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再生医療で髪がふさふさに!毛髪再生に光。

森本毅郎 スタンバイ!

今月、世界初と言う画期的な「再生医療」の技術を、日本の研究機関が発表しました。それは「髪の毛の再生技術」。抜け毛に悩む男性には朗報となるこの技術、どんなものか?2月25日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

 

田中ひとみの現場にアタックhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20210225074010

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

まずは、世界初という今回の成果について、理化学研究所の生命機能科学センターでチームリーダーを務める辻孝さんに聞きました。

★髪の毛の再生医療

理化学研究所 辻孝さん
私たちの研究成果は「髪の毛を再生する」ことで話題。「毛包=髪の毛を作る器官」から2種類の幹細胞を取り出してきて、生体外で増やして、実際に1本の毛包から100本の毛包を作り出す技術を作りました。さらに、生やした髪の毛が1回だけ生えてくるだけじゃ意味がない。生えて抜けて、また次繰り返す。だから、自分が望みさえすれば元通りの状態をずっと維持できる世界が広がると思います。
森本毅郎スタンバイ!

マウス培養毛包上皮性幹細胞による周期的な毛幹(皮膚外に露出している部分、矢尻)の再生(理研ホームページより)

髪の再生医療。わかりやすく言えば、髪が抜けて、ツルツルになっても、またふさふさに再生できる。

まず、前提として、脱毛には「男性型脱毛症(AGA)」と、女性にまれに起きる脱毛症がありますが、辻さんのチームは、比較的メカニズムが分かっている「男性型脱毛症」の研究です。

そもそも髪の毛は、毛穴の中にある「毛包」とよばれる、髪の毛の生産工場で作られているそうです。ところが、「男性型脱毛症」は、この毛包に問題が起きて健康な毛が作れない状態。

今回の研究では、まだ健康な状態の毛包を取り出し、体外でその「タネ」作って、100倍に増やすことに成功しました。だから、それを、髪の毛が抜けてしまったところに戻せば、ふさふさに戻れる、というわけです。

実際には、親指の爪サイズの皮膚を切り取ります。すると、その中に、毛包が100本位入っています。それを3週間で100倍=1万本に増やして頭皮に移植、半年もすれば5センチ程度伸びてくる。これで十分、ふさふさに見えるそうです。

★「自分は後頭部の毛だ!」と永遠に勘違い

今後、人の頭頂部に実際に移植してみて、早ければ2年後の実用化を目指しているそうですが、ポイントは、最初に取り出す毛包は、「後頭部の毛」でなければならないそうです。その理由を聞きました。

理化学研究所 辻孝さん
「男性型脱毛症」は、顔の表面から来る場合と後ろから来る場合があります。これは頭皮の清潔さではなくて、遺伝。後頭部は「男性型脱毛症」になりません。なので、後頭部から取ってきた毛包を、「男性型脱毛症」の部位に持ってくると、その毛包は後頭部の毛だと思ってるんです。後頭部だと思って生え変わり続けます。だから根治治療。ずっとそのまま。

後頭部は男性型脱毛症にならないので、後頭部から毛包を持ってくることで、「自分は後頭部の毛だ」と勘違いしたまま、頭頂部で生え続けてくれるそうなんです。

実は今行われている「植毛」も、この勘違いのメカニズムを利用していて、後頭部の毛を、薄いところに移植。ただ、毛そのものを増やすことはできないので、毛の数は限られる。ですのでかなりの面積の後頭部の皮膚を移植する必要があり、患者に負担。また、後頭部に密集している毛を、薄いところに移植すると、「全体的に薄める」感じになってしまう。そのため今回発表となった「増やす技術」というのが、非常に重要ということでした。

「人類はギリシャ時代から薄毛に悩んでいた。毛包再生は人類の長年の夢」と、辻さんは話していたのですが、ネックはお値段です。早くて2年後の実用化を目指しているということですが、いま想定しているのは、2000〜6000万円、プラス加工費・・・辻さんによれば、先端医療は、他のものも、実用化当初はこれくらい高くなってしまうそう。

ただ、「需要が高まれば、金額は下がってくる」ということで、辻さんの目標は、「数百万」まで下げること。それでも高いと思いましたが、オーダーメイドのカツラの生涯コストは数百万円なので、ここまで下がれば…ということでした。

★将来は歯の再生も可能に

いろんな意味で夢の再生医療ですが、実はこの技術、髪の他にも夢は広がります。

理化学研究所 辻孝さん
私たちは「歯」の再生の研究も進めています。今一般的に入れ歯とかブリッジとかインプラントってありますよね。あれに代わる、根本的に元々の自分の歯のごとく、再生できるような方法を開発してます。これも来年から臨床研究に入ることを目指している。本当に歯もお困りだと思う。噛めない、食べられないというのは、生活の質にものすごく大きい影響を与えるので、もともとの感覚も元通りになる。3年後ぐらいには、実用化できる段階に行ける可能性は十分にある。

もともと歯を作り出すタネは、乳歯用と永久歯用の2つしかありませんが、髪の毛の再生医療と同じ原理で、人工的に「歯のタネ」を作り出す。こちらも、現在、マウスで実験を進めています。

辻さんのチームは、今月から、人を対象にした臨床研究に向けて、寄付金を募集しています。目標額は、髪の毛や歯の再生などを合わせて5億円。個人、企業を問わず受け付けているということです。

▼理化学研究所のホームページで寄付を募っています。
https://www.riken.jp/support/solicited/index.html/#organ_regen