書に関して新たな署名活動も行われています。その名も「履歴書から写真欄もなくそう」。呼びかけ人のお一人で「日本アルビニズムネットワーク」スタッフの矢吹康夫さんのお話です。

日本アルビニズムネットワーク 矢吹康夫さん
病気とか障害とか怪我などによって特徴的な外見をした人たち。そういった人たちが、『あなたのその顔では雇えませんよ』みたいなことをはっきり言われたりとか、『そんな顔だとお客さんが来ないじゃないか』とか『取引先の人が不快に思うじゃないか』みたいなことを言われたり、そういった非常に露骨な差別的な事を言われることもありますし、履歴書の段階でどれくらいはじかれているかはなかなかはっきりとは分からないんですけれども、少なくともその次のステップに進むという点では一歩前進することだろうなとは思っています。

この署名活動は、特徴的な外見により、日頃から差別に苦しんできた方たちが中心となっています。矢吹さんご自身は「アルビノ」という遺伝性疾患の当事者。全身のメラニン色素が十分に作れず、体毛や肌の色素が薄くなるという国の指定難病です。矢吹さんは同じアルビノの方を支援する活動をしていますが当事者の一人は就活の際「髪の毛を黒く染めるなら採用してもいい」などといった発言を受けたこともあるそうです。

そういった就活における差別を無くす第一歩としての「履歴書の写真欄も無くそう」キャンペーン。およそ1万2000人の署名が集まり、去年10月と12月に厚生労働省の担当者と面会をしたそうですが、残念ながら現状では何も進んでいないそうです。

★写真欄を無くす代わりに、動画で本人確認

そんな中、採用する企業側として独自に「証明写真の提出を求めない」という対応を始めたのが三井化学株式会社です。

三井化学株式会社 人事部 櫨山義裕さん
選考の要素において外見って別に一切入っていないんです。元々入っていないので、選考の要素に入っていないことを求めるっていうことも、お互い必要のないことをやっていますし、それによって苦痛にとか、何かストレスを感じられる方がいらっしゃるというのであればそれはやっぱり企業の方から取り除いていくことが大切なのかなと思ってます。で、本人確認ですね。面接に来られたときにその人が本人かどうかっていうのを確認するためには必要なのではという意見もあってですね。証明写真ではなくて、エントリーシートの設問の一つとして動画の自己PRっていうのをやっていまして、本人確認はもうそれでできるので無くしました。

自己PR動画では服装も自由となっています。証明写真であれば男性用、女性用のリクルートスーツの着用が求められることが多い中、性的マイノリティにも配慮した形です。

「日本アルビニズムネットワーク」の矢吹さんはこういった企業側の動きについて「すごくいいことだと思う。けれど、この動きがさらに広がっていくためには厚労省が動いてくれるのが一番いいと思う」と話していました。