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実は深刻!コロナ後遺症の実態

森本毅郎 スタンバイ!

今月「国立国際医療研究センター」が「コロナ感染者の76%に、後遺症が見られた」という、新しいデータを発表しました。去年から指摘されている後遺症ですが、少しずつ、研究も進んでいます。2月18日TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で、レポーター田中ひとみが取材報告しました。

 

田中ひとみの現場にアタックhttp://radiko.jp/share/?sid=TBS&t=20210218073719

radikoで放送をお聴きいただけます(放送後1週間まで/首都圏エリア無料)

 

まずは改めて、後遺症の症状について、診療を行う渋谷のヒラハタクリニック・院長の、平畑光一さん。

★コロナ後遺症、多数の人に症状アリ

ヒラハタクリニック・院長 平畑光一さん
後遺症で多い症状は、「倦怠感」。その他、気持ちの落ち込み、息が切れる、胸が痛い、体のあちこちが痛いなど色々あるが、髪の毛が抜けてしまう方もたくさんいる。倦怠感についてはかなりひどい倦怠感の方が多く、例えば10日にいっぺんしかお風呂に入れないとか、お風呂に入ると寝込んでしまう、歯を磨くのもつらい、髪の毛を乾かすことができない、ドライヤー持ってられないから、という方がたくさんいる。短い方で2〜3ヶ月。長い方だと1年以上かかっている人も。中には、数年、もしかしたら一生かかるかもしれない方もいる。
森本毅郎スタンバイ!

ヒラハタクリニック(渋谷)では「後遺症外来」を開設しています。こちらはホームページに掲載されている、よくある症例。

症状は本当にさまざまで、倦怠感、気分の落ち込み、思考力の低下、頭痛、脱毛、嗅覚・味覚障害。多い人だと10個以上の症状が、複合的に見られることも。

そもそも平畑さんが「コロナ後遺症」の存在を疑い始めたのは、昨年3月頃。「微熱が長引く」、「強い倦怠感」など、複数の患者が同時に、同じ症状を訴えたのがきっかけ。そして去年の秋、新型コロナ専門の「後遺症外来」をオープンし、オンラインも含め、これまでに1000人以上を診察してきました。

中には、後遺症の影響で仕事に行けず、解雇された人。そうでなくても休職状態の人は、200人近く。更に、時短勤務などでギリギリ働いているも大勢いるようで、平畑さんによると、「働く人の6割以上が、仕事に影響が出ている。コロナは仕事に影響が出る病気と捉えて差し支えない」、としています。また、「女性は男性よりも、後遺症が表れるリスクが1、4倍高い」とも指摘していました。

★「倦怠感」、リハビリは逆効果。ただし確立された治療法はない

では、後遺症を改善するために、どのような治療を行っているのか。平畑さんに聞きました。

ヒラハタクリニック・院長 平畑光一さん
倦怠感は非常に難しい。生活の状態を整えたり、食べ物に気をつけたり、漢方薬使ったり、色々してちょっとずつ治す。一番大事なのは、運動しちゃいけない。だるくなるような運動をすると悪くなってしまうので、だるくならないように動いてくださいと指導。リハビリをすると逆効果。まだ明確にはわかってはいないが、後遺症の一つの原因が「自己抗体」。自分の抗体だけど、自分自身を攻撃してしまうダメな抗体ができてしまう。これがコロナの後遺症の原因の一つと報告されている。ただ、確立された治療法というのは今のところない。

現状は、後遺症の治療法や特効薬はなく、出てきた症状を抑える「対処療法」が中心となっています。ヒラハタクリニックでは漢方なども使うそうですが、例えば「脱毛」の場合、亜鉛のサプリを処方する。血液の状態を調べると、「亜鉛不足」の患者が多いことが分かってきたので、亜鉛を多めに摂ってもらうようで、そうすると、抜け毛の症状は、ゆっくり改善していくということです。

また、厄介なのが「無症状」の感染者。特に若い世代の中で、無症状だったけど、後遺症だけが出てきてしまうケースについては、「何だかわからないけど調子が悪い」と、後遺症だと気づくのが難しい場合もあります。

後遺症については昨年の夏にも、このコーナーで取り上げました。その時、「厚生労働省は8月から(やっと)、後遺症についての調査を始めます」とお伝えしました。ところが、国はいまだ「調査中」、結果はまだ公表されていません。また、冒頭でお伝えした、「感染者の76%に、後遺症が見られた」という国立国際医療研究センターのデータは、実は、対象人数63人の中から抽出された数字で、約1000のデータを独自に集計してきた平畑さんと比べると、データ不足感は否めません。

★後遺症は「気持ちの持ちよう」?いまだ理解のない医者も

感染拡大が収まらない以上、今後も後遺症を訴える人は増えそうですが、平畑さんの把握する限りで、いま国内に、後遺症を診察している病院は10件に満たないそうです。そして、そのことも、患者を不安にさせています。

ヒラハタクリニック・院長 平畑光一さん
なかなか厳しい話だが、実はコロナの後「症状が続いています」と病院にかかろうとすると、「うちではコロナは診ていません」と断られることがある。医学的には、10日も経てば人にうつすことはないと分かっているが、勇気がないのか知識がないのか、診てもらえないことがよくあるよう。症状が辛いからと地元の病院に行くと断られてしまったり、診てもらえても「気持ちの持ちよう」と言われて帰されてしまったり、まだまだ理解が進んでいない、患者さんが辛い思いをしている現状。

いまだに、「気持ちの問題」と片付ける医者もいるということで、医師も手探りの状態。ただ、「76%に後遺症」という数字をどう受け止めるか。個人の感染対策、改めて重要だと感じました。