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日本語が話せない外国人のための「医療通訳」

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

日本語が話せない外国人のための「医療通訳」

日本で暮らす外国人の病院受診を手助けする「医療通訳」について取材してきました。
現在、日本に住んでいる外国人はおよそ200万人、中には日本語を上手に話せない方もたくさんいます。こうした人たちが病院で診療を受ける際に、医療スタッフとの会話の仲介をするのが「医療通訳」です。

神奈川県内で、医療通訳を病院に派遣する業務を行っているNPO法人「多言語社会リソースかながら(MICかながわ)」の理事長の松野勝民さんによりますと、派遣を始めた2002年度当初は年間270件だった依頼件数が、昨年度は5,300件まで増加したということです。

通訳が派遣されるシステムですが、まず病院に外国人の患者さんが来られて、「言葉が通じない」ということになると、病院からMICかながわのコーディネーターに連絡が入ります。
プライバシーに注意しながら、いつ、何語の通訳が、どの病院で必要なのか、診療内容は何かを聞きます。そして、適切な通訳を選び、派遣されるという仕組みです。

外来診療の際の医師と患者の間の通訳が一番多いのですが、入退院の手続きの説明、家族への病状説明、医療費の相談など、様々な場面で通訳をするそうです。
「MICか ながわ」では、現在、スペイン語、ポルトガル語、韓国・朝鮮語、中国語、タガログ語、タイ語、英語、ベトナム語、ラオス語、カンボジア語、ロシア語の11言語に対応しています。

中国語の通訳スタッフをしている佐藤ペティーさんの話です。

佐藤ペティー
「まず両方の話を忠実に訳すこと。足さない、引かない、変えない。感情移入しない。ただ、その現場で、お医者さん自身が話したいことをスムーズに伝えることで、患者も分からないことを
自分から臆することなく質問できるようになる。医療従事者と患者の間のコミュニケーションをいかに円滑にするかというのが心がけていることです」

MICかながわでは、現在、180人ほどの医療通訳が登録していますが、9割が女性、ほとんどが主婦の方です。ベトナム語やラオス語の医療通訳はその国出身のネイティブでかつ日本語も話せるスタッフが担当し、英語やスペイン語の通訳はその言語が話せる日本人スタッフが担当することが多いそうです。

費用は一部、患者負担となる場合もありますが、基本的には病院側が通訳者に支払う仕組みとなっています。

一回の利用、およそ3時間程度で3,000円程度ですので、ボランティアベースの活動となっているが現状です。また、最近困っているのが、少ない通訳者登録の言語があり、派遣依頼の需要と供給のバランスが悪いということ。ベトナム語やラオス語などは、通訳スタッフの数が少なく、病院側の希望する日に、通訳スタッフを派遣するのに苦労するケースも多いそうです。

現在は、県の広報誌などを通じて通訳スタッフを募っています。語学力や適性を判断したうえで登録となり、先輩通訳の指導のもと訓練をします。独り立ちした後も、定期的な研修でスキルアップを図っています。
MICかながわでは今後、病院への派遣だけでなく、地域の個人開業医や在宅医療の現場にも医療通訳を派遣したいと考えています。

担当:瀬尾崇信