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重度の障害児を預かる学童「太陽の子」

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で8:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

重度の障害児を預かる学童「太陽の子」

今回は身体障害と知的障害が重複した重度の障害児を預かる学童施設を取材しました。

放課後や土曜日、今のような夏休みなどに子どもが過ごす学童保育ですが、
障害児が通う学童は放課後の居場所や日常生活の訓練を行う場として
指定を受けた事業所で「放課後等デイサービス」と呼ばれています。
3年前に児童福祉法が改正されて、民間企業などが参入しやすくなり、
現在は全国に5,500か所以上と法改正前の倍以上に増えています。

施設の増加に伴い利用者も増えてはいますが1つ課題があります。
「放課後等デイサービス」は基本的に看護師の配置は義務付けられていないため、
痰の吸引や酸素の吸入など医療的ケアが必要な重度の障害児が通える場所は
非常に少ないというのが現状なんです。

今回は埼玉県さいたま市に今年1月にできた
看護師がいる「放課後等デイサービス 太陽の子」を取材しました。

「太陽の子」に通う重度の障害がある小学2年生の女の子のお母さんの松本美樹さんは

松本美樹さん
「看護師さんがいる放課後デイというのは本当に少なく
 貴重な藁にもすがる思いという感じです。
 気が抜けないのでまず。でもこちらに預かっていただければ
 とりあえず昼寝をするなり洗濯や掃除をするなりできるので。
 例えば趣味とかそういうのも犠牲にしてずっときているので。
 やっぱり生きるためには楽しいこともないと生きていけないので。」

と話してくれました。
こどもの世話のため、24時間、気の抜けない生活を送っている家族にとっては
休息や家事、兄弟の学校行事に参加するといった時間を作れる
貴重な場所ということで待望の施設だったようです。
そのため市外から車で片道1時間ほどかけて来る利用者も珍しくありません。

「太陽の子」管理責任者で看護師の石井歌子さんは現在62歳で
「何かをしたい」と考えながら長年、老人介護の仕事をしてきました。
障害児を預かる場所の必要性を感じたのをきっかけに、息子さん二人に相談。
看護師や介護士の仲間もスタッフとして加わり、合わせて7人で
「太陽の子」を手弁当で開きました。

取材をした土曜日は、一軒家を改造した20畳くらいの活動スペースに
小学2年生から4年生の女の子4人が朝の10時から午後4時まで
医療的ケアを受けながら絵本やぬいぐるみ遊び、
近所の散歩などをして過ごしていました。
スタッフは子育て経験のある50代、60代の方が中心なので
家庭的でとても和やかな雰囲気で子どもたちも楽しそうでした。

一方で、運営には苦労もあるといいます。
石井歌子さんの次男で「太陽の子」代表・石井貴広さんは

石井貴広さん
「個人で立ち上げたときに最初にかかる資金や国の指定を受けること。
 また、子どもを預かって収入になるのは2か月後になること。
 重度の子たちを預かるためには
 給料の高い看護師さんに働いてもらうことになること。
 などがあり、経営はすごく大変だ」

と話しています。

手厚いケアを続けるためにはお金もかかるということです。
人件費の問題以外にも
体調を崩しやすい子どもの急な欠席で利用料がもらえないことも多く、
安定した運営資金を得るのは難しいそうです。
このため代表としての収入がほぼ無い貴広さんは
他の事業を掛け持ちして生計を立てています。

それでも、何とか軌道に乗せて続けたいという石井歌子さん。

石井歌子さん
「お母さんたちが本当にたくましいんです。だからそれを見たら力になりたくて。
 だからお母さん方には『一緒にやりませんか?』という気持ちなんです。
 私たちはサポートする形で、ここはお母さんたちが自由に使えるような
 そんな場所にできたら一番いいのかなって思うんですよね。」

と話し、
お母さんたちを支え続けるため、まずは市や学校などを通してより多くの人に知ってもらい、
利用者を増やして安定した運営につなげたいとのことです。

障害児のお母さんたちには、頼れる場所があるというだけで心強いと思います。
もっとこのような施設が全国に増えていくといいですね。

担当:岡本祥子

<関連情報・お問い合わせ先>
放課後等デイサービス 太陽の子
http://xtif.co.jp/index.html