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「食から子供を支えよう~『子ども食堂』という試み」

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

「食から子供を支えよう~『子ども食堂』という試み」

「子ども食堂」という地域の試みが、少し広がりを見せ始めています。
「子ども食堂」というのは、貧困など様々な理由で、家庭でご飯を満足に食べられない状況にある子供に食事とだんらんを提供しようというもので、子供一人で立ち寄れる食堂です。

崎山記者は、3年前の夏、東京・大田区でスタートした「子ども食堂」を訪ねました。東急池上線蓮沼駅からすぐのところに、「気まぐれ八百屋 だんだん」があります。「だんだん」の建物は、元居酒屋だったということで、調理と食事をするスペースがあり、毎月第二と第四の木曜は「子ども食堂」になるのです。

開店は午後6時。待っていると次々とお客さんが現れました。この日のメニューは、黒豆をいったものを入れたご飯。大根とこんにゃくの煮物。あと、ポトフ。
店主の近藤博子さんは「家庭的なメニューで、いつも考えています。特別なごちそうではないです。野菜を多く使ってバランスよく」と説明してくれました。 近藤さんは、「昔は、隣のうちの晩御飯にまぜてもらって、食べることも。そんな雰囲気を目指してます」と話します。
料金は子供が300円。大人は500円。30分もたつと、20人ほどの大人と子供で店はいっぱいになりました。

話を聞くと、「一度来て見たら、一人暮らしのお年寄りとか、お子さんとか、うちもそうなんですけど、主人が遅いんで、子どもと自分だけでご飯を食べるんで、こういうところがあると、みんなで食べれて。実家に来たみたいですよね」と子ども連れのお母さんが答えます。
もう一組のお母さんに聞くと、「みんなで食べると楽しいね。ふだん、おいしいものを作っても、一人で食べると味気ないし、大勢で話しながら、みんなで食べると美味しく感じられるということもあるのかと思います」と答えてくれました。

常連には若い男の人もいます。子どもたちから「げんちゃん」と呼ばれている男性は28歳。仕事の終わった後、あるいは夜勤の時などその前に、「だんだん」でご飯を食べていくんです。崎山記者が取材した日は、現在つきあっている彼女も一緒に来て、一緒に子供たちの遊び相手をつとめていました。

「子ども食堂 だんだん」を開いたきっかけは、店主の近藤さんがあるとき、小学校の副校長先生から「親が病気などで暮らしが苦しい子供の夕食がバナナ一本や菓子パンだけで、学校給食を頼みの綱にしている」という現状を聞いたことがきっかけです。
近藤さんは「子供の食は、地域で何とかしないといけないのでは」と考え、そういう子供が一人でも入れる「子ども食堂」を思いついたんです。

でも、「だんだん」には、げんちゃんのような若い男性も一人暮らしのおじいさんも、子供連れの母親もやってきます。近藤さんは、「もともと最初からそういう子供たちだけを呼び込みたいと 思ってたわけではなくて、それだとやっぱり、ある意味、そういう子供たちだけ、という差別化につながってしまうので、それは社会ではないだろ、と思うんです。やっぱり、ミニ社会であるということでいえば、いろんな人たちが集まっている中に、たまたまそういう子がいた、という方が自然だろうと思うんです」と話します。
地域の大人ともつながりを持つことで、その子供の家庭の抱える問題を解決するきっかけも見つけられるかもしれません。

「子供が一人で立ち寄れる地域の居場所」を目指す「子ども食堂」ですが、2015年の一月には東京・池袋で、NPO法人「豊島子どもWAKUWAKUネットワーク」が「子ども食堂サミット」を開きました。
集まったのは、大田区の「だんだん」の他に、豊島区の「要町あさやけ子ども食堂」、調布市の「キートス」、荒川区の「子ども村 中高生ホッとステーション」。
対象者や運営方法、ご飯の値段なども様々ですが、支援の網からこぼれがちな子供を「食」から支えようという思いは共通です。
課題もいろいろ話し合われましたが、その中では、この2月から大学生たちが試験的に開いている「はちおうじ子ども食堂」からの質問や、4月から練馬区で開かれる「ねりま子ども食堂」も紹介されました。

バランスの取れた食事をおなか一杯食べる。 何をするにしても基本です。地域の子供支援のあり方として注目されます。

担当:崎山敏也