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メダカの飼育・販売に取り組む障害者就労支援事業所「めだか販売店」▼人権TODAY(2021年2月20日放送分)

人権TODAY

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは…『メダカの飼育・販売に取り組む障害者就労支援事業所「めだか販売店」』

メダカと福祉をつなげた理由

その名の通り、メダカを売っている「めだか販売店」。精神障害や知的障害がある方が利用する“障害者就労支援事業所”として、一体どのような運営を行っているのでしょうか?運営する「株式会社あやめ会」代表の青木崇浩さんに、お話を聞いています。

★株式会社あやめ会代表 青木崇浩さん
メダカを卵から孵化させて、繁殖させて、育ったメダカを我々の力で販売していくという形。それによって得た収益というのを、我々の所で働く彼らに全額分配していくというのが、この就労継続支援B型での生産活動でのルールなので。
ここで働く彼らも日々同じ作業ではなくて、やっぱり考えて仕事を作るとか、自分で売り上げる喜びとか、あとは社会に於いて、この仕事はどの部分に位置するのかとか、その経済活動の体感、というものを肌で感じてもらうような。

青木さんは2004年に自らの飼育経験を基にした、メダカの総合情報サイト「めだかやドットコム」を立ち上げて、“メダカブーム”のきっかけを作った方で、この世界ではカリスマ的な存在です。
そんな青木さんが、障害者の就労支援の場として、2016年10月に開所したのが、「めだか販売店」というわけです。

ではどうして、メダカと障害者支援を結び付けることを思い付いたのでしょうか?現在44才の青木さんは、25才の時に脳内で神経を血管が圧迫するという重病に罹ったため、20代後半は専ら療養に費やし、一時車椅子を使う生活を送りました。そんな中でメダカ飼育のサイトを立ち上げたわけなんですが、青木さんが不自由な身体でボランティアに行った障害者支援施設で、子ども達がメダカの水槽を見て目を輝かせるのに触れて、「メダカと福祉を繋げたい」という希望を抱いたのです。

その後回復した青木さんは、30代の10年間は、介護施設と障害者支援施設で働いて、経験を積みました。
そして遂に、自らが生まれ育った八王子に、「めだか販売店」をオープンさせたというわけです。JR八王子駅南口を出てすぐのビル内に在るお店は、こじんまりとしている中に、縦長で直方体の水槽が幾つも並んで、とても清潔感溢れるスペースになっています。

春のオープンを目指して準備中の「めだか販売店」ショールーム

今回インタビューを行ったのは、その近くに間もなくオープン予定のショールームと、めだかの飼育施設を兼ねたスペースでしたが、こちらもアクアリウムというよりは、オシャレでシックな空間に、まるでインテリアのように、大小様々な水槽が並んでいました。

「めだか販売店」ショールームを彩る大小様々なメダカの水槽


「めだか販売店」ショールームを彩る大小様々なメダカの水槽


「めだか販売店」ショールームを彩る大小様々なメダカの水槽>

「めだか販売店」は2016年の開所以来、“メダカブーム”の流れの中で事業を進めてきましたが、ここ1年ほどは特に、コロナ禍で在宅生活が長引く中で、メダカを飼育する人も増え、売り上げも上がっているといいます。

「めだか販売店」の利用者たちとこれから

障害者就労支援事業所としての利用者は、最初の年は25人でしたが、現在は40名ほどまでに増えています。そんな利用者の1人で、10代の頃から摂食障害で入退院を繰り返していたという20代の女性、「めだか販売店」に通所して3年ほどになる山田愛さんのお話です。

利用者 山田愛さん
何か3年前はそんなに外に出ること、毎日誰かに会うことに、あんまり出来なかったんですけど、ここに通うようになって、毎日行く場所があるというのは、すごく私の中で楽しいです。みんなが「おはよう」と言ってくれることが、すごく嬉しいです。

山田さんはめだかの飼育に関わること自体よりも、そこに集まる利用者の仲間や、青木さんをはじめとするスタッフの方々との関わりに喜びを覚えるようになったと言います。こんな風に、利用者の方々にも、色々なタイプが居て色々な関わり方があると、青木さんは語ります。

株式会社あやめ会代表 青木崇浩さん
私の代わりにね。メダカの講義であったり、他社でメダカについて語れるご利用者も、5名ほど育ってきていますし。ものを売る力であったり、そういったものに力を発揮する方もいるので。餌を詰めていく作業とか、裏方の仕事。我々は本当にチームで、全員で一つの仕事を作り上げているということを、日々意識しながらね。

「めだか販売店」を運営する「株式会社あやめ会」代表の青木崇浩さん(右端)と利用者の皆さん>

利用者の通所するペースも、各人の状態によって、人それぞれです。
傾向として、女性は場としての「めだか販売店」を大切にする者が多く、一方で、めだかに熱中してエキスパートを目指す者は男性が多いそうです。そんな男性利用者の一人で、「めだか販売店」に3年近く通う、20代前半の木下裕介(きのした ゆうすけ)さんのお話です。

利用者 木下裕介さん
学んでいく内にどんどん興味が出てきて、メダカの飼育する楽しみ喜びというのを、感じてきて。卵から孵って、どんどん育っていく姿が、たまらなく愛おしいなっていう、そこが楽しいのかなって思います。
メダカのことを学んで、アクアリウムとかメダカのそういう関係の仕事に就いていけたらなという風に思っています。

こんな気持ちに応えたいと、青木さんはメダカの出荷を、世界中に広げていくことで、「めだか販売店」で出会った利用者の方々が正規で働ける場を自ら作ることを目指しています。

★「めだか販売店」
https://www.medaka-house.com/
〒192-0904
東京都八王子市子安町1-2-6 南口駅前ビル 5階
TEL:042-649-4410(10時~18時 水曜定休)

担当:松崎まこと(放送作家/映画活動家)