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放送中

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中国残留孤児自らが演じる劇

人権TODAY

毎週土曜日「堀尾正明+PLUS!」内で08:15頃に放送している「人権トゥデイ」。様々な人権をめぐるホットな話題をお伝えしています。

今回のテーマは・・・中国残留孤児自らが演じる劇

今年は「終戦から70年」。そして、8月8日は、当時のソビエト連邦が日本に対して宣戦布告をした日です。
日本が事実上支配し、農地の開拓や、様々な仕事で日本人が多く住んでいた旧満洲国、現在の中国東北部と呼ばれる地域にはソビエト軍が侵入し、大混乱となりました。そのため、肉親と死別、または生き別れとなり、中国人に引き取られたのが、「中国残留孤児」と呼ばれた人たちです。
「中国残留孤児」の歴史を舞踊、踊りで表現した「舞踏劇」の練習が新宿区の西新宿シニア活動館で行なわれているので、崎山記者が取材しました。

舞踏劇「孤児の涙」は、日本語のナレーションを除き、NPO法人「中国帰国者・日中友好の会」の会員およびその家族、配偶者や二世、三世だけで制作、演出、そして演じられています。
今月の26日に埼玉県の所沢市で開かれるイベントで披露されます。
NPOの理事長、池田澄江さんは

池田澄江さん
「今の若い人は、戦争は知らない。戦争はどのように怖いのか、戦争はどのようにみんな被害を受けるのかわからないから、やっぱり、これを見てほしい。劇の内容は本当のこと。事実です。いま孤児はみんな70代。でも、自分は誰ですか。自分の生年月日いつですか。自分の母親、父親、会ったこともない状態です。これは絶対、くり返すことはできないです。それが私たちの望みです」

と話します。

「孤児の涙」では、残留孤児が日本人の肉親と死別、または生き別れになった状況が様々に描かれるます。その中に、自分の身すら助けられない状況で、日本人の母親が赤ちゃんを人目につくように置いて去り、中国人の養母が引き取るシーンがあります。
NPOの宮崎副理事長に通訳してもらって、日本人の母親を演じる、残留孤児二世の女性と中国人の養母を演じる、ご主人が残留孤児という女性に話を聞くと、

女性
「70年前の戦争だから。捨てたくて捨てたのではない。自分の子供なんだから。でもしょうがなかった。食べ物も飲み物も何もない。お金もない。そういう気持ちを感じます」「主人は残留孤児ですが、昔のことをよく、70年前のことを話すんです。だから、中国のお母さんの気持ちはわかります」

と答えてくれました。
理事長の池田さんも、「プロの役者は誰もいないけど、自分自身や自分の家族のことですから、皆心をこめて演じます。観客に伝わると思います」と話していました。

皆さん練習中は真剣そのものです。しかし、休憩に入るとにぎやかにおしゃべりしたり、お菓子をつまんだり、ご飯を食べたり。練習が交流の場にもなっています。
理事長の池田さんは

池田澄江さん
「みなさん50代、60代で日本に戻ってきて、日本語ができない。友達は作れない。日本人と同じ団地に住んでも、日本人あまり相手にしてくれないです。だからみんな集まって、お互いにたすけてあげて、みんな一緒に楽しい時間を、人生最後まで。日本は祖国ですから、日本で最後まで安心して暮らせるようにしたいんです」

と話していました。

残留孤児の帰国は1980年代から本格化し、厚生労働省によると、これまでに2818人が認定、9割以上が永住帰国しました。すでに多くが中高年になっていて、日本語の習得や安定した職につくことが難しかった。
そういった「残留孤児の今と当時」を知ってもらい、「戦争をくり返してほしくない」という思いから、この舞踏劇が演じられるイベント「中国残留孤児 戦後七十年記念公演」は8月26日(水)に開かれます。
ノンフィクション作家の城戸久枝さんらが写真と映像を基に語ります。
また、「孤児の涙」の上演や合唱、日本舞踊、京劇、楽器の演奏など日中両国の文化が孤児たちによって披露されます。

「中国残留孤児 戦後七十年記念講演会」の会場は所沢市民文化センター。
8月26日(水)の午後1時開演、入場は無料です。
問い合わせは「中国残留孤児援護基金」、03-3501-1050まで。

担当:崎山敏也

<関連情報・お問い合わせ先>
中国残留孤児援護基金
03-3501-1050