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今年から指定難病が拡大。難病の当事者たちが望むこと

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今年から指定難病が拡大。難病の当事者たちが望むこと

今日は、難病患者を支援する新しい制度について
TBSラジオの中村友美ディレクターが取材しました。
難病とは、原因が不明で、治療の方法が確立していない病気を指します。
これまでは医療費の助成を受けられる難病が56疾患ありましたが、
この7月時点では306疾患に拡大しました。
その中で今月新たに難病の指定を受けたのが「遺伝性ジストニア」ですが、
このジストニアとはどういった疾患なのか、
患者に会って話を聞いてきました。

患者さん
『全身が揺れ動いて、会話をしているだけで汗が噴き出してきて、
 箸が持てない、スプーンが持てない。声の声帯も痙攣で押されちゃう感じ。
 そうしたら、ジストニアの脳深部刺激という手術がある。
 頭の中にリールという線を入れて、電池で刺激する。
 12~3万は実費でかかりますね。』

改めてジストニアとは、筋肉が緊張して、異常に動いてしまう難病です。
お話を聞いたこの方の場合は、全身にジストニアの症状がありますが、
部分的な症状の方も多く、手に力が入って字がかけなくなる、
目が閉じてしまう、首が反ってしまう。足が曲がってしまうなどさまざまです。
ジストニアは根本的に治すことはできませんが対処療法はいくつかあります。
この方の場合は、脳に電極を刺して電気で刺激し、筋肉の異常な収縮を
抑えています。わきの下に電池を入れていて、電池交換は自己負担で
12万円かかるとおっしゃってました。
他にも、一回でおよそ10万円かかる注射を3~4か月ごとに
打っているという方もいました。今回の指定難病の対象になると
そういった医療費の自己負担額が通常の3割から2割に引き下げられます。
また、ジストニアは障害者手帳を取得できない方も多いそうですが、
指定難病になると必要に応じて障害福祉サービスを受けることができます。
ですが、実はジストニア患者でも、そういった支援の対象になるのは
ほんのわずかだそうです。NPO法人ジストニア友の会代表で、
ジストニアの専門医でもある堀内正浩さんのお話です。

堀内正浩さん
『「遺伝性ジストニア」は、遺伝子が確定しているということ。
 ジストニア全部が特定疾患になるわけではない。
 怪我のためになった人、薬の副作用でなった人もならない。
 遺伝性はほんのわずか。ジストニアの人が日本に3万人いるとすると、
 遺伝性の人は500人ぐらいの可能性がある。』

ある病気が難病指定されるには「診断基準がはっきりしていること」が
条件の1つですが、原因となる遺伝子がはっきりとしている
「遺伝性ジストニア」以外のジストニアは診断の基準が難しく、
またそもそも原因が分からない方も多いです。
そういった「遺伝性ではないジストニア」は今回は難病指定されませんでした。
一方で、これまで既に支援を受けてきた難病の中には、
新しい制度では逆に負担が増えてしまう場合もあるということなんです。
10年ほど前からパーキンソン病を患っている平峯寿夫さんのお話です。

平峯寿夫さん
『今回の制度で対象者が増えた分だけ国もそれだけの出費がかさみますけど、
 既存の人たちも少しはもってくださいということで、
 だいたい月に2千円足らずぐらいだったのが
 5千円とか、単純にいくと2倍以上になりますけど。』

パーキンソン病は、手足が震える、動作が遅くなるといった症状がある
難病ですが、既に37年前には医療費の助成を受けられるようになっていて
研究も進み多くの薬が開発されてきました。
ですが、今回の難病指定の条件に「治療法が分かっていないこと」ともあって、
パーキンソン病は指定難病から外されてしまうのではないかと
言われていたそうです。
結果的には、外されませんでしたが負担が多少増える形になりました。
今回の難病支援の新制度は、幅広くしかし薄く支援をする制度とも言えますし、
遺伝性ではないジストニアのようにまったく対象にならない人もいます。
ですが難病患者は、医療費の負担だけでなく、生活の面でも切実に
困っている方も多いです。
最初に話を聞いたジストニア患者の方はこうおっしゃていました。

患者さん
『パソコンで書類作ったり、メール送ったり、仕事してたんですけど、
 パソコン打ってると、震えてくるんです。というのをきっかけで仕事はやめて、
 失業保険がもう終わるんです。ちょっと仕事をしないと…といっても
 こんな体でできないなと思いまして。』

難病患者の中には、医療費が払えないために治療を諦めてしまう人も
いますので、安定して収入を得られる環境を整えることも必要だと感じました。

担当:中村友美

<関連情報・お問い合わせ先>
NPO法人 ジストニア友の会
http://www.geocities.jp/dystonia2005/
一般社団法人全国パーキンソン病友の会
http://jpda-net.org/