お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

放送中

放送中


地域の障害者と大学生が一緒に作り上げてきたカフェ

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。
様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

地域の障害者と大学生が一緒に作り上げてきたカフェjinken_20150530

崎山記者が取材したのは東京・日野市の「明星大学」のキャンパスにあるカフェ「スター・ショップス」です。5年ほど前にオープンした「スター・ショップス」は地域の障害者と学生が一緒になって運営しているのが特徴です。

大学が場所を提供し、運営の主体は障害者の就労支援などをしている日野市のNPO法人「やまぼうし」。元々は明星大学の2人の学生から、「学食とは違った感じの、ゆっくりできるカフェがほしい」「学生同士の交流の場にして、キャンパスに賑わいを」という提案が出されたのがきっかけで、いろいろ検討した結果、「やまぼうし」が障害者の就労支援の事業所としてオープンさせて、発達障害など様々な障害がある人が働く場所にし、提案した学生たちが運営に協力することになりました。
しかし、最初の学生たちはほどなく、卒業していったので、「スター・ショップス・サポーターズ」というサークルを作って、仲間を増やし、先輩の志を引き継ぐことになったんです。

「スター・ショップス・サポーターズ」の代表、3年生の菊池みなみさんは

菊池みなみさん
「サークルでは毎年、夏休み子ども科学体験教室をやっていて、ピザ作りや遊びを通して、科学体験をして学んで帰ってもらうというイベントです。そのイベントが毎年、人気がありまして、今年もまた来たよ、と言ってもらえると、すごくうれしいです」と話します。副代表で3年生の林祥平さんはサークルに入った理由について「自分で考えた企画を実行してみたかったというのが大きいです。キャンパスの果てにあって、このカフェをいかに大きくするのか、というのがやりがいがあって、楽しかったです」

と話します。
学生はただお店を手伝うだけでなく、夏休みや学園祭の時など、カフェを盛り上げ、知ってもらうためのイベントを主体となって行うんです。大学で「いままでと違ったことを何かやりたい」という学生がこのサークルはけっこう参加しているようです。

ふだんは、お昼のランチの時間が混むので、学生は「赤いベレー帽」をかぶって、「やまぼうし」のスタッフと一緒にレジや接客を手伝います。メニューはカレーにピザ、様々な揚げ物をはさんだバーガー、飲み物はコーヒーに紅茶、ソフトクリームにパフェと大体200~300円前後の手ごろな値段で、セルフサービスのカフェです。
お昼になると次々にお客さんがやってきます。オープン直後から働いているという「やまぼうし」のスタッフ、国府諒さんに話を聞くと、

国府諒さん
「揚げ物担当です。チキンカツのカレーが評判です。揚げ物が大変ですね。チキン南蛮とかから揚げとか。やっぱり難しいのはから揚げ。粉の調整が」

と話します。いまは、揚げ物を一手に引き受けているのが国府さんなんです。
「やまぼうし」の話では、高次脳機能障害のある人もよいリハビリになったそうですし、サポーターズの学生さんは、「障害あるなし関係なく、自分が得意なところで、みんなそれぞれ仕事をしているという感じで、教わることも多いです」と話していました。

授業の一環として、カフェが使われることもあります。国際コミュニケーション学科の学生が企画して、アフリカ文化を伝えようと、アフリカ風の特別メニューを期間限定で出し、学生がアフリカの魅力について説明するイベントを開きました。
明星大学で学んでいることを学内や地域に広めたり、学んでいることを実践したりする場にもなっているんです。
サポーターズのメンバー、2年生の二宮佳穂さんは、

二宮佳穂さん
「自分は学部も教育なので、もともと子どもと関わる仕事をするのが夢だったんです。それをこのサークルで、実際に、ピザ作りを一緒にやったりだとか、いろんな子供たちのかかわりを学べるということで、ここに入りました」

と話します。
また、4年生の前田亮佑さんは

前田亮佑さん
「カフェが目指しているところに、地域の人にもっとたくさん利用してもらうというのがある。現段階でも、近くに団地があるんですが、おじいちゃんおばあちゃんたちが食べに来てくれます」

と話します。

NPO法人「やまぼうし」の理事長、伊藤勲さんはオープンからの5年間を振り返って、

伊藤勲さん
「大学の中に障害者の働く場が作れて、かつ、大学とも学生とも地域ともつながっていく。こういうのは全国的に見てもあまり継続しているのはなかった。今のところ、売り上げも事業も順調だし、学生たちの世代交代の危機も乗り越えて、波及効果も、予想した以上の効果が生み出されたな、と評価しています」

と話していました。

今年度も新入生が入部して、現在30人ぐらいで活動しているそうです。明星大学のオープンキャンパスでも、見学者が学内を見て回るコースに「スター・ショップス」が組み込まれたりしているそうです。大学が、学生にとっても、そして地域にとっても魅力的な場になる、一つの面白い試みだなと崎山記者は思いました。

担当:崎山敏也

<関連情報・お問い合わせ先>
NPO法人「やまぼうし」
http://yamabousi.org/
Star Shops Supporters
https://www.facebook.com/StarShopsSupporters?ref=stream