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「えほん障害者権利条約」について

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で08:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・「えほん障害者権利条約」について

今回は『障害者権利条約』を取り上げます。

障害者権利条約というのは、国連が作った条約=ルールで、
身体障害、知的障害、精神障害など障害者の尊厳と権利を保障しましょう、
という内容です。
この障害者権利条約を題材にした絵本が今年の5月に出版されました。
なぜ条約を絵本にしようと思ったのか。
NPO法人 日本障害者協議会・代表の藤井克徳さんに聞きました。

藤井克徳さん
「2006年12月に国連総会で障害者権利条約ができた。
この権利条約は簡単に言うと障害者問題に関する世界の共通ルール=差別しちゃいけません、みんなが力を合わせましょうということが書いてあるが、国連の約束事だから難しい。これを出来れば子供の心にこの権利条約をわかってもらう道はないかなぁと考え、絵本でやや難しそうな権利条約を表したってことです。」

障害者の権利などを訴えて活動していた藤井さんは、自身が全盲だということもあって
障害者権利条約の制定に向けて何度もアメリカを訪れロビー活動などを行っていました。
2006年に障害者権利条約が出来てからも、それを広く知ってもらおうと
活動していましたが、条約は前文が25項目、内容が50カ条もある。
それを全て伝えるのは難しいということもあって、藤井さんは、条約の重要な部分の1つ
「社会の中には、赤ちゃんから高齢者、障害のある人、ないひとなど様々な人がいる」
という部分に絞って子どもでもわかるようにと、絵本にしたと話しています。
藤井さんにどんな内容なのか伺いました。

藤井克徳さん
「内容は、権利条約を擬人化して、国連で生まれた時から始まって成長していく。
そして、回り回って日本にもやっとたどり着く。それからこれからの社会とか地域はどうあるべきかを後半に持って行って、文章と版画で表したということです。」

障害者権利条約」を”ボク”という男の子に例えて、
世界各国にボク=「障害者権利条約」が受け入れられていく様子などが描かれています。
挿絵の版画は、静岡の社会福祉法人、ラルシュ・かなの家の職員、佐藤啓さんによるものです。
佐藤さんに聞きました。

佐藤啓さん
「権利が守られていないという事を感じる事が今までもあったんで、これはなんとかしないといけないという思いがあって、藤井さんからも障害者の生活を良くしていきたいということを伺って、それをなるべくこの絵の中に入れた。
20~21ページ、権利条約が大事にされている街を描いた。障害者と接した人が笑顔になってる絵が多いが、皆さんも絵の中の人の様に笑顔になってほしいという思いがある。」

佐藤さんの話で出てきたページには、
『障害者権利条約が大切にされている街』という未来予想図が描かれています。
例えば、車椅子の人が映画を観ていたり、結婚式を挙げていたり、
サッカーをしている人がいたり、合わせて68人の様々な人が描かれています。

けさ紹介した「えほん障害者権利条約」は汐文社から税抜き1500円で発売中です。
売れ行きは7月時点では1万2000部を上回っていて、
学校や障害者施設など様々なところで読まれているそうなんですが、
藤井さんは、まだこんな課題があると仰います。

藤井克徳さん
「私たちの障害問題や人権問題は大事だということはみんなわかっているが、難しいとか距離があるとか思われがち。絵本という手法はとてもいいという感触を得たので、これから差別とはどういうことか、虐待はいけませんというものを単純に文章で書くのではなくて絵本で表すことはあってもいいし、わかりやすさということで、伝え方を私たちも考えていかないと、新しいものを考えていかないと、正しいんだからわかってくれだけでは人権問題は進んでいかないと思ってます。」

今回の絵本をきっかけに、さらに人権問題を多くの人達に知ってもらえるように
これからも努力していきたいと話していました。

担当:清水栄志